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許嫁=猫…ではない  作者: 東音


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りんごの忘れ物

《森野林檎視点》

生徒会長に、軟式テニス部の助っ人をお願いされ、私と浩史郎先輩は、休日に試し練習をしにラウンド8に来ていた。


臨時部員になるなら、部活の時間に練習させてもらえるだろうに、前練習をしに行きたいだなんて、浩史郎先輩随分真面目だな。


前は硬式の部長だったという事だから、軟式に変わって、万一にも不様な姿を晒すことになったら嫌だと思っているのかもしれない。


浩史郎先輩、結構プライド高いからな。

私の前では下手なところを見られても気にしないだろうし、沢山練習に付き合ってあげようと心に決めた。


軟式では、数ヶ月だけど経験ありの私の方が

現時点では強いのでは?

と思って、ちょっとマウントを取るような発言をすると、浩史郎先輩に冷めた目で、

「それ(私に負ける事)は本当にない。」

と言われてしまった。


失礼な話だ。

入部当時は先輩から筋がいいと言われていたのに!


「よぉし!こうなったら勝負をしましょう!

負けた方が、今晩の食事をどっちが作るのはどうですか?」


「え、別にいいけど…。」


思わずむきになって、勝負を持ちかけると、浩史郎先輩は、あっさりと承諾してくれた。


ご飯はいつも私が準備しているから、負けたとしてもノーダメだし、勝って、浩史郎先輩がご飯を作ってくれる事になったとしても、最近は節約を考えてくれるようになったから、大きな心配はない。


勝負をするということで、練習にも気合いがはいるだろうし、いいことずくめ。


「よぉし!頑張るぞっ!!」


ラウンド8の受付で、テニスウェアとスニーカーを借り、女子更衣室で着替え終わった私は、鏡の前でガッツポーズをとってその場を離れようとして…、ふと、白いショートパンツのようなものが、カバンの上に置きっ放しになっている事に気付いた。


「あっ。いけない!インナーパンツ履き忘れている!」


かなり短めのスカートだから、履いとかなきゃ大変な事になる!

危ない、危ない…。


慌ててインナーパンツを手に取った時…。


ブブーッ!ブブーッ!


「!!」


籠もったバイブ音が鳴り、私がカバンの中から携帯を取り出すと発信元は、『家』と表示されていた。


「はい。りんごですけど…。」


『ああ、りんご!お母さんだけど、またおばあちゃんのところから、お茶と野菜もらったから、少しあんたのところにお裾分け送っていい?』


「わぁっ!おばあちゃんとこから?うん。もちろん!お母さん、ありがとう!!」


私は受話器の向こうからお母さんから有り難い申し出に一気にテンションが上がって、弾む声でお礼を言った。


『了解!じゃあ、明日の午前中に着くように送るけど、都合のいい時、受け取ってね?』


「ああ、うん!」


『一緒に可愛い外行きの洋服も何枚か入れてるから、浩史郎くんとのデートの時にでも、着てってね?』


「うん、ありが…って、何言ってんの!お母さん!!デートなんかしないよ!//

この前は、たまたまタイミング悪く、ああいう場面を見られてしまったけど、浩史郎先輩とは、そういう関係じゃないって、説明したでしょ?」


誤解をしているお母さんに、慌てて否定したけど、お母さんは更に追及をして来た。


『まだ深い仲じゃないってのは、分かったけど、あんた達、デートはしてんでしょ?

この前、猫カフェ行ったって話していなかった?』


「そ、それは、『試験お疲れ様会』で、『デート』じゃないの!」


『ハイハイ。そういう事になっているのね。ちなみに周りが騒がしいみたいだけど、今、外?』


「う、うん。ラウンド8にちょっと、浩史郎先輩と、テニスをしに…。いや、これもデートじゃなくって、ちょっと、事情があって…。」


『んふっ。分かったわ。色んな理由のお出かけがあるのね?「二人のお出かけ」中に邪魔しちゃってごめんね?

んじゃ、りんご、頑張ってね?また連絡するからっ。』


プツッ。


「ちょっ…、お母さん!!」


お母さんは、何やら勝手に納得して電話を切ってしまった。


「もう、違うのに…!」


お母さんには、浩史郎先輩と私の関係が飼い主と猫みたいなほのぼのした関係だって、何度説明しても分かってくれないんだから…!//


ポスッ!


気恥ずかしさと怒りの混じった気持ちで、

携帯を乱暴にカバンに入れると、私はロッカーにカギをして、更衣室を出た。


インナーパンツを床に落としてしまっていた事には、その時は気が付かなかった…。




いつも読んで下さりありがとうございます。


今度とも宜しくお願いしますm(_ _)m

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