風紀委員会査察 ① 〜浩史郎の人身御供〜
シェアハウスに新たに管理人の杉田さん、親友夢ちゃん、護衛の黒川さんを迎え、対策会議と入念な準備の上、万全の状態で迎えた、風紀委員会査察当日、リビングの席で──。
「里見様は、休日はここで、何をして過ごしていらっしゃるのでしょうかっ?」
「ふっ。僕の休日が気になるのかい? 子猫ちゃん。クロワッサンにルッコラサラダのブランチを取った後、アフタヌーンティーと共に読書を楽しんでいるよ?」
「「「キャー!優雅です(わ)〜!!」」」
白いレースシャツのスカーフ部分と髪を爽やかに風に靡かせて答える光輝く浩史郎先輩を囲んで、制服姿の三人の女子生徒は色めき立った。
そう。浩史郎先輩に黄色い歓声を上げている彼女達は今回、査察にやって来た風紀委員幹部。
風紀委員長の西園寺先輩(ウェーブヘアの美人)、副委員長の桜井先輩(メガネ女子)、会計の友田先輩(おさげ女子)だった。
今回、三人はシェアハウスが適切な運営が図られているか調査に来た筈だけど……。
管理人の杉田さん、百合百合している私と夢ちゃんには短い質問をいくつかしただけで、後は浩史郎先輩の側を離れず、シェアハウスの運営に全く関係のない質問をして大いに盛り上がっていた。
「ハァハァッ。つ、次は、里見様のお部屋を見せて頂きたいですわっ!」
「え、ええ〜。参ったなぁ……(うわ、西園寺達に部屋入られるの、何されるか分からなくて怖い……☠)」
「「ハァハァッ。そ、そう言わず、ぜひ査察にご協力下さい」」
少し離れたソファー席から様子を見守っていた私は隣の夢ちゃんにこそっと話しかけた。
「(夢ちゃん、この分だと風紀委員の人達、特に問題なく満足して帰ってくれそうだね?)」
「(そうね。衣装(少女漫画の貴族の少年風白いシャツ)と演出(里見先輩の席を照明とエアコンの風に当たる位置にする)に凝った甲斐があったわ!)」
夢ちゃんは片手でガッツポーズを取り、風紀委員女子に押され気味の浩史郎先輩を見遣り苦笑いをした。
「(しかし、里見先輩、性格はクズだけどああいう役回りは似合うわね……)」
「(内心は嫌なんだろうけどね……)」
夢ちゃんの計画では、先に西園寺先輩達の注意を浩史郎先輩に引き付けておいて、彼女達がよからぬ事を考えない内に逆に弱みを握る事になっていた。
表情が少し強張っている浩史郎先輩を可哀想に思いながらも、あと少しだけ頑張って! と心の中でエールを送ったのだった……。
*あとがき*
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