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1590年8月16日 奴隷貿易

4月に先代様(孝太郎が来る前の体の持ち主)が連れて来た、密貿易の南蛮船がまた下田に入港した。


南蛮船というとポルトガル人を連想するが、彼らは平戸か長崎にしか来ない。


それ以外の湊に来る南蛮船は全て明人などアジア系の密貿易船である。


小田原で北条側が勝ったという話が彼らにも入ったようで、一稼ぎしようとやってきたようだ。


戦勝側の最大の売り物は奴隷である。捕虜にした兵や野盗と化して捕らえられた敗残兵などだ。隷属の首輪こそないものの盗賊を奴隷として売却なんて異世界物っぽくて良いじゃないか。


多くの捕虜を抱えた忍城、八王子城からは多くの川舟が捕虜をピストン輸送で送ってくる。更に捕虜に紛れて歩き巫女3名が女捕虜として売られていった。


明語も堪能な彼女らであれば密貿易船の海賊などたちどころに籠絡してくれることだろう。


時間は掛かるが、徐々に徐々に他の密貿易船も篭絡し、倭寇とも言われている彼ら海賊共に北条札を掴ませ、最終的に連中を北条経済圏に取り込むことが目標だ。


彼らが売ろうとしたのはやはり硝石、偽銀プラチナである。


偽銀は偽物であることを指摘し、引き取ってやるから今後もあるだけ持ってこいと伝えた。但し、代金は以前の100分の1である。


また、南蛮船の中で面白い物を見つけた。壊れたカルバリン砲だ。


元々艦砲だったのだろう。錆びついたまま船に備え付けられたままだ。


カルバリン砲や小型のデミカルバリン砲の新品であれば買うから持ってくるように言った。


その他には特に買いたい物は見当たらなかった。農産品・家畜などは載ってない、砂糖もない。バナナは海賊が自分達用に持っているのがあったが、買っても日本では例え八丈島でも栽培は難しいだろう。


ご隠居様や重臣達は俺を信じてくれ、役立ちそうなものはなんでも買えと言ってくれたのだが、どうしても現代人の目で品物見てしまうのであまり欲しい物がないんだよね。


不思議だったのが、海賊共がやたら生糸、絹製品、ビードロを売り込んでくることだった。日本では良く売れるらしいが、本当だろうか?シルクなんて日本でも作ってそうだけど、今度、良く調べてみよう。それに、ビードロ(ガラス)がそんなに売れるなら北条の特産品になるのでは。伊豆に硅石鉱山あるし。

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