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君たちはワルイコです  作者: H.R
3回戦
28/47

第10話 3回戦の始まりと終わり

「し、しずパイセン。今大丈夫ですか?」

「…もう少しだけ。」


一刻も早く謝りたい。静パイセンを裏切るために嘘をついたわけじゃないと、静パイセンに伝えたい。


「親友の死…か。体験したことないな。」


私には親友と呼べる人がいない。色んな人と、程々の距離を保って生きてきた。同級生とも、先輩とも、後輩とも、お父さん達とも…。

……………………………………………………………………


中学1年生の頃だった。


「うわ、今月お金ピンチじゃん。」


お金が少なかった私は、友達の誘いからパパ活を始めた。


「私、このカバン欲しいな〜」

「よーし!じゃあパパが買ってあげよう!」

「ありがとうパパ!」


パパ活を続けて、嘘を重ねるうちに、本当の自分がどこかに行ってしまうような感覚を覚えていた…。

……………………………………………………………………


でもそんな時、デスゲームに参加させられて、静パイセンに出会って…


『…パイセン、もしかしてあーしの心配してくれてるの?』

「当たり前だろ。先輩なんだから。」


その言葉を聴いて、私は自分を見つけられた気がした。静パイセンの後輩として、心の支えとして、生きていきたいと、そう思えるようになった。

だからこそ、嘘をついてしまったことを今すぐに


「謝りたいんだ。」




「それで、りさ。なんか用か?」

「うん。その…」


なかなか声が出ない。でも、今すぐ謝らないと、静パイセンに伝えないと。


「能力のこと、嘘ついててごめんなさい。」

「そのことか。なんか事情があったんでしょ?りさが無意味に嘘をつくわけが無いし。」


パイセンのこういう所、苦手だ。でも、自分を肯定されているようで、嬉しい。


私は周りに聞かれないように、メッセージで静パイセンに送る。


〖実は、あーしの秘密はパパ活で…。嘘をつきすぎたせいで、本当の自分が分からなくなっちゃって、気づいたら嘘をつくようになっちゃったんです。〗


〖でも、静パイセンのおかげで、あーしは自分を見つけることが出来ました。ありがとうございます。〗


静パイセンはケータイに目を落としてしばらく経つとこちらを見て…


「こちらこそありがとう!」


と言ってくれた。やっぱり私は、静パイセンの為に生きよう。そう思えた。




数分後、レイナは話し始めた。


「いいものを見せてもらいました。しずさんは、極悪非道な割に、人間味がある一面もあるんですね。」

「…」

「私から提案なんですが、感動したので、3回戦に進めてあげてもいいですよ?」

「3回戦に進むことでの私たちのメリットは?」


静パイセンはレイナに聞く。


「そうですねぇ、感動の再会とか、ですかね。」

「…そうか。みんなはどうしたい?」


ここにいる人たちは、みんな過去に何か起こした人たちだ。失っている人がいてもおかしくない。みんなは3回戦に進むことを了承した。


「それでは、3回戦に進むということで、私はこれで失礼しますね。」


そう言うとレイナは目の前から消え、中学生のような子が現れた。


「こんにちは!私の名前は河野 高音!中学1年生だよ!」


この子供は誰だろう。そんなことを思っていると、高音は言った。


「あれ?さなえちゃんはもう死んじゃったの?」


沙奈枝。私たちが知っている沙奈枝なんて1人しか居ない。


〖古家 沙奈枝〗



「つまり貴方は、中学1年生の頃にさなえさんに殺された人なんですね。」


瑠衣子は言う。


「そうだよ!そしてまだまだいるよ!」


高音がそう言うと沢山の人物が映し出された。喜ぶ者、苦しむ者、悲しむ者、無関心な者。色々な反応があった。


「喋れるのは私だけだから、私が全員紹介するね!」


高音は1人ずつ紹介していく。


「まずはこの子!赤井こと風真赤菜さん!」


心パイセンは動揺を隠せていなかった。おそらく、心パイセンに関係している人だ。


「そして次!芝谷(シバタニ) 向日葵(ヒマワリ)ちゃん!ゆりさんの友達だった人だね〜。」


百合パイセンは動揺することなく笑っていた。



その後も人物紹介は続き、最後の一人になった。


「最後の1人!この子は奈瑠川(ナルカワ) (ユズ)!しずさんの妹だね〜。」


静パイセンは動揺することなく、ただただ謝っていた。


「この後も沢山来る予定だから楽しみにしててね!」


高音がそう言うと、みんなのケータイが鳴った。

新しい能力が配られたらしい。

私の画面に書かれていたのは

〖殺人犯〗


ついに来ちゃったか…。どうしようか。そんなことを考えていた時…


「アハハハハハハハハ!遂に来た!遂に!」


百合パイセンはいきなり大声で叫び出すと、手に持っていたナイフで…


自分のお腹を…刺した。


それと同時に高音は言った。それは、信じられない以前に、突然起きたせいで理解が追いつかない言葉だった。


「3回戦しゅーりょーです!」

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