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人が死んだら

作者: あい

人が死んだら悲しいだろう?


それは死んだ方も同じ。


俺は3日前に車に轢かれて死んだ。

まだ若い妻も、小学校に入ったばっかりの長女、幼稚園の次女もいる。


未練なんてたくさんある。

あの子らは俺がいなくても大丈夫かとか悲しんでないだろうかとか。


でもさ、普通葬式って泣くだろう?

でも俺の家族みんな笑ってるんだよ。


俺、そんなに嫌われてたのか。

家族のために、身を粉にして働いてたのに。

それもみんな、あの子らからにしたら無駄だったのかもしれないな。

それか、もっと構って遊んであげれば良かったのか。

でも、あの子らは俺がいなくてもいいんだな。大丈夫なんだろうな。



それから7日たって俺が空に行く時が来たんだ。

そしたらさその日の夜、次女が泣き始めたんだよ。

「お父さんいかないでー!!」って。

それ聞いたら嫁も長女も泣き始めちゃって、みんなで「お父さん、あなた、いかないでー」って。

もう心配で泣き止ませたくてオロオロしてたよ。


しばらくずっと泣いてたんだけど、泣き止んでからまた長女が笑い始めたんだ。

「私達笑ってるから、お父さん安心してお空に行ってね」って、目にいっぱい涙溜めてさ。

嫁も次女も泣きながら笑って、「安心してね」って。


俺、この子達の夫でよかった。父でよかった。

俺がいなくてもこの子達なら大丈夫。

ありがとう、安心したよ。


でもさ、でも…さ。

欲を言えば

もっと生きたかった。

もっとこの子達の成長に関わりたかった。

もっと嫁を愛したかった。





それから何年かたった俺は毎朝7時35分に、家族のいる家へ帰る。

そこにはスーツを着た長女、制服を着た次女

少し老けた嫁が、仏壇の前で笑っている。


そして俺も笑う。

父さんは元気だよ。安心してね。

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― 新着の感想 ―
[一言] 大切な人の死、家族の想い、故人の残した想い 文章一つ一つに家族の愛、作者様の伝えたかった意志が詰まっていて、とても感動しました 素晴らしい作品です
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