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許嫁=猫…ではない  作者: 東音


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0.3ミリのフラストレーション


『りんご、明日は予定あるか?』

『へっ!明日?!いや、えーと、ないような、あるような…?』


りんごめ…。俺の誘いを不自然に流しやがって…!

実家の暮らしが快適過ぎて、もともと大して大事に思っていなかったかもしれない俺の存在が、更に薄くなっているんじゃないのか?


3ヶ月近くも一緒に暮らしているというのに、薄情な猫め…!


ボキベキッ!

「ああっ。くそっ!また、折れた…!」


今一集中出来ないまま勉強を始めるも、愛用していた0.3ミリのシャー芯を次々と折るという更にフラストレーションの溜まる状況になっていた。


残りのシャー芯はあと数本しかない。


「はぁっ。気分転換にコンビニでも行くか。」


俺が出かけようと玄関で靴を履いていると、母が慌てて声をかけて来た。


「えっ!浩史郎、出かけるの?今日は午前中は大事なお客さんが来るから、家にいてって言ってたわよね?」


「分かってるよ。お客さんに挨拶しろって言うんだろ?コンビニ行くだけだからすぐ戻る。ったくうるさいな…。」


口うるさく言われ、俺が苛々しながらそう言うと、母は、目尻を上げて俺の痛いところをいて来た。


「まぁ、その言い方はなぁに?浩史郎、りんごちゃんに会えなくて寂しいからって八つ当たりしないの…!そんなんじゃ、りんごちゃんにも呆れられちゃうわよ?」


「うるさいな!別にりんごの事で苛々してるわけじゃないよっ。じゃあなっ!」


「もう、浩史郎…!」


まだ文句のありそうな母の声を背に聞きながら、俺は家を飛び出した。


        ✽


『店員のオススメ❣ りんごメロンソーダ:最初はりんご味、最後にはメロン味になるソーダ!この不思議な感覚、味わってみませんか?今なら、りんご&メロンストラップのおまけつき✧✧』


「何だ、この飲み物は…。」


コンビニでシャー芯を買い物籠に入れた後、飲み物を買おうとした俺は飲み物売り場の近くに派手なポップと共に新商品のコーナーが出来ているのに眉を顰めた。


あまり美味しい味が想像出来ないチャレンジャーな飲み物だが、ストラップのおまけ付きという事もあり、りんごが欲しがりそうだなと思ってしまった。


「……。」


怪しげなその飲み物をしばし無言で見詰めめ…。


        ✽


「ありがとうございましたー!」


数分後、シャー芯とりんごメロンソーダを入れたレジ袋を手に下げ、コンビニを出る俺の姿があった。


「はぁ…。何やってるんだ、俺は…。」

         

        ✽


「ただいま。」


「……。でね…。浩史郎ったら…。」

「……。……。」


家に帰ると、知らない女物のパンプスがあり、客間から、母が誰かと話している声が聞こえて来た。


例の大事な客とやらが、来たらしいな。

挨拶はしなきゃいけないだろうが、取り敢えず、荷物は置いてくるか…。と、二階に、上がろうとして…。


ガラッ!


「あっ。浩史郎、帰ったのね?」


ちょうど客間から出て来た母に見つかった。


「ふふふっ。浩史郎、りんごちゃんに会いたくてやきもきしていたでしょう?実はね、今…。」

「ああ?」


気持ち悪い程ニヤニヤニヤしている母に、俺は苛立った声を上げた。

お客も来ているというのに、この母は何言ってんだ?


「違うって言ってんだろ?

俺だって実家に帰ってまで、四六時中りんごの事考えてるわけじゃない! むしろ、あんな薄情な奴の顔なんか、見たくもないね。」


「「…!」」


ガラッ!


俺がそう言ったところ、客間から《《お客》》が、おずおずと姿を現した。


「そそ、そうですよね…。実家に帰ってまで、私の顔なんか見たくなかったですよね。浩史郎先輩、すみません…。」


「へっ。はっ?りんご??!」


なんとも気まずそうな表情を浮かべるりんごを目の前に、俺が目をパチクリとさせると、瞬間、母に毒づかれた。


「もう、浩史郎…!このバカっ…。」




いつも読んで頂き、ブックマーク、評価下さって本当にありがとうございます

m(_ _)m


今後ともどうかよろしくお願いします。


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