表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/11

みづきとカラオケへ



桜の木はほとんど花が散ってしまっていた。それを横目に見ながら帰宅部所属のゆめはとぼとぼと1人校門を出た。

「ゆめー」

いつの間に忍び寄ってきたのか、みづきが横に居た。

「カラオケいかなーい?」

「え?なんで?」

ゆめはそう言いながらみづきがここにいることに疑問がわいた。

「あんた部活どうしたのよ」

みづきは卓球部所属のはずだ。

「あ、休んだ」

「先輩に怒られないの?」

「しーっ」みづきは人差し指を口に当てた。

話にならない。みづきが歩き出したのでゆめは続いた。

「どこ行くの?着替えてお金もってくるよ」

「いいって。お金は大丈夫」

怪しい。きな臭い。

「制服はさすがにまずいんじゃないの」

「平気平気」

みづきはそう言って、何かを払うように手を振った。

「ねえ、何隠してるのよ」

「あ、見えた」

学校から徒歩5分程の所にあるカラオケボックスだ。知人に会うのを避けるため、みんなあまりここは使わない。

入口に男が1人いて軽く手を振っている。みづきの知り合い?不信感しかない。

「ゆめちゃんだよね。斎木です。よろしく」

まだ10代だろう。いかにも『モテます』的なオーラを放っている。整った顔が嘘くさい。

ゆめは軽く頭を下げてから立ち止まった。

「どーゆーこと?」

「前からゆめに会いたがってた人」

みづきの言葉にゆめは天を仰ぎたい気分だった。まさかのまさかだ。バカだバカだとは思っていたが、みづきの愚かさは本物だ。ゆめはそのバカに付いてきたおのれも心中で罵倒した。

斎木と名乗ったスカした若者がカラオケ店の入口のドアを開けて2人を中に誘い入れた。

ゆめは店内に入るとき、チラリと斎木を盗み見た。斎木はゆめと目が合うと薄ら笑いを浮かべてウインクで返してしてきた。

『サイアク…』

ゆめは小さく呟いた。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ