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落ち武者・歴史は知らない理系リーマン、化学チートで戦国を駆ける   作者: ディエゴ
第一章 包囲されたはじめての街
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1590年6月9日・小田原城内風魔館

重伍から作戦の成功の報が届いたのは8日から日をまたいだ深夜0時過ぎだった。


俺の考えた方法では、丘上から早雲寺全体に硫化水素を撒いて仕留めるつもりで、その為に大甕何杯もの採集を依頼していたのだが、重伍はなんと大甕たった三つ程で、ピンポイントで茶室を襲撃目的を達してしまったそうだ。


既に、早雲寺の守備兵からはぎ取った装備を身に着けた風魔の者達が、包囲各陣に先ぶれとして向かっているという。


これは、事前に取り決めてあった作戦の一部である。


というのは、包囲軍は、いずれも城下から先方陣でも500メートル程の処に陣を敷いており、新型炮烙玉ダイナマイトの射程からやや外れた場所にあったのだ。


なので、鬼煙作戦成功後は、猿長勅命で陣を前面に出し、小田原を急襲せよとの偽命令を出させることにしたのである。


理由は、”奥羽から来た伊達に我が軍(猿軍)の武威を知らしめ、完全に服従させるため”とした。


先ずは、日頃から懇意にしてもらっている氏照さんに報告しに雄二と共に出向く。


深夜の来訪に驚く氏照だったが、猿、猿子、狸、藤が死亡確実の報に狂喜した。


『付いてまいれ!ご隠居様、御屋形様の処にいくぞ!』


氏照が守備する早川口から、氏政、氏直のいる内曲輪まではそこそこの距離だが、氏照は早馬を使って駆け込んでいく。


雄二と共に後を追い、ご隠居様、親方様に同様の報告をしたところ、もの凄く驚かれ、同時にとても喜んでくれた。


正直、風魔一族だけで勝手に計画し実施した作戦だったから、お叱りがあるかと覚悟していたが杞憂だった。また、初めて聞いたらしい早雲寺の状態(先代の墓石が壊されてた等)に大いに憤ってもいた。


そして、包囲軍の侵攻について、これは新型炮烙玉の射程に誘き出すための策略だから、城内からは決して迎撃に出ないよう守備兵に徹底してもらうようお願いし辞去した。


さて、小田原城の守備体制は、


西側


早川口・北条氏照隊(バリスタ4器、新型炮烙玉130個、大筒2門)


板橋口・松田憲秀隊(バリスタ4器、新型炮烙玉130個、大筒2門)


水尾口・ご隠居様隊(バリスタ4器、新型炮烙玉130個、大筒2門)


北側


久野口・北条氏光隊(バリスタ3器、新型炮烙玉100個、大筒2門)


井細田口・北条氏房隊(バリスタ3器、新型炮烙玉100個、大筒2門)


東側


渋取口・山角主計頭隊(バリスタ3器、新型炮烙玉100個、大筒2門)


笹曲輪・山角康定隊(バリスタ4器、新型炮烙玉130個、大筒2門)


高井楼・山角定勝隊(バリスタ3器、新型炮烙玉100個、大筒2門)


といった陣容である。


あとは敵が近づいてくるのを待つのみだ。


(史実での小田原陥落まで、あと27日)


下記は小田原城内にある案内版「小田原城と小田原合戦攻防図」の布陣図です。

既に秀吉が石垣山城に布陣していることから開城間際の図でしょうか?

他にも毛利文書「小田原陣仕寄陣取図」では最右翼にいる長曾我部軍の右に加藤軍がいたり、本作時点とは微妙に位置が変わっている陣がありますが、全体を俯瞰して見るには眺めるには良いかと思います。

挿絵(By みてみん)

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― 新着の感想 ―
[良い点] 50話まで読ませていただきました。小田原攻め猿軍団との決戦、これからの展開にワクワクします。有難うございます。 [一言] 取り急ぎ連投となってしまいました。 「w」の件について「(笑)」へ…
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