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トルワ王国征服

スワ王国の領土は現在の地理でいえば、モザンビーク中部、マラウィ南部、ザンビア南部、ジンバブエの南西部以外に当たる。そして、ジンバブエ南西部にあるトルワ王国を取れば、南は山岳地帯、西は砂漠地帯となり、必然的にトルワ王国を屈服させる事が当面の安全保障上の目標となった。


スワ王国建国から一年、象牙の激減に訝りつつもポルトガル人は商館の公印があるので通商を続けていた。


そして、高原地帯を取ったことで戦象は1000頭という途方もない数になった。彼らが食べる草木の葉はもはや自然破壊レベルである。


だが、広大な牛の放牧地でもあるトルワ王国の地は戦象の使役の意味でも価値のある場所だった。しかも、広大なスワ王国以上に金を産する地でもあったのだ。


高原を疾駆する1000頭の戦象!まるで自分の餌場がある事を知っているかのようだ。既に種子島の轟音にも適応した彼らの馬上、いや象上には雑賀衆および彼らの指導を受け適性の高かった旧モノマトパ王国民の戦象鉄砲隊300騎いや300頭か、それに槍弓を持った”トノ””タロ”率いる武田戦象隊。彼らは赤茶けた土で染めた布を纏っており”赤備え”と呼ばれた。


トルワ王国の首都カミは石造りの壁で囲まれた要塞都市だったが、象の突進と種子島の威力には耐えられなかった。この地の石造りはモルタルも何もなくただ石を積み重ねただけだったのである。首都カミに続いて東に100キロ程の位置にある同国第二の都市ダナンゴンベも陥落した。こうしてトルワ王以下王族は全員処刑。国民にはこの地がスワ王国になったことと、新たな王”トノ”が君臨したことを口伝で伝えさせた。また、民には従来通りの暮らしを保証した。


こうしてスワ王国は戦象の餌場と新たな金を得たのである。更にトルワ王国の版図はリンポポ川対岸にまで達しており、南部の山脈の麓は緑豊かで鉱石も象も多くいた。そこは日本人にとっては今まで通って来たアフリカ内で最も日本の気候に近い地域であった。


その山脈の更に南は広大な草原、高原、湖、中には雪を頂いた山脈もあった。その広大な土地に人は殆ど住んでおらず、僅かに半遊牧民のサン人、コイコイ人、農耕を行うバントゥー人らが住んでいた。豊かなアフリカの大地の恵みを得て牧歌的な生活を送る彼らには民族、国という概念自体がなくスワ王国の戦象部隊は縦横無尽に大地を駆けてゆく。この広大な土地をスワ王国が支配するのに2年も掛からなかった。元々いたサン人、コイコイ人、バントゥー人には従来通りの生活が認めらた。また、彼らには国自体がなかったので人質も採らず納税も免除された。その代わり、スワ王国民による地質調査、象など使役獣の放牧を認めさせた。また、相互の会話に便利なように日本語を覚えるよう通達した。


こうして、トルワ王国南部から喜望峰に至るアフリカ南部の豊かで広大な土地はスワ王国の領土となった。


挿絵(By みてみん)

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― 新着の感想 ―
[良い点] 地図ありがとうございます。やっとどの辺りの話かわかりました。
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