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そして仲間が一人

予約して投稿していたつもりがデータが消えていたという衝撃の事実。

「それで主≪ごしゅじんさま≫これからどうなさいますか?」


「他の迷宮へ挑戦してみようと思う」


 奴隷解放団体の騒動から一週間が過ぎた。


 ギルドから詳しい調査が終わるまで探索やクエスト受注禁止といわれてしまったがために宿で待機というつまらない日々がようやく終わる。


 レティアとアイテムやポーションを収納して部屋を出た。


 そういえば、アイツはどうなったのだろうか?


 探求者が行きかう道を歩きながらふとベルトルトのことを思い出す。


 解放団体の裏の顔が明らかになってからギルドに全てを話す為に出頭してからあっていない。


 ギルドは今回の事件をかなり重たいものと捉えているようで解決へ貢献した者達にすら情報開示を良しとしなかった。


 無理もないだろう。


 奴隷を解放するために活動していた連中が奴隷を生み出していた。


 こんな事態で喜ぶのは好んで奴隷を連れているような・・・・。


「俺も喜ぶべき・・・・なのかな」


「どうなさいました?」


「いや、何でもない。レティア、今日から迷宮のわけだが」


「ちょーっとまったぁあああああああああああああああああああああ」


 どの迷宮へいこうかというところで大きな声がして白い影がごろごろと前へ転がり込んだ。


「・・・・ぁ?」


 ずざざざと砂埃をまき散らした当人は派手に転倒していた。


 締まりのなさに呆れて言葉が出ない。


「なんだ?」


「こ、この奴隷解放団体に所属するベルトルト・ハウンデルハイネ改めてただの探求者のベルトルト・ハウンデルハイネを置いていくとは何事だぁ」


「声がでかい、あと鼻血がでているぞ」


 顔から突っ伏したベルトルトはどくどくと鼻から赤いものを流しながらビシッと胸元を叩いて咳き込んだ。


 カッコよさのへったくれもない。


 流石のレティアも苦笑していた。


「それよりもお前、こんなところにうろついて大丈夫なのか?」


「そこは安心したまえ、僕はギルドへ情報を貢献したという事で罰金120万Pの処理で済んだ・・・・・まぁ、全財産使い切って金欠なんだけどね」


「さて、レティア、俺達は迷宮攻略へ乗り出すか」


「そうですね」


「ま、待ってくれ!」



 置いていこうとしたら回り込まれた。


 逃走失敗。


 鼻血を治したベルトルトは事情を話した。



 あの後、ギルドへ出頭したベルトルトは全ての情報を開示したことによって大きな罪に問われる・・・・ことがなくなったらしい。


 ギルドからすれば扱いに困っていた団体を潰せる。さらにいえば地位を確立できるからという裏の目的もあったかもしれないが本人が犯罪に関与していないというところが大きく罪に問う事をしなかった。


 その代り解放団体の幹部たち全員は真っ黒で永久投獄は逃れないらしい。


「ま、僕は体のいい道化だったわけだ」とベルトルトは悲しそうに言った。


 但し、彼だけを罰しないというのは問題があるだろうという事で罰金という形で処理することにしたそうだ。


 そして、ベルトルトの貯蓄はなし。


 金を稼ぐために探求者として活動をすることにしたらしい。


 さて、ここで問題。


 ベルトルトの得意な分野はなんでしょう?


 正解は。


「しかし、僕はサポートしかできない。サポートは探求者の中でかなり扱いと稼ぎがかなり悪い。そこでキミ達へ僕を売り込もうというわけさ。あ、分け前は五分五分で頼むよ」


「・・・・レティア」


「奇遇ですね。私も言いたいことがあります」


 偉そうにふふんとした態度をとっているベルトルトへ俺とレティアは一言。


「「おとといきやがれ」」


 雇うことを拒否してやる。


「僕の態度が悪かったです。どんな条件でも文句を言いませんから雇ってください。お願いしまーす!!」

プライドも何もかも投げ捨ててベルトルトは頭を下げる。


「だったら初めから普通に頼み込め」


「いや、探求者はなめられてはいけないと」


「そんなこといっていられる立場なのか?」


「うぐ!?」


「ベルトルト様、舐められてはいけないことは大事です。ですが、今の貴方様の状況では仲間も得られません。状況に応じていくことが必要ですよ」


「う、ぐ・・・・わ、わかったよ」


 服に付いた土をぬぐってベルトルトが立ち上がろうとした。


「レティア、丁度いいところにサポートが得意な探求者がいるな」


「そうですね」


「え?」


 俺の言葉にレティアは苦笑しながら頷く。


 ぽかんとするベルトルト。


「そこの探求者さん。今から迷宮攻略へ乗り出すんですが一緒に行動しないか?」


「報酬はこれから行う迷宮の成果で話し合いという形でどうでしょう?勿論、手に入れたレアアイテムは貴方の物にして構いません」


 だから。


「「一緒に活動しませんか?」」


 俺とレティアの言葉にベルトルトは涙を零しながら手を取る。


「よ、よろじくおねがいじまずぅ!」


 最後まで締まらない男。ベルトルトを仲間にして俺達は迷宮攻略を開始する。






これにて今回の話は終了、次回から急展開にする予定です。

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