親友と見る夢《森野林檎視点》
私はりんご柄のパジャマ、夢ちゃんは、レースのネグリジェ、共に寝間着姿で狭いベッドに身を寄せ合い、体を横たえていた。
「くすん……。りんご、もう怒ってない?」
「怒ってないよ? 夢ちゃん」
浩史郎先輩に襲われているところを私に目撃させて私と浩史郎先輩を引き離そうとしていたという夢ちゃん。
護衛術を教えている黒川さんの指摘ですぐにバレてしまい、私もつい強めに注意してしまったので、夢ちゃんは謝り泣き崩れてしまった。
あれから杉田さんにカモミールティーを出してもらって慰めてもらって、少しは回復したけど、まだしょんもりしている夢ちゃんと今日は一緒の部屋で寝る事にした。
普段強く気高い夢ちゃんが弱っている姿は、(自分もその原因になっているし)こう言っていいのか分からないけど、とても可愛ゆらしく、うつ伏せ寝をしながらチロチロとこちらを窺って来る夢ちゃんの頭をヨシヨシと撫でた。
「夢ちゃんはいつも私の為を思って行動してくれている事は分かってる。 けど、浩史郎先輩との関係は夢ちゃんが思う程心配するものでもないよ?
浩史郎先輩からしたら、私とはペットとじゃれ合っているような感覚なんだろうし。
多分すぐに同じぐらいスペックの高い彼女さん見つけると思うよ?」
安心させてあげたくてそう言ったのだけど、夢ちゃんは微妙な表情でこちらに向き直った。
「りんごはそう思ってるのね……。ますます心配だわ」
「ええ! なんでぇ!?」
私が目を剥くと、夢ちゃんは真剣な目で問い掛けて来た。
「ねぇ。りんごは、里見先輩に彼女が……、例えば画策とかじゃなくて、もし本当に私と里見先輩が付き合ったとしても何とも思わないの?」
「うん? 嬉しいし、祝福すると思うけど……?? 大事な人同士仲良くなってくれるのは嬉しいし?
でも、その後二人と関わる時間が減ってしまうとしたら、ちょっと寂しいかも?」
「……」
私が戸惑いながらもそう答えると、夢ちゃんは浮かない表情で考え込んでいるようだった。
「そうね……。親友に恋人が出来たら、二人きりで過ごす時間もあるだろうし、相対的に親友との時間は減って寂しく思うかもしれない。
でも、そういうんじゃなくて……。
最近のりんごを見ていたら、それだけで済まないように思えてしまって……」
「??」
夢ちゃんの言わんとする事が分からず、私が目を瞬かせていると……。
「でも、りんご。少なくとも今は、男の子と付き合いたいとか思ってない。そうよね?」
再び真剣な瞳で詰め寄られ、私は気圧されながら頷いた。
「う、うん。そりゃそうだよ。男子はちょっと苦手だもん」
「よかった。それならいいの」
夢ちゃんは私の答えに、ホッとしたような笑顔を浮かべた。
「何だか分からないけれど、夢ちゃんの心配がなくなったならよかった。もう遅いし、寝よ? 眠れるまでトントンしててあげるね?」
「ええ? 有難いけど、りんごの優しさって小さい子向けの対応なのよね……。なんか恥ずかしいわ……//」
「まぁまぁ、恥ずかしがらずに〜」
私が背中を規則的に優しく叩いてあげると、夢ちゃんは文句をいいながらも受け入れてくれた。
くうっ……。普段キリッとしている夢ちゃんの素直になれない甘えっ子な感じ。かわゆ!
身悶えしながら、夢ちゃんにトントンをしている内に、なんだか急に眠くなって来た……。
*あとがき*
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