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許嫁=猫…ではない  作者: 東音
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やけ食いの代償


浩史郎先輩ったら、もう、本当に信じられない!!

人の日記を見るなんて…!!

家族がやっちゃいけない事ランキングベスト3に入りそうなそうな事しでかしてくれちゃって!!


一昨日ぶりに戻った自分の部屋で、私はショックと怒りと羞恥で大混乱の中、荷物をまとめたダンボールの中から封のしていないダンボールを探すと、

その中に日記帳が入っているのを確認した。


他の文具と一緒にピンクの日記帳は確かに鍵がかかってそこにあったけど、箱に向かって几帳面な程真っ直ぐに置かれており、出る前に入れていた場所と明らかに位置がずれていた。


やっぱり、本当に見たんだ…。日記…。


「ああぁ…。」


私は絶望的な気持ちでため息をついた。


日記を取り出し、その場に座り込むと、パラパラとページをめくり、その内容を読み返していった。


他人が読む事なんてもちろん想定していないから、随分恥ずかしい事が書かれている。


これを浩史郎先輩に全部読まれたのかと思うと、顔から火が出る思いだった。


今まで私が小難しいことを言ってきた裏には夢ちゃんの助言があったことも全部バレた。


浩士郎先輩は舞台裏を知って小馬鹿にしたに違いない!!

(はっ。こんな事だろうと思ったぜ。やはり、あいつはバカだったんだな。)

……とか!


「くぅっ、屈辱だっ!!」


私は悔しさに足をバタバタさせて身悶えた。


「許すまじ!!浩史郎先輩!!」


その時視界に入った焼き菓子の包みを私は鬼の仇のような目で睨むと乱暴に包装を開け、やけ食いのように

食べ始めた。


「くうっ、美味しいのがまたムカつく!!」


涙目でマドレーヌや、ワッフルなど次々に口に放り込みながら、私は日記を読み進めていった。


最後のページは、感傷的なことを手紙のように書いてしまったけど、私はこれを本人に伝えるつもりは全然なかったのに…。


もう…!もう……!!


私は恥ずかしさのあまり、日記のページに力を込めてしまい、紙に皺がよってしまった。


「あっ。まずい!」


慌てて、その日のページを手でならして広げていると、下の方に小さな水滴のような跡がポツリポツリと

あった。


「?」


涙の跡…?


確かこれを書いているとき、感極まって、泣いちゃって鼻水まで出していたけど、日記につかないようにティッシュで完全阻止していた筈。


私のでないとすると、もしかして浩史郎先輩の涙……?


これを読んで、実家に来てくれたのだとしたら…。


私は浩史郎先輩が実家ですごく緊張していた様子を

思い出した。


同居の解消を考え直して欲しいと頼み込んだとき、肩が少し震えていたこと。


私に側に居て欲しいと言ったときの、とても真剣な目。返事を待っているときの不安気な表情。


初めからうまくいくと分かっていたら、あんな風にならない。

玉砕覚悟で勇気を振り絞って来てくれたんだ。


私は胸がキュッと痛み、それと共に浩史郎先輩への激しい怒りが急速に萎んでいくのを感じていた……。


ふうーっ。と息を吐いて、少し冷静になった私は周りを見渡すと、辺りは食べ終わったお菓子の包み紙のゴミだらけになっていた。


「え…?」


20個ほどのお菓子が入っていた焼き菓子の箱は完全に空になっていた。


確か…。マドレーヌ一個あたり、200キロカロリーぐらいだったよね…?


取り返しのつかないぐらいカロリーを摂取してしまった私はサーッと青ざめた。



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