第13話
「ぐっ」
「がっは」
「が」
「うっ」
「ふふ、楽しいな」
「はぁー」
私は兵たちをどんどん倒して行き気分は上昇中に対してレイの気分は下降していく。
私は今、薙刀で暴れている。
どこから取り出したかって、それは黒い大きめな宝石がついたブレスレットに変化してたのだ。
これもエデル兄たちからの誕生日プレゼントなの‼
薙刀に変化しているブレスレットと対になる白い大きめな宝石のブレスレットは刀が変化している。
「そこまでだ」
「?」
短い赤髪にエメラルド色の瞳、右頬に大きな傷痕がある強者の貫禄がある魔族が出てきた。
「俺は四天王が一人、刃風のアキガだ」
「クレハです」
相手が名乗ったなら自分も名乗らないとね。
「ん? 後ろのやつはどこかで見たことあるような」
ギクッ
「気のせいだ」
「そうか」
なんかあるね、絶対。
「侵入者よ、何が目的か知らないが四天王として務めをはたさせてもらう」
真面目な人だ。あ、人じゃないか魔族か。
アキガのネックレスの四つあるチャームの二つが槍に変化した。
二槍流か、珍しいな。
残りは剣かな?
「アイス」
床に手をつけて凍らせた。
「ぐ」
アキガは凍った床に足を取られたが槍を降った。届いてないはずなのに切り傷ができた。
「なるほど、少し厄介だな」
「俺は腕力だけで鎌鼬のようなものができる。それが刃風の名の由来だ」
でも、私は吸血鬼だからすぐ傷は治る。
「ちっ、吸血鬼か」
ちょっとした傷は治る吸血鬼は戦う相手にとって厄介な相手なんだ。
「ウィンドブレス」
「危な」
ウィンドブレスはドラゴンのブレスに匹敵する上級魔法だ。
いきなり上級魔法とは私が強者だと解っているな。
「はっ」
二本の槍に鎌鼬、傷が治るとはいえ痛みは感じるからかなりヤバいかも。
私はこれから無詠唱でいくことにした。
[ブラッドレイン]
これは吸血鬼にしかできない血属性の魔法。
「く、無詠唱か」
槍を回して回避するが防ぎきれない。
私はそのスキに攻撃する。
[アイス]
足場を凍らせ次に
[スリーブ] バタッ
無属性の[スリーブ]で眠らせた。
さすがに直撃だから効果はあった。
「四天王の一人に勝っちまった」
「えっへん」
「お前、反逆者になるつもりか?」
「サフェート兄さんとは仲いいって言ってるじゃん」
「信じられん」
「もー」
レイはひどいな。
「さあ、次に行ってみよう」
私たちはサフェート兄さんの執務室に向かうのだった。




