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大罪の魔女の悠々自適な追放生活  作者: 大熊猫ノ助


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13 薄いわたくしの過去

うーん、寝起き最悪!インサニアでございます。

ひっさびさに嫌なことを思い出しましたわね。


今でこそ吹っ切って好き放題やっていますけど、これでも幼少期は悩みましたのよ。

一神教のこの地で「ほかにも神様はいる」「精霊だってすごい」なんて言えば異端者にしかなりませんわよ。黙っていればいいのに、まぁわたくしってば根が素直なのでなーんでも喋ってしまいますのよね。


近所の子供たちと遊ぶことは禁止されましたわ。

わたくしの思想は国では異端なので、ほかの子供に移ってはいけないから。

兄弟とも距離を置くように言われていまして、わたくしだけ別棟で過ごしていましたわね。

ただ、兄も姉も妹も弟も両親同様に良い人ばかりでわたくしと仲良くしてくださいましたのよ。

両親が関わらないように言っても、こっそりと会いに来てくださいましたし……寂しいってあの頃は感じる感性が残っていたので、兄弟が来てくれたことはとても救いでしたわ。

しっかし、その頃になんで第三王子の婚約者候補に巻き込まれたのか謎でしかありませんわね。

結局候補のままそれ以上の話が出なかったのでよかったんですけれども、そういえば彼は元気でしょうか?


学園に行ってからも普通を偽装するのは……まぁ、早々に諦めましたわ。

もう学園に入る時点で問題児だと両親が学園に伝えていましたわ。まぁ教師たちは問題さえ起こさなければそれほどわたくしに干渉してくることもありませんので、成績はオールAで納めていましたわよ。

第三王子も同じクラスでしたので偽装なんて出来っこありませんのよ。

わたくしの素を知っている人間が身近にいるんですもの。学園でお嬢様モード出しているのに、素のわたくしと接するように話しかけてくるんですのよ?

まぁ、偽装は疲れるので早々に諦めるきっかけができてよかったですわ。

……でも、彼が同じクラスメイトだったお陰で二人一組の授業でペアを組めて助かりましたわ。

彼がいなかったら教師と組みましょうねっていうあまり構図になるところでしたわ。


基本的には楽しい学園生活でしたわ。

稀にわたくしの教科書を隠したり、破いたり、落書きしたりする愚か者がいたりしましたが、そういう方々は学園の鐘に吊るしてやりましたわ。

ええ、証拠は残しませんでしたわ。なぜか第三王子には速攻でばれましたけども。


「ずいぶん面白い顔をしていますね、悪夢でも見ました?」

モーニングティーを用意してくれるサニー。

おいしいんですけども、久々にアンの用意したお茶が飲みたいですわね。

実家で雇用しているメイドですから連れてくるわけにはいかなかったのですわ。

「まあ、総集編みたいなものでしたので嫌なこともありましたわ。

あと、やたら彼が夢に出てきましたのよ」

「ああ、ルシアーノ殿下ですか。それじゃあ案外近くに来ているのかもしれませんね」

飲みかけていた紅茶を思い切り拭いてしまいましたわ。勿体ない。

「どうしてそんな恐ろしいことを言うのよ!」

「統計的にお嬢様がルシアーノ殿下の夢を見ると早くて当日、遅くとも7日以内に拝みに来てましたよ」

うわぁぁ…ですわよ。


第三王子ルシアーノ・ベネヴォレンティア


王位継承権は第2位。

成績優秀、性格は少々難ありですけどもかなりの優良物件ですわ。

結構ファンの女子も多く、男友達も多かったゆえにわたくしにとばっちりが来ていたきがしないでもないんですのよね。

まぁ、久しぶりに会いたい気もしますので会いに来るならお茶の一杯くらいは出してあげてもいいかもしれませんわね。

「とりあえず着替えて朝食にいたしましょう。今日は新しい布の素材や染色、あと魔法も教えてなきゃいけませんのよ」

まだまだ創作に割く時間はありませんけれども、村づくりも楽しいですわ。

皆様意欲的に魔法を学んでくださいますし、魔道具作りも始めてもよさそうですわね。

目指せオール電化ならぬ魔道具生活。

そうそう、この村の家は玄関で靴を脱いでもらうようにしましたの。

わたくしが泥だらけの床に耐えられませんのよ。ふわふわスリッパ履いて、毛足の長い絨毯の上で寝転ぶのが至高ですわ!

村人もはじめのうちは靴を脱ぐことに少し抵抗があったみたいですわ。でも床が砂だらけにならないことに奥様達は喜んでくださりましたわ。

それに室温が暖かいので靴を履いて足元が冷えないように気を使う必要もありませんわ。

各家に絨毯とクッションを送ったところ、ベッドではなくそこで転がって寝てしまう人たちも出てきて失敗だったかしらと少し悩む今日この頃。


うん、平和ですわね。

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