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落ち武者・歴史は知らない理系リーマン、化学チートで戦国を駆ける   作者: ディエゴ
第一章 包囲されたはじめての街
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1590年6月1日・完成したチート武器達

本作はフィクションであり、作中に登場する技術、およびその効果は全て架空の物です。

もし戦国時代にタイムスリップしても決して真似しないで下さい。

月が替わり、今日から水無月であるが、小田原界隈はいつもと変わらぬ包囲戦の様相を呈していた。


無論、孝太郎の魔法習得などできていない。


だが、孝太郎が仕掛けた数々の施策はほぼ完成の域に達していた。


以下、孝太郎視点。


1.鬼脇谷で採取していた鬼煙(硫化水素)は甕50個約5000リットルを確保し弁天洞窟に運び込まれている。


2.城内にある大筒20門への竜掘り(ライフリング)も完了済である。


また鋳物師・治郎右衛門達の奮闘で大筒に使用する弾も一度鋳潰して丸弾からどんぐりの実のような流線形の形に変更した。形を変えたことで鉛が足りなくなったので、不足した弾は銅で製造した。


3.新型種子島エアガンは70丁ほど製造できた。銅弾も充分用意できたようだ。驚いたのはボルトアクション式の銃が5丁程完成していたことだ。


バネについては鯨の髭を使用すると効果は高いが損耗が激しいとのことで、結局、従来の真鍮製を使用することになった。


4.新型炮烙玉ダイナマイトは丁助らの頑張りで事故もなく、およそ1000個用意できた。


硝酸エステルの容器の上に将棋盤のような枠を置き、等間隔に細長に練った珪藻土を並べていったので安定して大量生産できたのだという。


とはいっても、現代のダイナマイトと比べれば長さも短く、威力は大分劣ることだろうが、それでもこの時代では有り得ないチート武器となる筈だ。ちゃんと爆発すれば。


気がかりは威力の大きさを考慮して試射実験が出来なかったことである。試射用地の確保が難しいというのもあるが、爆発音が敵に気づかれ警戒されるのが一番心配だった。


陣を遠ざけられ当たらなくなったら折角の苦労が水の泡となるのである。


5.射出機バリスタは木工師・細工師・弓師達が本当に頑張ってくれた。


俺が示した情報から進化させた、最もオリジナリティのある武器といえるだろう。


弓の部分は従来のひご弓の構造だが内部をひごではなく鯨の腱を使用した。


弦は従来の弓同様に麻紐である。


爆発物を投擲することから射出不良は大惨事を招くとのことで硝酸エステルに浸す前の実物大の細長く練った珪藻土を使用して、試射を繰り返し弓の長さ強さを何度も何度も調整したそうだ。


弓術の遠矢に着想を得て、制作したとのことだったが、難しくて俺には良くわからなかった。だが、先端に付ける新型崩落玉と矢部分の太さを調整し、重心が矢の真ん中後方にくるようにし、飛距離を稼げるようにしたとのことだ。


後は弦を何処まで引くかで距離がわかるよう目盛りまで付いていた。


これで、200mから500mまでは射程を変えられる。


ただし、400m以上となると風の影響も強く受けるので実際に届くかは運次第との事だった。


そして、この和風バリスタが計30器完成しているのである。勿論、予備の部品も潤沢に用意されている。


これを外郭土塁の内に設置し雨除けの東屋でも建設して使用すれば、大きな戦力になるだろう。


(史実での小田原陥落まで、あと35日)

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