第12話
「なあ、その二匹なに」
魔王城に向かっているとレイか子犬サイズになってるフェンリルことフェンと私の頭にいるノアールについて聞いてきた。
「誕生日プレゼントにもらった」
「誕生日プレゼント…」
「子狼はフェン、私の使い魔。小さいからってなめてかかると返り討ちにされるよ。猫はノアール、たまに生まれる無属性なら使える動物。でも、あまり話たがらないの」
「そうか。本当にいたんだ」
「そこの角を左に」
「……魔王城に向かっているのか」
「そうだよ」
「追い払われるぞ」
「これでも魔王サフェートとは仲いいの」
「あのお方が小娘と仲がいいとは思えない」
「追い払われたら無理やり侵入する」
「おい」
「あ、ついた」
レイと話をしてたら魔王城についた。
「大きな城」
「当たり前だ」
門のところに門番がいた。
「不法侵入しようかな」
「サフェート様と仲いいんじゃなかったのか」
「アポとか行くとか連絡してない」
「ダメだろ」
今日ていうか少し前に決めたんだもん。
当たり前じゃん。
「それにその方がおもしろそう」
「やめっ」
「突撃! アイシクルレイン」
私はレイの止めも意味がなく魔法を放った。
私は多すぎる魔力を抑えるためエデル兄からもらったシルバーのシンプルなデザイン軟骨強制ピアスをつけている。
強制ピアスをつけていても魔力は多いもんね。
「なんだ? うわっ」
「おい! 侵入者、侵入者だ」
「ふふ」
「……」
サフェート兄さんの部下たちはどんな人だろう?
楽しみだな。
門を通ってみると城までに噴水を挟んだ道がある。
そこにはもう兵たちが集まっていた。
「もうこんなに集まってる。優秀だね」
「お前たちか魔王様の城と知っての狼藉か!」
「ここから先は行かせんぞ」
「降参するなら今だぞ」
「どうすんだ?」
「こうするの。 ハリケーン」
「うわ」
「飛ばされる」
兵たちは大きな竜巻によって飛ばされていく。
「そういえばお前、詠唱破棄できるんだな」
「今頃突っ込むんだね」
詠唱破棄はけっこう高度な技術なんだ。もちろん無詠唱もかなりの技術がいる。
私は無詠唱も出来事がこっちの方がなんかしっくりくるから詠唱破棄をよく使う。
「おじゃましまーす」
「はー」
次は誰が出てくるかな?




