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君たちはワルイコです  作者: H.R
日常パート
23/47

第7話前編 あの頃の日々

隣の部屋から騒いでいる声が聞こえる。


「もしかして…、遂にしずちゃんが目覚めた!?」


私はるんるんで静ちゃんの部屋に向かう。



コンコン


「しずちゃーん?私だよ!なるだよ!」

「あぁ。お前か。今開ける。」


待っていた。この冷たい態度。上からの発言。これが私が大好きな静ちゃんだ!


「やっと目覚めたんだね!」

「長い眠りについてた気分だ。」

「じゃあ、あの2人も呼んでくるね!」

「任せた。」


もちろん記憶を失っていた頃の静ちゃんも好きだ。でも、なんの躊躇もなく人を殺す本当の静ちゃんの方が大好きだ。



遠藤姉妹を呼びに自習室に入る。


「やーやー、2人とも!」

「なに?君のことはあんまり好きじゃないんだけど?」

「まあまあ。そんな事言わないの!」

「実はさー!しずちゃんが目覚めたんだよね!」

「やっとですか…。」

「ふふふ。嬉しいわね。」

「だから呼んでくるように言われたんだよね。」

「じゃあみねちゃん、行きましょうか。」

「はい。お姉様。」


私たちは3人で静ちゃんの個室に向かう。やっと、あのころの楽しい日々が戻ってくる。

……………………………………………………………………



「それじゃあ、行ってきます!」


元気に家から出て学校に向かう。今日は小学校の入学式。友達出来るといいな!


家から出ると隣の家から女の子がでてきた。見送りのお母さんは居ないらしい。その代わりに、妹が見送っていた。


「こんにちは!君も入学生?友達になろうよ!」

「…。俺を満足させられたらな。」

「わかった!」



それからの日々は地獄だった。


「最近七音教とか言うのが調子乗ってるらしくてな。一緒に壊滅させに行くぞ。」

「ほ、ほんとにそんなことするの?」

「文句があるのか?」

「ない…けど」

「早く行くぞ。」


あの日から私は、何人殺したのだろう。七音教を壊滅させて、静ちゃんの幼稚園の頃の友達を殺して、数えてたらキリがない。


「助けてください…。私は、七音様を信仰しているだけなんです。」

「そんなこと言われても…、しずちゃんの命令だから。」


後ろから足音が聞こえてくる。


「何てこずってるの?」


静ちゃんだ。


「ごめんねしずちゃん!このレイナって人が命乞いをしてきて…」


その場に尋常じゃないほどの緊張が流れる。


「は?なんだよ、お前は?」

「ほんとにごめんねしずちゃん!私、まだ人の心が残ってるみたいで…」

「ふーん。後で教育してやるからな。」

「…はい。」

「俺が始末するから戻ってろ。」

「…うん。」


私はその場を離れる。後ろから会話が聞こえてくる。


「本当によろしくお願いします。許してください!」

「黙れよ。」

「いやああ゛あ゛ぁ…」


おそらく、レイナって人は死んだ。静ちゃんの手によって。



静ちゃんの家で静ちゃんの帰りを待つ。


ガチャッ


帰ってきた。


「おかえり!しずちゃん!」

「…早くあの部屋に行け。」


私は言われるがままベッドだけが置いてある部屋に向かう。



「早く服を脱げ。」

「…分かりました。」


いつものように身体中にムチを打たれ、舐められ、切り傷を入れられる。嫌なのに、痛いのに、興奮してしまう自分が嫌だった。この現状を変えたいと思った、思ってしまった…


「もう…いやだ。」

「…」

「私にはもう無理。明日からもう来ないね。」

「…そうか。」


案外軽く言うことが出来た。私は服を着て、靴を履いて、家を出…



気がつくとベッドに寝転んでいた。目の前には血まみれの静ちゃん。その脇には…私が死んでいた。


「なんで、私があそこで死んでるの…」

「…、まだ適応しきってないのか。説明してやるよ。」


静ちゃんは先程の出来事を話し始める。


「もう出来ないとか、ふざけたこと言うから殺しただけだ。でもな、なるの記憶は欲しかったんだ。だから妹のお前の脳みそに、なるの俺に関する記憶を移した。それだけだ。」

「つまり、私はもう死んじゃったんだね。」

「でも、その調子だと妹の記憶はなくなりそうだしな。お前が今日からその体でなるとして生きていけ。」

「でも…」

「うるせぇな。」


私の唇に静ちゃんの唇が触れる。なんでだろう。さっきまで嫌だったのに、今ではもう…


「しずちゃん!大好きだよ!」

……………………………………………………………………



今思えば、最初に会った時から静ちゃんが大好きだったんだ。


「おかえり!しずちゃん!」

「やっと起きましたか…、おかえりなさい。」

「しーちゃん!おかえり!」

「ああ…。ただいま。」


これからまた、この4人での楽しい日々が始まると思うとワクワクが止まらない。私たちはさっそく、レイナの居る個室に向かった。

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