第1話前編 私の秘密は…
カレンが教室を出て行って数分が経った。痺れを切らしたのか1番前の席に座っていた女の子が前に出て話し始める。
「みんな話を聞いて!デスゲームがなんだとかよく分からないけど、まずは自己紹介をし合いましょう。」
その子の後に私も話し始めた。
「みんなが仲良くすれば殺し合いも起こらないだろうし、自己紹介をして仲良くなろうよ!」
こんな状況だが、みんな私達の意見に了承してくれた。前に座っていた子から自己紹介が始まった。
「私の名前は古家 沙奈枝。高校3年生で生徒会長をしているわ。」
「どこかで見たことあると思ってたら会長様だったか〜」
ギャルのような子が続けて話し始めた。
「あーしは服部 里紗!高1で〜す!よろ〜!」
「ギャルはムカつくから黙っててくれないか。」
喧嘩を売るように1人の子が話し始めた。
「俺は飯室 弥江子。仲良くする気は無いが自己紹介くらいはしとく。」
次々と自己紹介が行われていく。
「わ…私の名前は…中川 瑠衣子…です。…高校1年生…です。」
「僕の名前はセルス!仲良くしようね!」
「私は花川 鈴。中3で来年の入学が決まってるわ。」
そっか。学園祭だったからうちの高校以外の子もいるんだ。心の中で納得した。
「…白井。他に話すことなんてない。」
「…黒井。白井に同じくだ。」
「鈴谷守 江南。よろ!」
「私は遠藤 心でーす。こー見えて頭いいので勉強教えられまーす!」
「遠藤 峰です。心の妹で高2です。」
「坂上 奈美。」
「わたくしはエルナですわ!よろしくお願いしますわ!」
「僕は進藤 菜七子!趣味でコスプレイヤーをやってるよ!」
「光橋 光。よろしく。」
「石上 百合。漫画家です。学校側から漫画家をする許可は貰ってるから問題ないです。」
コスプレイヤーに漫画家までいるのか。
「僕は桃谷 菜緒っす!よろしくっす!そこの倒れてる体育会系みたいなやつは友達の瀬羅っす!仲良くしてあげて欲しいっす!」
みんな自己紹介が終わったので私も自己紹介をした。
「奈瑠川 静だ。隣にいるのは親友の神宮寺 鳴。」
「親友だなんて〜!私照れちゃうじゃん!」
「…」
調子に乗ってる鳴を無視して話を進める。
「みんなここに来る前のことを覚えてるでしょ?」
「確か、学園祭だったよね。」
光さんが答えた。
「そう。つまり、これは学園祭のイベントの1つなんじゃないのか?」
「たしかに!」
「そうかもね!」
「じゃあ、帰れるのかな」
みんなの期待の声を黙らせるかのように弥江子さんが言った。
「んなわけねーだろ。脳内お花畑共が。」
その声の後再び教室にギスギスした空気が流れ始める。
「と、とにかく!今日はもう個室に行って寝ようよ!」
「あーしもさんせー!疲れたもん!」
里紗の声と共にみんなが教室から出ていこうとする。
「待って!」
沙奈枝さんがみんなを止めた。
「集まれる人だけでいい。毎日正午にこの教室に集まってお話とかしましょう。仲良くなることが大事だと思うから。」
「りょ〜!」
「わかった。」
その言葉を最後に教室から沙奈枝さんと私以外の全員が出ていった。
「さなえさん。自己紹介を提案してくれてありがとうございます。私だけじゃできなかった。」
「いいんですよ。生徒会長の私がしっかりしないと。」
「あの…」
「どうしました?」
「その…言い難いんですけど、さなえさんにも秘密があるんですか?とても悪い人には見えなくて…」
「…そうね。反省しているわ…。」
その声を最後に沙奈枝さんは教室から出て行った。
「反省している、ということはやはりさなえさんも秘密があるのか…。あんないい人そうなのに…。…考えても仕方ない。私も個室に行こう。」
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私が個室に着くと、放送が流れ始めた。
キンコンカンコン
「みなさんこんばんは。カレンです。みなさんが個室に着いたところで、補足説明を行うために放送をしています。朝食、昼食、夕食はみなさんの部屋に自動で送られるのでそれを食べてください。食べなくてもいいです。ゴミも自動で回収します。基本的に午前0時から6時を睡眠時間として個室からの外出を禁止します。0時までに個室に帰れない場合は仮眠室を使用してください。放送は以上です。質問は随時募集してますのでケータイでご連絡ください。それではみなさん、おやすみなさい。」
キンコンカンコン
放送が終わった。
「ご飯は自動で送られてくるのか。案外便利だな。」
夕食を食べ、個室のシャワーを浴びたあと、ベットに寝転がり考える。私の秘密。
「秘密…か。私のは多分、バイトをしてる事だろうな。」
そう。天ノ下女子高校はバイトが禁止なのだ。今までバレた人は全員退学処分になっている。
「みんなもバイトしてたりするのかな。それとも…。いや、こんなこと考えちゃだめだ。今日はもう寝よう。起きたら元の世界に戻ってるかもしれないし…」
ベットはそこまでふかふかしてないけれど、問題ないレベルだ。恐怖と不安を胸に、次の日に向かっていった。