夏の海の薫り
先に言うと今回の話は海の目から見ています。そして、海に行きますw
物語では混乱しないようにカイはカタカナで書かれています。
さぁ、今更番外編ですw
夏です!!海です!!
季節感もくそもあったもんじゃありませんw
本編が冬とかの突っ込みも聞こえません。とりあえず呼んでみて下さい。
そして本編もぜひちらっと…本当にちょっとで良いんで読んでみて下さい。
「あ〜あぢぃぃぃ」
俺は青く広がる空に向かって叫ぶ。
「あ〜あぢぃぃぃ」
隣から同じセリフが聞こえた。
「あんたら余計暑苦しくなるからやめなさいっ。」
後ろから春華の声が聞こえる。隣では俺の親友の隼人が笑っていた。
今日は夏休み。俺は隼人、春華と共に海に遊びに来ていた。
俺は少し磯の香りがする駅を出て、空を見た瞬間に叫んでし
まった。それがさっきのセリフだ。
そのまま3人で歩き出す。もちろん海までの案内は俺が担当だ。この2人は今回の計画もいつものように何も手伝ってない。色々文句を言うくせにどっちも手伝って来ない。それでもこの2人とは一緒にいて楽しい。だから一緒にいる。
(まぁ、だから面倒くさい事は全部俺担当になっちゃうんだよなぁ……)
そんな事を考えながら歩いていると、道が開けて海が見えた。
「おっ海だ〜」
「わ〜やっと着いた〜」
「ふ〜着いた、着いた。」目の前にはなかなか綺麗な海が広がっていた。シーズン真っ盛りだから人は沢山いた。
早速浜辺で海の家へ歩く。
「ここにすっか。」
俺が一番近かった海の家に入ろうとすると横から春華が文句を言ってきた。
「やだ〜もうちょっと綺麗なとこがいい〜。」
それを聞いた隼人が文句を言い返す。
「別にここで良いだろ〜変わらないじゃん。」
「いやだ〜」
「文句ばっかり言うなよっ」
「隼人もしょっちゅう言ってるじゃない。」
俺はそろそろ止めに入る。ほっといたら多分この2人はずっと言い合っているだろう。
「はいはい、やめやめ。春華、あそこならいい?」
俺が指を指す先にはここからそう遠くないが結構綺麗な海の家がある。
「あぁ〜まぁあそこなら良いわよっ。」
春華はそう言うと、先に歩き出す。
「隼人、別にいいだろ?」
「まぁ、分かったよ。」
隼人も納得して、一緒に歩き出す。そして、着替えて外で隼人と春華が出てくるのを待つ。ある程度待つと春華が出てきた。
「お待たせ〜可愛いでしょ〜」
春華は俺達に自分の着た水着を見せる。
「良いんじゃない?なぁカイ。」
隼人が急に俺に話を振ってきた。
「うん、似合ってるよ。可愛いじゃん。」
「ふふ、ありがとっ。じゃあ美少女も来たことだし、遊びましょ〜」
「胸もそんなないくせに美少女って…」
隼人がぼそりと呟く。しかしその声は春華にしっかり聞こえていた。
(まぁ春華は美少女の部類に余裕で入るだろうが…)
「は、隼人ぉ〜!!これでもはBカップあるんだぞっ!!」
と言って、胸を張る。周りにいた男の人が春華をちらちら見ている。
「まぁ…でも、性格がな〜」
「隼人よりはましよっ」
(どっちもどっちだ…)
「春華の方が暴力的じゃん」
「それは隼人がふざけた事言うからじゃないっ」
「お前らいい加減やめろっ」
「春華の方がいっつも先だろ。」
(シカトですか…)
頼むから騒がないでくれ…周りの目が痛い…
2人を放っといて俺は歩き出す。
「はいはい、アホな事してないであっちに場所取ってあるから、行くぞ。」
さっき春華を待っている時に俺が探しに行って、場所を取っておいたのだ。
俺が歩き出していた事に気付いた2人は言い合いをやめ、俺を追って走ってきた。
「カ、カイ、待ってよ〜」
「カイ、ごめん、悪かった〜」
それからはみんなで思いっ切り遊んだ。ビーチバレーや城作り、そしてもちろんたくさん泳いだ。当然のごとく2人はちょくちょく言い合っている。
(それでも仲は良いよなぁ…まぁそうでもなきゃ、いっつも一緒にいないか…)
「あんたのせいで崩れたじゃない!」
「もともと崩れてたし、だいたいこの城にあの形は変だろ!!」
こいつらやっぱり馬鹿だ………
俺達は太陽が沈み始める頃海から上がった。水着から着替え、そして浜辺で座ってゆっくりしていた。
「楽しかったな。」
俺が呟く。
「だね〜」
「うん、来れて良かったよ。」
隣に座っている2人の顔はオレンジ色だった。
3人でくだらない話ばっかりして、笑い合っていた。
ある程度話して、流れが切れたので俺が切り出す。
「よし、行くか…」
俺はそう呟きながらゆっくり立ち上がる。
「だね。」
隼人も俺を見て、立ち上がり始める。しかし春華は立ち上がらない。
「春華、どうした?」
気付いた隼人が声をかける。
「ん…ちょっと待って…できたっ」
春華は笑顔を浮かべながら立ち上がる。
春華の足下の砂の上には何かが書いてあった。
「何書いたの?」
俺は覗き込む。隼人も俺の後ろから覗き込んできた。
「ふふふっ」
そこには今日の日付そして3人の名前があった。
「これからもよろしくねっ」
「だな。」
「そうだね。」隼人と俺が答える。
「あ〜何か恥ずかし〜な〜そろそろ帰ろ〜」
それから俺達は海を背にして駅に向かって歩き始めた
――帰りの電車にて――
疲れたのか春華は電車に乗るとすぐに眠ってしまった。そしてこの機会に隼人に気になっていた事を尋ねてみた。
「なぁ、隼人この間見たんだけど、お前あの女の人誰?」
「えっ!?」
「髪が長くて、かなり綺麗な人だった。」
「あ、隣の家に来た薫さんだよ。」
誰か分かったとこで俺は本題を切り出す。
「そぅか……で、俺が聞きたいのはお前がその人の事を好きかどうかだ。」
「え?いや…違う…」
目がかなり泳いでいる。隼人は本当に嘘が下手だ。だからこそ隼人は信用できる。
「ごまかそうとしても、分かるからな。」
「う……まぁカイになら言うか…うん、まぁ好きだよ。て言うか、憧れみたいな感じかな。」
「そっか。綺麗な人だったしな。」
「確かに綺麗だけど、それだけじゃなくて優しいんだよ。」
「隼人がそこまで惚れる人ならよっぽど良い人なんだろうな。」
「何だよ、それ。」
隼人は少し照れていた。
「隼人も良い奴って事だよ。まぁありきたりな言葉になっちゃうけど、頑張れよ。俺は応援してるから。いつでも話や相談なら聞いてやるからな。」
「カイ、ありがとな。」
「気にすんなって。」
それからは2人でのんびり話していた。
風景は徐々に変わっていく。
「カイ、今日はありがとな。じゃな。」
「おぅ。またな。」
隼人が先に降りていく。春華は俺を枕にして寝ていた。
乗り換えをしても、また座るとすぐ寝てしまうので、よっぽど疲れていると思った俺はギリギリまで寝かせてやるつもりだった。
それでもさすがに近くなったので起こす。
「ほれ、春華。もうすぐ着くぞ。起きろ。」声をかけながら、揺らすと、少しした後にぼーっとしながら話してきた。
「もぅ着いた?」
「もうちょっとだよ。」
それから少しした後ホームに着いた。2人で下りて、駅を出る。
「ん〜今日は楽しかったねぇ〜」
春華が体を伸ばしながら話してきた。
「疲れたけど、楽しかったよ。」
「また行こうね〜じゃあ私こっちだから〜バイバーイ。」
春華が歩いて行こうとするのを俺が止める。
「待てよっもう暗いんだから送ってくよ。」
いつもはここで別れるが、夏と言えども、さすがに時間が時間なだけあって、もう暗くなっていた。
「カイ、ありがとっ…じゃあ、帰ろっか?」
「あぁ。」
こうして俺達の夏休みの1日は終わった。
「あぁ〜ねみぃ〜」
「何それ!?せっかく美少女と2人で歩いてるのよ!?」
「わーったから俺に絡むな。」
疲れた。。。。
ありがとうございました
文章能力が未熟なので、セリフ部分が分かりにくいところがあるかもしれません
失礼しました
読んでもらったので分かると思いますが、今回はカイと春華を目立たせてます。
正直、春華がかなり動いていますが、どうでしたか?
後この時点でカイは隼人の薫への気持ちを知りました
春華はまだ知りません
次はまた本編を進めていきたいと思います