第11話 決戦開始
王都の朝は、霧に包まれて静かだった。
カイル・ヴェルグレン、ライナ・セリス、
カイ・ローデルの三人は、城下の広場に立つ。
「これが……決戦の場所か」
カイルの声は緊張で震える。
だが、胸の奥には覚悟と決意の炎があった。
「油断は禁物」
ライナは冷静に戦況を見渡す。
「相手は王都の全勢力を使ってくる」
少年は剣を握り直し、深く息を吸った。
敵の動きは城の上層部によって統率されていた。
騎士団、暗殺者、魔導器を操る者たち……
すべてが連動し、三人を迎え撃つ布陣だ。
「ここで負ければ、全てが終わる」
カイルは小さく呟き、剣の柄を強く握る。
「でも……仲間と共に戦う」
その決意が、少年の力を引き出した。
戦闘の合図は、城門から放たれた黒い魔法の光。
暗黒の力が広場を包み込み、空気が震える。
「来る!」ライナが叫び、火球の魔法で先手を取る。
敵の騎士団は素早く進軍し、カイが盾となり
三人の後方を守る。カイルは剣を振り、
光を帯びた斬撃で敵を弾き返す。
魔導器の力を操る者が現れ、氷と雷の術を放つ。
ライナはそれを受け止め、連携攻撃を指示する。
「カイル!左側から回り込んで!」
少年は素早く動き、敵の背後に回り込む。
初めての大規模戦闘。
恐怖と緊張が体を支配するが、
仲間の存在が勇気を引き出す。
「俺たちは……負けない!」
広場には叫び声と剣戟の音が響き渡る。
カイルは蒼光の剣を振り、敵の動きを止める。
ライナは魔法で援護し、カイは力強く斬撃を重ねる。
しかし、敵は数で圧倒する。
一撃で倒される危険もあり、油断は許されない。
「まだだ……まだ終わらない」
少年は己を奮い立たせる。
戦闘の最中、顧問官が現れ、策略を巡らせる。
「その程度では、私には勝てぬ」
冷たい声が広場に響き、緊張がさらに高まる。
顧問官の魔導器が光を放ち、広場の地面を裂く。
カイルは全力で斬撃を繰り出すが、
攻撃を弾かれ、体が吹き飛ばされる。
「くっ……!」
ライナとカイはすぐに駆け寄り、少年を守る。
三人の連携で、顧問官の術を封じる隙を作る。
「今だ、カイル!」ライナの声が響く。
少年は蒼光の剣に全力を宿し、顧問官へ突進する。
一撃一撃が重く、力と意志が剣に宿る。
顧問官は防御を崩され、後退を余儀なくされる。
戦いは広場全体に広がり、騎士団と暗殺者も乱戦となる。
カイルたちは仲間と連携し、徐々に敵の勢力を削る。
「俺たちの力を見せてやる!」
戦闘の激しさは頂点に達する。
恐怖、怒り、絶望――あらゆる感情が少年の力に変わる。
「俺は……俺は負けない!」
戦いの最中、王都の民も戦場を注視している。
民衆の視線が、少年たちの勇気を後押しする。
カイルはそれを胸に、最後の一撃を顧問官に放つ。
蒼光の剣が貫き、顧問官は地面に倒れる。
その瞬間、広場に静寂が訪れる。
敵の指揮系統は崩れ、戦いは一応の終息を迎えた。
勝利の余韻に浸る間もなく、カイルは息を整える。
仲間たちの顔を見ると、疲労と安堵が入り混じる。
「小さな勝利かもしれない……
だが、これが決戦の始まりだ」
夜、城外で焚き火を囲む三人。
「次はもっと強敵が来る」ライナは静かに告げる。
カイルは深く頷き、蒼光の剣を握り直す。
星空の下、少年は誓う。
「この世界の闇を、俺たちの力で打ち砕く」
決戦の序章は終わった。
だが、真の戦いは、これから始まるのだ。




