18 明かされたけどあまり興味がない事実
わたくし、原作有の世界に転生していたらしいですわ。
まぁ、原作知らないのでどうでもいいお話ではありますのよ。ただ、第一王子のお嫁さんが原作を知っている方らしいですわ。
わたくしは悪役、魔女としてこの国に甚大な被害を与えるラスボス一歩手前らしいですわ。
それで、聖女と第二王子が魔女を退治して魔王を討ち滅ぼし、国を治め末永く幸せに暮らすそうですの。ええ、友人が幸せに暮らすというストーリー自体は大好物ですわよ。
ディアナが幸せになるというためならわたくし悪役として踏み台になることもやぶさかではありませんが、そういう雰囲気全くありませんわよね。
そもそも別に聖女名乗る少女が現れていますもの。
……ちょっとお待ちになって?
つまり、今どこから出てきたかわからない小娘が聖女になって第二王子と結ばれる?
あの方はあまり好きではないですし、ディアナの扱いが悪いのでむしろ別の女性と結ばれるならそれはそれで結構ですわ。
でも、そうなったらディアナはどうなりますの?
「どうだ?もっと詳しく話を聞きたいだろう?」
第一王子の言葉に動揺しなかったと言えば嘘になりますわね。
そのすきに、わたくしと第二王子は床に仕掛けられていた結界に拘束されてしまいましたわ。
「わたくしにお話を聞かせたいみたいですわね。こんな仕掛けまで用意して」
「いくら君の魔力が膨大だろうと【魔力】では壊せないよ」
勝ち誇った顔をする第一王子に対して、第三王子は床板を叩いて確認している。
「ルシアーノ様、いけますわね?」
「この程度……、チタン合金板殴らされた時より余裕だよ」
そういえばそんなこともありましたわね。実家の領地にある鉱山でチタンが取れるの本当にありがたかったですわ。
修行の一環としてチタン合金の板に正拳突きさせてこぶしを鍛えた……懐かしい思い出ですわね。
とりあえず床はチタンよりは脆そうなので、ダイダン王子は呼吸を整え床に拳を打ち込むと簡単に結界は崩壊。
「ば、ばかな……魔力による肉体強化ができない状態で床石を壊すなんて……」
「全く、ルシアーノ様の事を舐めすぎですわよ。この程度魔力強化などせずとも壊せますわ」
「インサニアだって余裕だろうに。いや……余裕すぎて床に穴が開くな……。俺がやってよかった」
さすがにその辺はわたくしだって手加減しますわよ。
「第一王子様、婚約者様にお伝えくださいませ。わたくしはわたくしの生きたいように生きますと。
話があるならそちらから出向いてくださいませ。その際にはお茶の一杯でもお出ししますわよ」
もー、これ以上引き留められたらたまりませんわ。
即座に転移魔法でディアナの元へ移動し、治療が完了したことを確認。第二王子は眠ったままだというので、とりあえず放置してディアナと村に帰ってきましたわ。
なーんかすごく長い時間、あちらに拘束されていたような気になりますわね。
「へぇ、ここがインサニアの家なのか―」
おう……、わたくしには何も聞こえませんわ。
「おかえりなさいませお嬢様、ディアナ様、ルシアーノ様」
現実逃避を決めようとするわたくしにたいして、サニーは笑顔で誰がいるのかを教えてくださいましたわ。
「……そういえば、追跡魔法はわたくしより得意でしたわね」
「ああ、側にいたんだ。君の痕跡を追いかけて来るくらい、訳ないさ」
ああ、何ということでしょう。
わたくしの楽園に、第三王子が襲来するなんて……。




