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君たちはワルイコです  作者: H.R
日常パート
21/47

第6話中編 記憶

「実はですね…私の秘密、なんですけど…その…ハッキング…なんです」

「え?」


まさか自分の秘密を話してくるとは思わなかったのでかなり驚いた。


「ハッキングって、どんな経緯だったんですか?」


すると瑠衣子さんはいきなりキャラが変わったかのようにハキハキ喋り始めた。


「事の発端は小学生の頃でした。」

……………………………………………………………………


「ほらるいこ!誕生日プレゼントだぞ!」

「わぁ!パパありがとう!」


私の名前は中川 瑠衣子、小学3年生。今日は私の誕生日!大好きなパパにパソコンを買ってもらったんだ!


「でもお父さんあんまり詳しくないから、ちゃんとインターネット…だっけか?そこで使い方とか調べるんだぞ!」

「うん!」


さっそく私は画面をつける。初めて見る画面、初めて触るマウス、初めて打つキーボード。何もかもがワクワクだった。この後大変なことになるなんて知らずに…



小学4年生になったある日、SNSにとあるDMが来た。


〖君、小学4年生なんだよね。そんなにパソコン使いこなせるなんて凄いね!ちょっと私と面白いことしてみない?〗


好奇心旺盛だった小学生の頃の私は後先考えずに了承してしまった。その内容は、とある企業の製造システムのハッキング。それがどんなにいけないことか理解もできずに、私はハッキングをしてしまった。



次の日、ニュースでハッキング事件が取り上げられる。計画者はとある高校生A、実行者は小学生の女の子1人。もうこの時には、私の家に大好きだったパパはいなかった。



ハッキングをした日、案外すぐにシステムが復旧したらしく、DMを送ってきた子と私の家に警察が訪れた。パパは困惑していた、自分の娘がこんなことをするはずがない、そう言ってくれた。でも、絶えず挙げられる証拠の数々。

小学生ということで厳重注意で済んだ。しかしその日の夜、家族会議が行われた。


「るいこ!なんてことをしたんだ!」

「ごめんなさいパパ!そんなに悪いことだってしらなくて…」

「…もういい。」

「え?」

「お前は俺の娘じゃない。お金は恵んであげるから、1人で生きろ。」

「いやだよ!私パパが大好きなのに!」

「…俺はお前が嫌いだ。」

「そんな…」


お父さんは家を出ていった。昨日まで楽しかった家が、一気に悲しい雰囲気になった。


「もう、どうでもいいな。あ、パソコンしないと…」



その日から私は堕落し続けた。小学校も中学校も必要最低限しか行かず、ろくな高校に行けなさそうだった私は、天ノ下女子高校の通信制に通うことにした。


「お金はあるし、友達も家族も何も、私には要らない。」

……………………………………………………………………


「そんなことが…」

「でも、もう今は大丈夫なんです。すごく優しい友達が出来たので。」

「それなら良かった!それで、どうして秘密を話してくれたの?」


瑠衣子は答える。


「罪滅ぼし…と言うのも変なんですが、この能力を使ってこの学校のシステムをハッキングしようと思って。」

「それはいい作戦かもしれないけど、なんで私に?」

「その…さなえさんが居なくなった今、1番頼れるのはしずさんで…」


頭の中にノイズが流れる。さっきまでは何ともなかったのにこの名前を聞いたせいで…

『古家 沙奈枝』


「うっ、ぅああ゛あ゛」


「しずさんも私と同じなんですよ。私も殺人鬼だし、しずさんも殺人鬼。私たち、似たもの同士ですね!」


「ああ゛あ゛あ゛ぁ」


「もうしずさんも気づいているんでしょう。自分の違和感に。」



「…さん!…ずさん!しずさん!」


誰かが呼んでる。返事をしないと。


「ど、どうした…の?」

「それはこっちのセリフですよ!しずさん急に苦しみ出して。私のせいで…ごめんなさい。」

「気にしないでよ…、それより…私、休んでくるね」

「わかりました。安静にしててください。」

「う…ん。」


まだ痛む頭を抑えて個室に向かう。さっき聞こえた声。あれは沙奈枝さんの声だった。


「私が…殺人鬼?そんなことない、私は人なんて殺したことがない。」



個室の前に鳴がいる。ニコニコ笑っている。嫌な予感しかしない。


「あっ!しずちゃん!もしかして思い出した?」

「思い出したって…なにが…?」

「うーん、まだかー。でも着実に進んできてるね!」

「それより、部屋で休みたいんだ…」

「いいよ!おやすみ!」



部屋に入りベッドに寝転ぶ。思い出したってなんのことだ。


「昔のなるとの思い出か?昔のなるとの…、昔の…、あれ?」


おかしい。鳴とは小学生になった頃から仲がいいこと、近所に住んでいたこと、それは覚えてる。なのに、それ以外の記憶が出てこない。


「どういうことなんだ…」


何が何だか分からない。でも今は何も考えたくない。頭が痛い。沙奈枝さんの声がずっと聞こえる。気味が悪い。私は何も考えることも出来ず、そのまま眠ってしまった。

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