東アフリカ都市国家群
東アフリカの海岸線はモンバサを始め多くの都市国家が存在する。
主な都市は、キルワ、ザンジバル、ペンバ、モンバサ、マリンディ、ラム、パテ、バラワ、モガジシオであり、モガジシオ以外は何れもポルトガルの支配下に入っている。また、その多くが大陸の沿岸に浮かぶ島が都市となっている。そして、其々がライバルであり、モンバサがポルトガルに反抗的だったのに対し、隣のマリンディは沿岸部随一の親ポルトガル国家だ。
というのが、訪れたスワヒリ商人の説明だった。
また、オスマン朝の海軍支援については、オスマン朝は先頃の戦いでモンバサを救援に艦隊を派遣したがポルトガル軍に敗退しており、更なる艦隊の派遣は難しいだろうとの事だった。
ただマリンディ以外はポルトガルに対しては面従腹背の姿勢であり、モンバサとの交易を拒むことはないだろうとも言っていた。
これを受けてスワ王国としては、
・モンバサはユースフをスルタン(王)として復興させるが、ポルトガル艦隊が来たら抵抗せず降伏しポルトガルの支配に表向き協力する。
・金、象牙など主要交易品はスワ王国がモンバサを通してスワヒリ商人に優先的に降ろし、スワヒリ商人はモンバサ復興に全面的に協力する。
・ズィンバ族はモンバサが独力で追い払った事にする。
・ポルトガル人スペイン人の建築家やアジア人奴隷はズィンバ族が逃げるときに連れて行ったことにする。
・砦にあった大砲と火薬もズィンバ族が持ち去った事にする。
・モンバサはポルトガルに対して、復興を加速させるためと理由付けし、働きぶりの良いジャポニス奴隷の優先的配備を求める。
・マリンディ以外の都市国家についてもスワ王国と交易を望む所がないかスワヒリ商人が秘密裏に調査する。このためスワ王国から”モンド”と”コガ”の出で近江商人の経験もある”エビス””ダイコク””ベンテン”が当面の間彼らに同行する。
以上についてスワ王国の”トノ”、モンバサのスルタン(王)ユースフ、スワヒリ商人代表モハメド・アリの三者に合意した。モハメド・アリはスワヒリ商人であるがイエメンのアデンを拠点とするアラブ人の商人でこの地域では大手の商人だそうである。
これから、スワ王国による東アフリカ都市国家群への調略が静かにしかし確実に浸透していくのである。




