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許嫁=猫…ではない  作者: 東音


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満身創痍の不審者《森野林檎視点》

 私は、談話室で女子達に囲まれ、ハーレム状態の浩史郎先輩に私はドヤ顔で親指を立てた。


『浩史郎先輩! ハーレム出来てよかったですね。猫は応援してますよ? 頑張って下さい♡』


 猫カフェでは失敗したけれど、浩史郎先輩は本来女の子が好きな筈!


 風紀委員の女子達は、西園寺先輩の印象が強くて受け付けないかもしれないけど、テニス部の女の子は、副部長の七瀬先輩(Gカップ)を始め、性格・言動に問題ありの人はいないし、趣味も合う。


 しかも、全員が浩史郎先輩に好意を抱いているっぽい。


 話している内にその内の誰かと恋が生まれるなんて事があるかもしれない。


 談話室にいち早く赴きハーレムの席を作るのに尽力した後、私は少し離れた席で様子を見守ろうとしたのだけど、浩史郎先輩は頑張った猫=私にげんなりとした顔を向けて来た。


 あまりに仕組まれ過ぎてお気に召さなかったのだろうか?


 全く気難しい飼い主様だなぁ。


 やれやれと肩を竦めていると、隣の席の夢ちゃんが部屋の入り口を見遣り、鋭く囁いた。


「(西園寺先輩……!)」

「!」


「うっ。ううっ……||||||||」


 見れば、西園寺先輩(今は入部希望者の西園先輩と姿を偽っている)が、眼鏡はずれ、お下げ髪はほつれ、服はヨレヨレという大分ひどい姿でヨロヨロと談話室へ入って来た。


「大丈夫ですか? 西園先輩、大分具合が悪そうですけど、部屋に戻って休んだらどうですか? 何ならお連れしますけど」

「夢ちゃん……!」


 戦闘モードの目で話し掛ける夢ちゃんを見て、西園寺(西園)先輩は嫌そうな顔をした。


「げっ、宇多川夢! け、結構ですわ。里見様のお姿を見るチャンスを逃すわけには行きませんのっ!ゼェハァッ!」


「そんな状態でも浩史郎先輩の追っかけを続けるなんて……!」

「その執念だけはすごいわね……!」


 西園寺先輩の私と夢ちゃんが西園寺先輩の姿に感心していると……。


「へぇ〜里見くん、コーヒー派なんだぁ。好みのメーカーとか種類とかある?」

「ああ、店で飲むならブルーマウンテンとか好きだけど……」

「「「「キャーッ! 素敵!」」」」


「いや、家では普通に安いレギュラーコーヒー飲んでるよ」


「「「「庶民派の里見くん(先輩)もいい!!」」」」


「ああ、テニス部の女子共が里見様に群がって! 一足遅かったですわ!」


 既にテニス部女子部員達に囲まれているのを見て膝をついた。


「あら? あなたともあろう人が、そんな事で怯まずに他の女子部員さん達を押しのけて突進していけばいいじゃないですか? さっきは、男子浴場で他の男子すら押しのけて里見先輩を覗いたんでしょう……?」


 おお! 夢ちゃんズバッと追求しちゃったぁ!


「なっ……!//」


 西園寺先輩がカッと目を見開いた。


「の、覗きなんて、そんな汚らわしい

 事致しませんわ……! ただ、私はギリシア彫刻のような里見様の神々しいお姿を映像に収めようとしただけで……!」


「何を言ってるんですか?」

「あわわ……!」


 やっぱり、男子浴場に侵入した不審者は、西園寺先輩だった事が分かり、夢ちゃんは半目になり、私は慌ててしまった。


 映像に収めようとって盗撮! 覗きよりたちが悪いからっ!!


「それなのに、私の芸術へ純粋な探求心は、野獣の汚物によって汚されたのですわっ! うぐっ……。 思い出したらまた吐き気が……」


 西園寺先輩は辛そうにハンカチで口元を押さえた。


 浩史郎先輩の話では、西園寺先輩と思わしき不審者は、松平先輩と出会して逃げて行ったという事だったけど……。


「野獣って松平先輩の事……?」


「らしいわね。松平先輩の方がよほど被害者でしょうに……」


 夢ちゃんと顔を見合わせて苦笑いしているところへ……。


「ん? 俺がどうした?」


「「松平先輩……!!」」


「うぐふぅっ……!|||||||| ふうっ……!!」


 ちょうど松平先輩が通りかがり、私と夢ちゃんは驚き、西園寺先輩の吐き気はMAXに達した。


「んーっ。ふぅっ! はぁっ! そばに寄らないで下さいましっ! あなたのせいで、余計に具合が悪くなりますわっ!!」


「な、何だよ。西園。 男子部員が腐っているから、気分を変えようと自販機で皆の飲み物を買いに行ってやろうと通りがかっただけだったのに……。

 分かった、すぐ行くよ……」


 やっとの事で吐き気を堪えたらしい西園寺先輩に噛みつかれ、しょんぼり肩を落とす松平先輩。


 部屋を見渡すと、浩史郎先輩のハーレムに押しやられた男子部員達が部屋の隅の方で面白くなさそうな顔をしていた。


 ああ、男女混合ミーティングなのに、こんな空気で、松平先輩は気を遣って飲み物を買ってくる事になったのか。


 ハーレム席を設ける事に尽力してしまった責任を感じるな……。


「あの、私も飲み物運び要員になります!」

「お? 森野、悪いな」


「りんご?」


 私が席を立つと、松平先輩は顔を綻ばせ、夢ちゃんが驚いたように袖を引いて来た。


「すぐ戻るよ。飲み物買って来るから、具合の悪いさいおん……西園先輩を見ててあげて?」


「ええ!☠」


 嫌そうに西園寺先輩を見遣る夢ちゃんに手を振り、私は松平先輩の後について、廊下に出たのだった……。


*あとがき*


 読んで頂きまして、フォローや、応援、評価下さって本当にありがとうございます

 m(_ _)m

 今後ともどうかよろしくお願いします。

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