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落ち武者・歴史は知らない理系リーマン、化学チートで戦国を駆ける   作者: ディエゴ
第一章 包囲されたはじめての街
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情報収集

気が付いたら、薄暗い畳の部屋に寝ていた。一応布団に寝かされていたが、物凄く背中が痛いヘルニアになりそう。それもそのはず敷布団は筵に麻布をかけただけ、掛けてある毛布は獣の皮を縫い合わせた皮シートだった。


急に障子が開き、女性が一人出て行った。どうやら、俺を心配して付き添ってくれてた女性がいたようだ。

さて、未だ新幹線の車中に戻れていないということで、現在、自分の身に起きている事と本気で向き合うことにした。


可能性としては二つ。


一つは、何らかの理由で自分が異世界に転移してしまったこと。

もう一つは、これが自分の見ている明晰夢である可能性だ。


間違いなくこの二つのうちどちらかだが、それは、今後、この世界を関わっていくことでクリアになっていく筈だ。


まずは、この世界と現在の自分(正確には自分の意識が宿っているこの体)の事を知らなければならない。こういう時に、よく使われるのが”記憶喪失を装う”という手段だ。上手くいくか分からないが、他に方法が見つらない以上、この手で行くしかない。


『兄者、気が付いたか!』


さっきの弟君がちょうどやってきた。数多の異世界物を読んできた経験を駆使し、”弟”から情報をゲットしよう。これが最初のクエストだ!


「あぁ、先ほど目が覚めた。ただ、疲労のせいか、記憶がちょっと混濁していてな」


『それは、そうだろう。兄者は昨年後半から働きすぎだったからな。皆心配しておった。特に堺から長崎に向かうと文が来たときは、本当に驚いたぞ』


「サカイ?」


『そこも覚えてないか?堺で買い付けると敵にバレて品物差し止められるかもしれないから、長崎まで行って、密貿易船をあたってみるって書いてあったが』


「そうだったか」


『うむ、昨日の朝、密貿易の南蛮船連れて下田に帰ってきた時は、本当に安堵したぞ。しかし、殆ど休憩も取らず、評定に参内してしまうんだから、あぁなっても仕方がない。そもそも、我ら忍びは普通は評定には出ないのだから、断ればよかったのに・・』


「それは心配かけたな。では今日はゆっくり安ませてもらうとしよう。しかし、俺が記憶喪失気味なのは、今の状況からしてまずいだろう。現状をそなたの方から話してもらえんかな?我が舎弟よ」


『は?我が舎弟ってなんだよその呼び方は。いつものように雄二って呼んでくれよ。もしかして俺の名前まで忘れちまったのかい?こりゃあ重症だ。いいぜ、一通り話してやる。それで兄者も色々思い出すだろうからな』


弟・雄二の話でわかったことは、

ここはオダーラという名前の城壁に囲われた街だということ。

(城壁に囲われた街。異世界の定番の一つだね。冒険者ギルドもあるのだろうか?)


もう一つ重要な事は、西方から猿人族をリーダーとする獣人族の連合軍が攻めてきていて、一部はもう包囲され始めていること。獣人側の兵力はおよそ20万の大軍になりそうなことだった。


始まりの街が、いきなり20万の敵に包囲されるってハードモード過ぎるだろ!

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― 新着の感想 ―
[良い点] 下田・・オダーラ・・猿人・・(平行世界かな?)・・大軍・・(猿の小田原攻めか!!) 思わず爆笑してしまいました。 今後がとても楽しみです。 [一言] 実はこの作品を拝読したのは二度目とな…
[良い点] まだ導入部しか読み進めていませんが、これから面白くなっていく予感を感じさせる良い出だしだと思います [気になる点] 文中に使われる顔文字や笑いを表す「w」の表記が、もったいないなあと感じま…
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