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プロジェクト名の由来

 ダンジョンショップをクリックして見ると、すぐに画面一杯にアイテムが表示される。

 全部に目を通していたらキリが無いだろうが、幸いなことに検索機能や、DPが高い安いでアイテムの並び順を変えられるようなので、欲しいものはすぐに見つけることが出来るだろう。

 キリが無いと言いつつ軽く流しでだが目を通すことはしておく。

 DPが足りなくて買えなかったとしても、こういうものがあると知っているだけでこれからのダンジョン造りに大きく変わってくる。

 

 軽く目を通してわかったことは、アイテムのおおまかな種類。

 【ダンジョン設置系】【武器・防具系】【アイテム・宝具系】【生活用品系】の四種類に分類されるということだ。

 

 【ダンジョン設置系】はトラップ関係やダンジョンの環境などのことだ。

 例えばダンジョンを海の様なものにしたいと考えた場合、イメージで土台はできても海という環境アイテムを使わなければ、ただ広い空間だけのダンジョンになってしまうということだ。

 (ちなみにさっき見た海の環境アイテムの購入DPは10万を超えていた)

 

 【武器・防具系】は文字通りのもので、ダンジョンに召喚した魔獣や魔族に持たせるものだ。

 

 【アイテム・宝具系】は回復に使うポーションや薬草などから、一度使えば使えなくなるがマーキングした場所に戻れる転送石などで、宝具は不思議な力が宿った物のことだ。

 

 【生活用品系】は主にダンジョン内で生活していくために必要なもののことで、食料品や本や洋服、嗜好品などがある。

 

 そしてすべてのアイテムに言えることだが、良い物ほどDPが多く必要となってくる。

 宝具なんて今の俺には到底手に入れられそうも無いようなDPだし。

 

 

 

 

 

 頭の中で今目にした情報を整理して、今度はそれを元にいろいろと計算していく。

 これは俺の仕事だったTRPGのシナリオを考える時の方法だ。

 まず俺は結末を頭に描く。

 今のところの結末としては、俺が無事に生き延びることだろう。

 

 そして現状把握。

 使えるDP量、そして作れるダンジョンの質、始まるまでの時間。

 

 敵の把握。

 相手の力量の予想・考察。

 

 これらの情報から今できることをやっていかなくてはいけない。

 だがまだこの情報だけでは全然足りない。

 

 「ムース、一日一回のDPの供給はどれくらい入るんだ?」

 「供給はマスター一人が生きられるだけですので10DPです」

 

 10DPだと、食事は一食分それもオニギリ3個と水500mlしか得ることが出来ない。本当に生きるだけでぎりぎりの量だ。

 

 「ダンジョンに入ってくる者たちの力量ってわかる?」

 「それは意識的でしょうか、それとも無意識的でしょうか?」

 「どういうこと?」

 

 クラウンの説明だと神様から神託が下り、ダンジョンにどんどん入ってくるのではないのだろうか?

 無意識にダンジョンに入る奴なんているのか?

 

 「無意識的にとはそこまで知恵が無い動物や虫達のことです。彼等もダンジョンに入ったのならDP奪取の対象になります」

 「奪取って言うのは、そいつらを殺さないといけないの?」

 「絶対に殺さなければいけないというわけではありません。ですが殺した方が確実に多くのDPを得ることが出来ます。

 例えばですが野良犬がダンジョンに入った場合、そのまま放置した場合一日で2DPを得られ、殺せば20DPを得ることが出来ます」

 

 殺せば約10倍のDPを得ることが出来るということか。

 だが逆に言えば野良犬を10日以上放置しておけば殺した以上にDPを得ることが出来るということだ。

 

 「無意識の場合は分かった。なら意識的にくる相手、明確にダンジョンを攻めに来る相手の力量はわかる?」

 「個人差と武器防具によって変わってきますのではっきりしたことは言えません。一応目安となる人間の基準は、一般の成人男性がスライム3匹同時と互角に戦え、一般兵がゴブリン3匹と互角に戦え、指揮官クラスの兵がオーガ1匹と互角に戦えます。

 もちろんこれは神様方の祝福が無い状態で考えた場合なので、実際ダンジョンに攻めてくる相手のことを考えますと、もう少し強めな力量と考えた方がいいと思います」

 「なるほど、ちなみに人間以外の種族はどれくらいの力量になる?」

 「……亜人種ですと、一般の成人男性でもゴブリン3匹とも戦えると思います。精霊種も同じぐらいでしょうがあの種族は特性によってバラツキが激しいので相性が合えばかなり強敵になります。竜種に至ってはオークなどものともしないでしょう。

 ですが、竜種は滅多のことでは動きませんし、他の種族も神託があったとしてもそこまで積極的に動くことは無いと思います」

 

 ムースの説明によると、人間以外の種族はそれぞれ自分達を創った神を主神として崇めており、その主神以外の神の指示は積極的に関わらないらしい。

 そしてそれらの主神達は、まだこのプロジェクトに関しては最初のうちは傍観するつもりらしい。

 だがそれも一応なので、気を付けておくことに越したことは無いだろう。

 

 ひとまずダンジョンに攻めてくる相手の想像はついてきた。

 実際にまだ俺は本物のスライムやゴブリンを見たわけではないから、力量の予想がつきづらいが、誇張気味に力量を想像すればカバーできるだろう。

 

 「ダンジョンの入り口はどこでも自由に設置できる?」

 「どこでもというわけにはいきませんが、ある程度は自由に設置できます。またダンジョンの入り口は神託の時におおまかな場所を教えるそうです」

 

 まぁ当然だよな。

 海の中とか、溶岩地帯に入り口造っても誰も入ってこれないよな。

 なるほど神様の退屈しのぎのプロジェクトだけあって、ちゃんと働かないといけないということか。

 ここまでの情報を手に入れてはっきりしたことが一つ。

 

 さすが悪魔が考えたプロジェクト嫌らしさが半端ない。

 

 

 

 このプロジェクト、絶対に生き物を殺さないと続けられないようになっている。

 奪取という言葉とムースの説明で、ダンジョン内で家畜を飼うことで攻めてきた敵を殺さずとも安定したDPを手に入れられるかもと考えたが、それが出来るのはある程度DPを得てからのことになってしまう。

 まず初期に持っているDPが圧倒的に少ない。

 今俺が考えている家畜を飼い、安定した食料供給、DP獲得できるダンジョンを造るには最低でも現在のDPの3倍は必要になり、今持っているDPでダンジョンを造るとしても、凝った造りのダンジョンはまず造れないだろう。

 

 次にムースの存在だ。

 クラウンの指示通り従者契約を行ったが、これも悪魔の罠なのだろう。

 一日一回のDP供給は俺の食事分だけ、ならムースの食事は?

 彼女も悪魔なのだから、もしかしたら食べなくても平気かも知れないが、これからダンジョンに配置する魔物達はどうだ。彼等の食事はどうするのか?

 

 飢えを我慢してDPをためるという手もある。

 だがプロジェクト解放の期日は決まっていて、その間にためた分など雀の涙程度しか役に立たない。

 

 つまりはこのプロジェクトの俺にとっての最初の課題は、『敵を殺せるか』ということになってくる。

 

 

 

 昔読んだ本にこんなことが書いてあったのを思い出す。

 『悪魔の手を取った者は悪魔になる』

 このプロジェクトに参加した時から俺は『DDM』に変わった、つまり人間ではなくなったのだろう。

 




 悪魔が計画したから付いただけの名前では無い。

 悪魔となった俺が造るダンジョンが舞台だからこそついた名前だ。

 計画を立案した悪魔。

 計画を実行する悪魔。

 二人の悪魔から成るダンジョン。

 

 それがプロジェクト『デビルズ・ダンジョン』

 


最後まで読んでいただきありがとうございます。

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