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元奴隷達

東アフリカ都市国家群への調略開始への差配を終え、モンバサを出たスワ王国一行と新たに加わった元奴隷達を加えて、内陸のサバンナ地帯に向かった、暑かったモンバサから過ごしやすいキリマンジャロの麓まで行き野営を張った。キリマンジャロ周辺には湖が点在しマラリア対策の忌蚊煙を焚いておけば水には困らないので便利である。大型獣、とりわけ獰猛な河馬が多くいるが、流石に500頭の雄象の前には彼らも手を出して来なかった。


改めて、再開の挨拶と自己紹介をし、各々の辿った境遇を語る。


先ずはスワ王国から、


・”トノ”諏訪勝頼、”タロ”武田信勝を頂点とする王国であり、広大なアフリカの南の大半を領有している。


・領内のアフリカンもスワ王国の領民として其々の伝統に沿った生活をしている。


・金、銅、鉄などの鉱石も採掘している。


・南部では農耕に適した土地もあり稲作も行われている


・主な臣下に、”イデ”明智光秀、光秀の息子”ゴロ”明智十五郎光慶、光秀の家臣”サカ”酒井氏武、元織田家臣の”ウン”森蘭丸、”ドイス”森棒丸、”トレス”森力丸の森三兄弟。加えて”コガ”甲賀の忍び衆、”サイカ”雑賀鉄砲衆がいる。


課題として、


・アフリカは広大で豊かな地だが火薬だけは自前で製造できず、交易頼りである。


・もう一つの課題は領土が急拡大したので北部には拠点となる砦などがないこと。


の2点を挙げた。


続いて元奴隷達の挨拶とアフリカ到達までの経緯が語られる。


高遠城勢の4名は第168話にて経緯を記載したので省略する(作者)


・尼子勝久:山中鹿介幸盛に擁立され尼子家再興の将として織田家に仕え羽柴軍に加わったが、1578年守備を任された上月城を毛利に落とされ自害する直前、且つての尼子の忍び鉢屋に幸盛と共に救われ平戸に向かい南蛮船で密航した。途中で密航がバレて鉢屋は抵抗して死亡、勝久と幸盛は奴隷としてモンバサまで連行され砦建設させられていた。


・山中鹿助幸盛:主君・尼子勝久と同じ境遇


南蛮船に乗ったのは例え織田家や他の大名家に仕えても大名としての尼子復興はもう無理だと判断した為という。


尚、2人と仁科信盛一行が出会ったのはゴアで船を乗り換えた際、ジャポニス奴隷として一括りにされた時だと言う。


・松平信康:1579年、父・家康の同盟者である織田信長から自害を命じられたが、家康の密命を受けた伊賀者・服部半蔵により影武者とすり替えられ、伊賀者の手引きで平戸に逃げ南蛮船に乗った。当初は客扱いだったが、従者が誰もいない状態でやがてポルトガル人からの扱いが悪くなり最後は奴隷に落とされ、モンバサの砦建設をさせられていた。仁科や尼子に出会ったのはモンバサだという。


3人とも且つて権勢を振るった大大名・武田家の衰退は仁科らから聞いていたが、当主・勝頼がアフリカで健在なのを知って一様に驚いていた。更に信康は自分に自害を命じた織田信長が討たれたと知って一層驚いていた。その上、信長を討った明智光秀も羽柴秀吉に討たれアフリカに落ち延びていると知って、もう理解が追い付かないようだった。尼子の2人も一時期自分達が所属していた羽柴軍が今や日本の天下人だと知って大いに驚いていた。


元日本人奴隷の武将については以上だが、他に保護したアジア人奴隷は明人、チャンパ人、アチェ人、クメール人など総勢100名である。


変わり種はズィンバ族が館で慰み者にしていた白人・ユダヤ人女性2名である。彼女らはオスマン朝とポルトガルが交戦した際にポルトガルに捕らえられ、その後ズィンバ族に与えられた奴隷とのことで、スワヒリ語、アラビア語のトリプリンガルだがポルトガル語は全く話せない。今回加わった日本人武将はスワヒリ語、ポルトガル語のトリプリンガルなので彼らを通して話をした。スワ王国では他にもスワヒリ語を話す者がいるし、スワ王国領民となって徐々に日本語を覚えて行って欲しい旨伝えた。合わせてオスマン朝領内から呼び寄せたい家族がいるか問うたが、オスマン朝時代も彼女らは奴隷同然であり家族は当に殺されていて呼び寄せたい人などいないとのことだった。

死んだはずの武将が次々とアフリカで蘇っていきます。もはや、奴隷編というよりアンデット編という感じになってきました。


スワ王国領のアフリカ中南部と同縮尺の日本

挿絵(By みてみん)

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― 新着の感想 ―
[一言] ・良い地図です!こうして日本とアフリカを比べるとやはりアフリカの広大さが実感できますね。 ・アンデッド編って(笑)。ジャンルが変わりそうですがそれはそれで面白いかも。アフリカが舞台だと気温…
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