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落ち武者・歴史は知らない理系リーマン、化学チートで戦国を駆ける   作者: ディエゴ
第一章 包囲されたはじめての街
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魔法習得?

「ファイアーボール」


「ウインドカッター」


しーーーーーーーん


全く、魔法が発動しない。そうだ、詠唱だ!と気が付いたが、さすがに孝太郎も、詠唱の文言を正確に暗記しているわけではなかった。


なので、朧げな記憶から、詠唱らしき文言を唱えてみる。


「我が名は孝太郎、火の精霊よ顕現せよ。我に力を貸したもう。ファイアーボール!!」


力強く右手を突き出すが、


しーーーーーーーん


やはり何も起きない。


一方、この光景をそっと見守る数名の女性がいた。

『ねえ、お頭どうしちゃったの?』

『あたしにもわからないわ。さっきの南蛮言葉だったよね?』

『うーん、あたしは伴天連の言葉も操れるけど、あんなのは聞いたこともないわよ』

『まあ、お頭はこの半年物凄く忙しかったから、色々あるのでしょう。って雄二様も言ってたでしょ。暫くは見守っていきましょう。』

『そうね、そろそろ、朝食にお呼びしないと』

『お頭、朝食のご用意が出来ました。どうぞお部屋の方へ』


夕(昨日寝室で待機していた近習の女性)に呼ばれ、孝太郎は我に返った。

どうやら、俺はこの家では家長であり、”お頭”と呼ばれているらしいのである。

今日は、弟・雄二は仕事があるとかで早朝から出かけて行った。


そのかわり、身の回りの世話は夕がしてくれるとのことだったので、街の案内を頼むつもりでいた。その前に魔法を習得したかったが・・・


さて、朝食であるが、昨夜の夕食でも感じた事だが、とにかく質素である。

古代米の黒米(子供のころ祖母が作ってくれたご飯に入っていたので覚えていた)と麦と他雑穀の混ぜ飯

太刀魚かな?細長い焼き魚。

大根の漬物に梅干し。

汁は具が海苔だけの塩汁 である。


家長でこの献立なのだから、家人はもっと質素なのだろうなと思いながら朝食をすませる。


やがて、朝の炊事を済ませた夕がやってきた。今日は街を案内してもらうが、夕には雄二から、俺が記憶喪失気味であるので質問されたら何でも答えるように言い渡されているようだ。これは助かる。


そんなわけで歩き始めたのだが、この街、どうも俺の知ってる異世界の街とは違和感があるのだ。


まず第一に家が皆木造である。第二に石畳がない。中世ヨーロッパのムードゼロなのである。

異世界の街といえば、中世ヨーロッパと串焼き屋台だろ!と毒づきたくなる。

勿論、串焼き屋台もない。


「なあ、夕、この街には冒険者ギルドはあるのかい?」


『ボウケンシャギルド?でございますか?はて、きいたことございませんが・・・』

『もしや、南蛮人の商館のことですか?でしたら堺まで行かないとないと思います』


どうやら、冒険者ギルドって言葉自体通じないらしい。

なんか、妙な雰囲気になったので話題を変えることにした。


「そういえば、猿人族達ってどの辺りまで迫ってきてるんだい?」


『はい、猿どもは先日来箱根山に陣をしいてるそうです』


「ハコネヤマ?」


『ええ。あそこに小さく軍旗がみえませんか?あそこが箱根山でございます』


夕の指差した方向の山々い目を向け、俺は唖然とした。


何故なら、小さく見える旗の山の向こうに、凛々しく霊峰・富士山が聳え立っていたからだ!

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