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第4話 魔導器の発見


旅を始めてから、数週間が経過した。

カイル・ヴェルグレンとライナ・セリスは

森を抜け、荒れ果てた草原へと足を踏み入れた。


「ここまで来ると、森より危険は少ない」

ライナの言葉に、少年は少し安心したように

頷く。しかし、油断はできない。


草原の奥に、古びた遺跡が見えてきた。

石造りの門は半ば崩れ、蔦が絡みつく。

「ここ……?」

カイルの胸に、期待と不安が交錯する。


「そう。古代の魔導器が眠る場所よ」

ライナが低く告げる。目は真剣で、輝いていた。

「魔導器……?」

少年は言葉を繰り返す。聞いたことのある名前だが、

実物を見た者は少ない。


遺跡の入り口には、罠が仕掛けられていた。

地面の石板には微かな光の模様が走る。

「触ると……危険かもしれない」

ライナは警告する。少年は深呼吸し、剣を握った。


二人は慎重に進む。罠を避けながら、奥へ奥へと

足を運ぶ。石の通路は狭く、暗く、息が詰まりそうだ。


やがて、大広間に出た。そこには、まばゆい

青白い光を放つ剣が、石の祭壇の上に置かれていた。

「これが……蒼光の剣」

カイルの目に、戦慄と憧れが同時に走る。


剣からは、まるで生きているかのような気配が

漂っていた。空気が震え、耳鳴りがする。

「誰でも扱えるわけじゃない……

この剣は、選ばれた者にしか触れられない」

ライナが静かに言った。


カイルは剣の前に立ち、手を伸ばす。

その瞬間、蒼光の剣が微かに輝き、

まるで少年を試すかのように揺れた。


「……触れるか?」

心臓は激しく鼓動する。少年は一歩前に出て、

両手で剣を握った。


――瞬間、全身に衝撃が走る。

蒼光の力が、カイルの体を貫いた。

剣の意志が、彼の心に語りかける。


「覚悟はあるか?」

その声は、カイルの胸の奥に直接届くようだった。

恐怖と興奮が入り混じる。少年はゆっくりと

頷いた。


「……ある」

その瞬間、剣の光がさらに強く輝き、

カイルの体を包んだ。意識が消えそうなほどの力。

しかし、少年は耐え、剣と心を共鳴させる。


光が収まると、カイルの掌に剣はしっかりと握られていた。

「……できたのか?」

ライナの目に、驚きと称賛が混じる。

「できた……。俺……扱えるのか……?」


少年の体からは力が溢れていた。

剣の存在が、彼を一気に変えたのだ。

弱者だった少年が、可能性を手に入れた瞬間だった。


しかし、喜びも束の間。遺跡の奥から

低く唸る声が響く。影が壁を伝って動く。

「……守護者か?」

カイルは警戒し、剣を構えた。


石の間から巨大な魔獣が現れた。

その姿は恐ろしく、鋭い牙と爪、そして

闇を纏った体躯。遺跡の守護者――

魔導器の力を試すための存在だった。


「ライナ……!」

少年は叫び、剣を握り直す。光が刀身に宿り、

心を奮い立たせる。


戦いが始まった。魔獣は素早く、力も強大。

剣の光を帯びたカイルの攻撃も、一撃では

通じない。何度も弾かれ、体が吹き飛ぶ。


「負けるな!」

ライナは魔法で援護する。火球と氷の刃で

魔獣の動きを制限する。少年は集中力を研ぎ澄まし、

隙を見逃さず斬撃を叩き込む。


剣の力と知恵を駆使し、幾度も攻防を繰り返す。

カイルは恐怖を力に変え、守護者に立ち向かう。

「俺は……俺は弱くない!」


長く続いた戦闘の末、少年は守護者を倒すことに成功した。

剣の力が完全に彼と共鳴し、初めて自分のものになったのだ。


戦いの後、二人は疲れ果てた体を休めながら

大広間を見渡す。蒼光の剣は、まるで祝福するかのように

静かに光を放つ。


「これから、この力で旅を続けるんだね」

ライナが微笑む。カイルも頷き、剣を握り直す。

「そうだ……俺は、この剣と共に、

強くなる」


少年の目に決意が宿る。恐怖も孤独も、もう力に変わる。

魔導器――蒼光の剣は、最底辺だった少年を

新たな可能性へ導く道具となった。


二人の旅は、ここからさらに大きく動き始める。

運命の歯車は、誰にも止められない勢いで回っていた。


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