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大罪の魔女の悠々自適な追放生活  作者: 大熊猫ノ助


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00 魔女が村にやってきた

50人ほどしかいない小さな村。一方は深い谷により隣村からは切り離され、もう一方には深い森が広がり、都市からも隔離されている。

この地は見捨てられた地だと言われていた。

神に逆らったものが追放された陸の孤島。

森の中を抜け、都市へ行けないことはないというが、それを確かめることができた人間はいない。

鬱蒼とした森は多くの魔物と呼ばれる普通の動物よりも知能が高く強力な生き物達が徘徊しており、村人たちが森を抜けることができない。

この小さな集落の中でしか生活できないのだ。

とはいえ、年々と住む人は少なくなっている。高齢化も原因だが、小さな集落でみなが家族のような状態。近親者が増えすぎ、子供も生まれなくなってきていた。

緩やかな死を迎えようとしていた村に突如として嵐のような女性が現れた。


「オーッホッホッホ!神に見捨てられた地とはよく言ったものでしてよ!

ここなら王都の監視も、教会からの圧力もありませんもの!

存分にわたくし好みの世界にできますわー!」


森の中から馬車を引いてきた、派手な赤い髪と黒い瞳の豪華なドレスを着た女性は村を見て宝物でも見つけたようなキラキラした目をしていた。

「一体、どのような御用でしょうか…。この場所はご貴族様をお迎えできるような場所ではございませぬ……」

村長が恐る恐る女性に声をかけると、スカートを軽く持ち上げ、美しい礼をする。

「ご挨拶が遅れましたわ。家からは除名されておりますので今はただのインサニアと申しますわ。サニアとでもお呼びくださいな。

先日より王命によりこの地へ追放されましたの。よろしくお願いいたしますわ」

「……そうでしたか」

村長は憐れみの目を向けるがサニアは一向に気にしていない。

「ところで、この村の特産や伝承などありますでしょうか?」

「いえ、そういったものはありません」

「ないんですの?こんな伝説や面白そうなお話がありそうな場所なのに?」

ドレスが汚れることも厭わずサニアはその場に崩れ落ち、泣きだしてしまった。村に追放されたことより、この村に何もないということがショックだったようだ。

「ならば作ればよいでしょう。この場は神からの干渉を受けない地なのですから」

馬車から降りてきたのは壮年の威厳のありそうな男性だった。

「ヴィア様、そうでしたね。大罪の魔女として追放されたわけですし、思い切りやらかしてやりましょうね!」

高笑いをする二人を前に、村長と家の中から様子を見ている村民たちは何が始まるのかと恐怖で身を震わせた。

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