第13話(3) 心・菜七子ペア
私と菜七子さんは04と書いてある部屋に飛ばされた。
「04ってことは、秘密当てかしら?」
「そのようだね…」
「どうしましたか?どこか体調が悪そうですが…?」
菜七子さんの様子が少し変だった。どこか暗いというか、苦しそうというか……
「実は…僕は……変わりたいんだ。」
「変わりたい?」
菜七子さんは、これまでのことを全て話してくれた。自分は快楽殺人犯だと言うこと。このゲームが始まってからも色々悪事を働いてきたと言うこと……。
「僕は、殺人鬼の人格を持っていながらも、みんなのために働いてくれているしず君を見て……僕もそんな風に変わりたいって思えてきたんだ。」
「そうなんですね。」
「いきなりごめんね。こんな話…。」
「えぇ、とてもいい迷惑ですよ。でも…いいんじゃないですか?」
「え?」
「私だって、妹の為にたくさん殺人をしてきました。だからって、このゲームの主催におとなしく殺されるのはおかしい。私はもう覚悟は出来てます。あなたも…変わる覚悟はありますか?」
菜七子さんは悩む間もなく答えた。
「もちろんだよ!僕はもう人を殺したりなんかしない!みんなを守ってみせるさ!」
「よろしくお願いしますね。」
菜七子さんとの絆が深まった気がした。そんな時……
「チッ…めんどくせえな。犯罪者の分際で。」
突如部屋に響く声。それと同時に……菜七子さんが目の前から…消えた………
戸惑っているのも束の間…もう一度部屋に声が響く。
「タイムオーバーだ。死ね。」
その声と共に、床以外の全ての壁から針が生えてきた。
「…うそ。」
段々と針が生えた壁が近づいてくる。どう考えても避けられないし…刺さったら生き残れるわけが無い……
「ごめんなさい。しずちゃん。なるちゃん。みねちゃん。ななこさん。」
謝罪の言葉を吐きながら目を瞑る。針が段々と近づいている感覚を感じる。
そして…針が頬に触れた瞬間……
「面白いなお前!まだ時間切れじゃないから残念ながら死ねないよ!」
「……」
意味がわからなかった、怒りよりも、安心よりも、困惑が私の頭の中を行き渡る。
「いやー!お前いい反応してくれたから、もうクリアでいいよ!30分後に化学実験室に戻すから、ゆっくりしててね。」
声が消えると、私は一瞬でどこか知らない部屋に飛ばされた。
出入口は1つ。部屋の中には机がひとつあって、その上には……
「ココロの…ノート?」
今まで亡くなった参加者たちのココロのノートというものが置いてあった。
「ななこさんのは無いから、生きてるのね。とりあえず良かったわ…」
私は化学実験室に飛ばされるまでココロのノートを読むことにした。
20分後…
何故かノートが増えた。
「まさか…ななこさん……?」
名前を確認しようとした瞬間…
03の部屋と書かれた部屋に飛ばされた。さっきのノートは誰のものだったのだろう。そんなことを考えながら10分が過ぎるのを待った。
「タイムアップだ。」
その声と共に私は化学実験室に飛ばされた。
そこでは静ちゃんと里紗ちゃんと也一、そして瑠衣子ちゃんと鈴ちゃんが居た。
「ななこさんは………いないわね…。」
みんなに声をかけようとした、その時…
「ぐっ……うぅ……うわあああぁぁ……」
也一が目の前から消えた。何が起こったか分からなかった。でも、間違いなく一つだけは言える。今、也一を消した人物は……この中に…いる。




