第11話
光が収まるとそこは森だった。
「下界に来たがここどこ?」
周りを見ると遠くに道がちゃんと整備されている。
近くに湖があったからそこに向かった。
「ここがどこか把握してギルドに入るか?学園に入る?魔族領で暮らすのも、うわっ!」 ドサッ
どう生活していくか考えながら歩いていると何かにすつまずいた。
「いたた」
足下を見ると足があった。
木にもたれ掛かって寝ている前髪は少し長めで後ろの髪の毛は肩より長い銀髪に綺麗な顔をした男性がいた。
「誰だよ、こっちは寝てたっていうのに」
私は起き上がってついた土をはらっていると、つまずいた足の主が起きたようだ。
顔を見ると瞳の色は琥珀色で、気配から吸血鬼のようだ。
ちょうどいい、ここがどこか聞いてみよう。
「すみません。道に迷ってしまって、ここがどこか教えてください」
「森」
「そうですけど」
「はぁ」
ため息つきたいのはこっちだ。
「お前、誰?」
「は?」
「誰だって聞いてるんだ」
「相手に名前を聞く時は自分から名乗るのが礼儀でしょ」
「お前、俺のこと知らないのか?いや、そんなこと言ってるから知らないか」
こいつ何様なわけ。見た目に反して口が悪いし。
「俺はレイ・モア・フェイト」
「クレハ・オエ・サクラウッド」
「ここはマディーダにある世界樹の森だ」
「マディーダ! 世界樹!」
「あぁ、そうだ。なぜ、そんなに驚くんだ。お前、まさか人間か!」
「違う」
「だよな」
「レイは何の種族?」
「俺は純血の吸血鬼」
「え!そうなの」
吸血鬼だと思ったけど本当に吸血鬼とは。
「私も吸血鬼なの」
「純血ではないだろ?」
「自分で考えな」
私は始祖だからわかると思うんだけどな。
ここがどこかわかったことだし、ケーマで地図見て魔王城にでも行こうかな。
ケーマていうのはスマホみたいなものでアプリは無いけど地図や予定帳などの機能がついている。
電話はケーマの中にある魔石が電波がわりになっているんだ。
これは魔族が開発したものの一つでもちろん魔族しか持っていない。
なぜ、私が持っているかというとサフェートからもらったお土産の一つなのです。
「どこに向かうんだ?」
「どこでもいいでしょ」
「ふーん」
「何で付いてくるの」
「おもしろそうだから」
私の後にレイがついてくる。
「どうなっても知らないから」
「いいぜ」
私はレイとともにサフェートの魔王城に向かった。




