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許嫁=猫…ではない  作者: 東音


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軟式テニス部の軟派な話

 かぽ〜ん!


 わらわらわらっ!

「あ〜、疲れが取れますっ……!」

「ふ〜、生き返るぜ……!」

「女子達も今頃お風呂かな? あっちはむさ苦しい男風呂とは違うんだろうな」


「ああ。きっと、おっぱい触り合ったり、恋バナしたりしてるんだぜ! いいな〜!!」


 湯船につかり、女子部員達の風呂を羨ましがる男子部員達に、俺は首を傾げた。


「そうか? 俺は周りを筋肉質な男子に囲まれているこの空間こそ、天国のように感じるが……?✧✧」

「「「「?!?||||||||」」」」


 ザザザッ!


 久々に風呂場でリラックスでき、心からの言葉を発すると、男子部員達に不自然な距離を取られた。


「お、おい。何だよ?」


「い、いや、里見、そういう趣味の人なのかと……」

「う、うん……。そういうの偏見ないから大丈夫。ただ、一応言っとくと、俺達は女の子が好きだからな?」


「は? 何言ってんだよ! 俺だってノーマルだよ!」


 2年のテニス部員山部(やまべ)海津かいづに引き攣った顔で警戒され、目を剥いた。


「ただ、女子の中にもヤバい奴(西園寺)や恐ろしい奴(宇多川)はいるから、男子だけの空間がホッとする時もあるってだけだって!」


「あ。そ、そーゆー意味か……」


「そ、そうだよな? 里見、モテるし、春先まで彼女いたもんな?」


 テニス部員の緊迫した空気は緩み、とんでもない誤解を解く事が出来て俺は胸を撫で下ろす。


 二股事件で、ただでさえ評判が悪いというのに、BL疑惑の噂が流れるのは本当に勘弁して欲しい。


「まぁ、女にモテるってのは、いい事ばっかりじゃないんだろうけど、モテない俺らからしたら、羨ましいよな?」


「本当だよ。 あの宇多川さんやその友達の森野さんと仲いいみたいだし。 入部希望者の西園さんもお前の事ばかり見ていたし、テニス部でハーレムでも作る気かぁ?」


「ひっ……!|||||||| 怖い事言うなよっ!!」


 りんごはともかく、宇多川と西園寺を相手にするなんて恐ろし過ぎて考える事も出来ない!


「ハーレムなんて地獄なだけじゃないか! 俺は一人いればそれでいいよ」


「そ、そうか……? ハーレム、俺は羨ましいけどな」

「まぁ、里見は二股でひどい目に遭ったからそう思うのかもな?」


 ガクブルしながら主張する俺に、山部と海津は目を瞬かせると、更に突っ込んで来た。


「それなら、里見は誰がいいんだ?」

「ああ。それ以外の娘は俺達狙ってもいいよな?」

「え」


「やっぱり、才色兼備な財閥の令嬢・宇多川夢さんか? あの美貌でかます、剃刀のように鋭いスマッシュ! やられちゃうよな〜!」


「ああ。たまらん! 美人でスタイルもいいし、眼福だよな〜」


「ええー。いや、宇多川は絶対ないだろ……(怖いし、りんごをめぐって敵同士だし……)」


 恐ろしい宇多川が、意外にもテニス男子に人気と知って目を瞬かせながら、俺はきっぱりと否定した。


「ああ、財閥の令嬢だもんな。里見でも流石に難しいか……」


「あれだけハイスペ過ぎると俺等にとっては高嶺の花だよな……」


 山部と海津は勝手に納得したようにウンウンと頷く。


「じゃあ、森野さんはどうなんですか?」


 ……!


 そこまで黙って俺達の話を聞いていた、一年のテニス部員、空井そらいが興味津々で話に入って来た。


「彼女、いつも宇多川さんの陰に隠れてているけど、笑顔で挨拶してくれるし、結構いいと思うんすけど」


「ああ〜、言われてみれば、彼女も結構可愛いよな」

「うんうん。 庶民的で、ちょっと押せば受け入れてくれそうな感じするよな〜」

「分かる〜」

「分かります〜」


「ああんっ?」


「「「ひっ……?!||||||||」」」


 りんごに興味を向け、簡単に落とせるみたいに言ってくる男子部員達を俺が睨みつけたところ……。


 ザバァッ!!


 それまで俺達の話を黙って聞いていた部長の松平が、湯船から立ち上がった。


「くだらん!! お前ら、軟派な話ばっかりしよって! 色恋沙汰なんて、もっとテニスで実力をつけてからにしないか!」


 ドスドスッ! カラリ!


 怒ったようにそう言い捨てると、松平は、浴場を出て行った。


「び、びっくりした……」

「松平(部長)真面目だから……」

「ああ、あの人はこういう話興味ないよな……」


 その後、気まずそうに顔を見合わせるテニス部員達。


 なんだろう? 松平の奴、さっきまで妙に大人しかったと思えば、急に怒り出して、いつもと様子がおかしいような……。


 奴に対して違和感を感じていると……。


 ガタガタン! 

「ギャーーーーッ!!」


 ガラッ! バタバタバタッ!


「「「「……松平(部長)!!?」」」」


 ザバッ!ダダダッ!✕4 ガラッ!


 悲鳴が上がり、俺達が急いで脱衣場に駆け付けると、松平がフルチンで床に尻もちをついていた。


「い、い、今、掃除道具のロッカーの下に光るものがあって、調べようとしたら、突然、中からカメラを持った不審者が現れて、脱衣場から去って行った……!」

「「「「ええっ!?」」」」

 ……!!||||||||


 松平が震えながら外への扉を指差さは、事情を説明すると、テニス部員はあまりの事に大声を上げ、犯人に心当たりのある俺はその場に凍りついた。


 西園寺……! 


 合宿場まで来て、盗撮しに来るとはヤバ過ぎるだろっ……!



*あとがき*


 いつも読んで頂き、ブックマークや、リアクション、ご評価下さって本当にありがとうございますm(_ _)m


 今後ともどうかよろしくお願いします。

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