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君たちはワルイコです  作者: H.R
最終戦
43/47

第17話前編 第1の試練

「最終戦の…スタートだ。」


瑠衣子がそう口にすると校内マップが黒板に表示された。


「お前らには今から、2つの部屋の試練を突破してから、私のいる部屋に来てもらう。せいぜい頑張りな。」


瑠衣子の声が聞こえなくなった。迷っている暇は無い。


「菜七子さん。私たちに任せてください。必ず、あなたの無念を晴らします。…行こう。みんな!」

「うん。」

「はい」

「行きましょう。」


私たちは4人で1つ目の試練が行われる部屋に向かった。



1つ目の試練の部屋には4人の人物がいた。


「やえこさん…。」

「…みねちゃん。」

「パパ!なんでこんな所に!」

「お母さん…。どうして…」


部屋にいた人物は弥江子さん、峰さん、里紗の父親、そして鈴の母親。


「みんな騙されるな!これはホログラムだ!本物じゃない!」

「ええ…わかってます。」


私たちが落ち着きを取り戻すと、部屋のスピーカーから声が聞こえた。


「第1の試練、過去の真実。目の前にいる4人のホログラム。その中の1つは生きている本物の人間だ。その人物を当ててもらう。10分以内にな。」


…この中の誰かが生きている………。もしかしたら…弥江子さんは生きているかもしれない。そんな気持ちが私の頭にいっぱいになる。それは他の3人も同じだ。


「みねちゃんは…生きてるかもしれない……。」

「パパは失踪しただけだし…生きてるのかも…」

「お母さんが…まだ…」


死んだと思っていた人が、生きていたかもしれない…。私たちは…冷静さを失ってしまっている。

そんな時…


「みんな!しっかりして!」


心さんがみんなの意識を引いた。


「おそらくこの試練は、ココロのノートを見て生きてる人物を当てる試練。みねちゃんはココロのノートがある時点でもう生きてない…。みんなで協力して考えましょう!」


…心さんも大切な人を亡くしている。でも心さんは、この試練を突破するために峰さんが生きている可能性を否定した。


「そうですね。みんなで考えましょう。」

「あーしも冷静じゃなかった。ごめんね」

「私も…情けないですね。」


私たちは目の前にあるココロのノートを手に取り、片っ端から読み進めて行った。



5分後…。生きている可能性があるのは里紗の父親か鈴の母親の2択になっていた。弥江子さんは…鳴が殺してしまったのを目の前で見たんだ…。生きてない。


「直接的な名前は書かれていないけど、殺人をしてしまった人たちのココロのノートには殺した人の特徴が書かれていることがある。ここから推測しよう。」

「そうですね。」


百合さんのノートに書いてある3股していた男。白井さんと黒井さんのノートを見る限り、この人物は風間也一だ。

…ノートを見る限り、正体が分からないのは菜七子さんのノートに書いてあった

『この世に希望を持ってなさそうなホームレス』

『テレビで有名になってた犯罪者』

そして、百合さんのノートに書いてあった

『壊滅寸前の宗教団体の残りの信者』

この中から考えることにした。


「りさとすずの父親と母親のことを教えてくれないか?」


2人は了承してくれた。


「あーしのパパは、あーしが4歳の頃にいなくなっちゃった。だからあんまり覚えてないけど、犯罪とかは犯してないと思う。けど、住むところはないはずってママが言ってた。」

「私の母親は犯罪は犯したことないし、ホームレスでもない人でした。でも、宗教にハマっていたのは覚えています。」


2人の話を聞く限り、里紗の父親は『この世に希望を持ってなさそうなホームレス』に当てはまるかもしれなくて、鈴の母親は『壊滅寸前の宗教団体の残りの信者』に当てはまるかもしれない。

でも、良く考えればもう一択と言っていい。なぜならば『壊滅寸前の宗教団体の残りの信者』というのは複数人のことを指している。そんな不確定な人数で推測するような問題を出してくるだろうか。いや、ないはずだ。


「答えはわかった。生きているのはすずの母親だ。」


そう口にした瞬間、ホログラムの弥江子さん、峰さん、里紗の父親が話しかけてきた。


「しず。俺は生きてる。一緒に脱出する約束だったろ。」

「やえこさん…」


「お姉様。私は生きてますよ。一緒に脱出しましょうよ」

「みねちゃん…」


「りさ、今まで構ってあげられなくてごめんな。脱出したら沢山遊ぼうな。」

「パパ…」


どんなに話しかけられても、本物みたいに話しかけてきても、もう私たちの心は決まってる。私たちは瑠衣子に負けない。


「るいこ!答えはすずの母親だ!」

「…正解だ。第1の試練クリア!」


瑠衣子がそう言うと、鈴の母親は目の前から消え、他の3人のホログラムはホログラムのハンマーによって潰されてしまった…


「許せない…」

「みねちゃん…」

「あーしも、しずパイセンと気持ちはおんなじ……」


仮に潰された人達が偽物でも、私たちの心は確実に傷つく。でも、私たちは心に決めている。

『瑠衣子を倒し、ここから脱出する。』

挫ける訳にはいかない。


私たちは、第2の試練が行われる部屋へと向かって行った。

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