部長と副部長の温度差
俺、りんご、宇多川の三人は、生徒会経由で、人数不足で試合に出られない軟式テニス部に一時的に入部するよう頼まれ、部長と副部長との顔合わせの為、生徒会室へ向かったのだが…。
「軟式テニス部、部長の松平健造だ!
里見、宇多川、森野、君達の入部を歓迎するぞ!
これから、毎日試合に向けて、朝練、放課後練、休日練頑張ろうっ?
学校の施設を使った夏合宿も、精根尽きるまで、練習し倒そ…」
スパーン!!
「「「…!!」」」
瞳に燃える炎を宿して熱く語る部長の松平建造の頭を、隣のショートカット、巨乳の女生徒がハリセンで盛大にしばき、俺達は目を丸くした。
「勝手に暴走しないの松平くん!!それで、部員逃がしちゃったんでしょうが!」
女生徒は、俺達に向き直り、取り繕ったような笑みを浮かべた。
「あはは、ごめんね。お見苦しいところをみせちゃって。私、副部長の七橋光!
里見くん、宇多川さん、森野さん臨時部員を引き受けてくれてほんっとありがとうね。
うち、朝練もないし、休日練習は、月2回だけだし、それも参加できる時だけでいいし、何なら、試合と試合前のミーティングだけ参加してくれれば充分有り難いから!
部長の言う事は気にしないでね?」
「「「は、はあ…。」」」
「しかし、試合前の結束を図る為、練習は必…むぐぐっ。」
「黙ってて!」
なおも何か言おうとする部長の松平の口を、副部長の七橋が手で塞いでいた。
部長と副部長の間にもかなりの温度差があるらしい。
どうなる事やらと顔を見合わせつつ、臨時入部を果たした俺達だが、試合日が近かった為、練習できたのは、二日ほど。
部員は男子、女子合わせて10名ほどで、部長のやる気だけが一人勝ちしていて、惰性で練習をしている部員、練習に遅刻、休む部員も多く、全員揃ったのは、試合前のミーティングのみというお粗末さだった。
結局、まだ経験の浅いりんごは試合に参加せず、俺、宇多川は団体戦に出場する事になった。
「生ぬるい部活ね〜。こんな状態で無理して試合に出る意味ってあるのかしら。」
ため息をつく宇多川に、俺も苦笑いした。
「全く同意だが、引き受けたからには仕方がない。試合までは、協力しようぜ。」
「でも、私、二人が試合に出るの楽しみだなぁ!差し入れにはちみつりんごと飲み物持ってくし、試合後には痛いとこ、マッサージするから、二人共、頑張ってね!」
「「…!!♡♡↑」」
りんごがファイティングポーズを取ってそう言うと、俺も宇多川も急にやる気が倍増したのだった。
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