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1592年3月15日 上条植え

内政編、つまらないですかね?ブックマークも評価ポイントも増えなくなってしまいました(>_<)

北条家の大評定は5月と11月年二回小田原城で開かれる。


参加するのは、ご隠居様、氏照さん、氏邦さん、氏房さん、氏忠さん、氏勝さん、氏盛君、そして俺である。将軍の親方様は流石に参加しないので、評定録を作成し氏盛君が毎回都に届けている。


話は、昨年5月の大評定に始まる。技開家老として農業の事でいくつか改善したいと提案した時のことだ。


要約すれば、

1稲作は水田に直に種まきせず、発芽して成長した稲を等間隔に田に植えていくべき。

2木炭生産時の蒸気を冷やし木酢液として殺虫剤として使用すべき。

3蛇は益獣であるから殺さず追い払うべき。

の三点である。


このうち、種まきについては参加者も訝しんでいた。農家であれば普通は田植えはするそうだ。だが、戦乱が多かったこの時代。自分の働き場を追われた者、逆に耕す人を失い耕作放棄地となった農地なども結構あるという。そういった土地に元は狩猟や漁業をやっていた者が入り素人農業を始めるケースはあり得るとのことだった。


そこで、俺が房総で実施した戸籍の作成を紹介し、領内各戸の人数・性別・年齢などを把握し、合わせて職歴も記録、現職に不慣れであれば近場の集落を紹介し手ほどきを受けるよう手配しては?と提案した。


また、その戸籍を元に、

結婚斡旋所の設立。

読み書きと算術を教える塾の設立。

盲、聾唖など、現代でいう障害者へも塾に通わせ知識を覚えさせること。

戦や仕事などで、傷を負い今までの仕事が出来なくなった者へも適職を斡旋すること。

双子などが誕生したら吉兆として祝い。年貢軽減する。

等を提案した。


言うまでもなく、これらは労働人口の確保が狙いである。

皆、興味深げに聞いていたが、中でも氏照さんが熱心で早速、領内戸籍を作成し、各地に塾を設立したそうだ。

そして、11月の大評定の席でその氏照さんから、嬉しい報告が上がったのだ。

この話の主は一人の名主の家の少年で生まれつき目が見えない子だったという。


氏照さんが開いた塾に彼も妹と一緒に通いだした。

盲の彼は文字の授業を免除され、代わりに記憶力向上とか雑学の授業を受けていたという。その中に農業もあり、田植えは可能な限り等間隔に均等に植えるが良い。と教わったそうだ。

それを知った彼は、普段、農業を手伝ってる妹に田植えについて尋ねたが、均等に植えようとしても疲れるばかりでなかなか上手くいかないと聞いた。

そこで、自分でも役に立てないかと考えた結果、木の棒を縦横に組み将棋盤のマス目ような手で持ち運べる組枠を作り、その枠内に植えていく方法を思い付いたという。

少年は最初これを父親に話したが、子供が仕事に口出しすんな!と怒鳴られて相手にされなかった。

それでもあきらめきれない彼は、妹に代筆を頼み、そのアイデアを書き、目安箱に投函した。


それが、氏照さん配下の奉行の目に留まり、有用と判断され木枠の制作が始まった。そして出来た木枠を用いて田植え作業のシミュレーションをいくつかの農家にやらせてみた所、従来では考えられない程、均等に植えられることが判明した。


喜んだ氏照さんは木枠を大量発注し、今年の田植えには領内に正式導入することにした。

また、この発明をした少年には越後の名家で跡取り不在となっている上条じょうじょう性を与えたという。

盲の少年が半年足らずで苗字付きの主になったのである。

氏照領である越後・上野・東越中ではこの話は瞬く間に広まり、盲など障害を持った者は塾で知恵を身に付ければ発明家になれる!との噂で持ちきりだそうだ。

この木枠を使った田植え方法は彼の名を取って、”上条植え”(じょうじょううえ)と名付けられた。


俺もこの話を聞いた時はとても嬉しかった。障害者の社会参加をなんとか実現できないかと思っていただけに、早速結果を出してくれた上条君には会って抱き着きたいくらいだった。

というわけで、下総の一部、佐渡、南伊勢等、稲作をやっている自領内にも上条植えを教え木枠の制作を指示した。以前、氏郷は南伊勢ではあまり米が取れないと言っていたので、とても期待しているようだった。それに、この上条植えは畑作にも使える。何事も均等に植えられたら一番だからね。というわけで、今春は農業が楽しみである。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 内容は面白いですよ。 [気になる点] ただし、執筆ネタのメモを並べただけで、内政が進む時のワクワク感が全くないんですよね。
[一言] 視覚障害者(全盲ではない)が通りますよ 自分は新しい事をするのはシンドイんですよ どーにも覚えられねーんすよね なろうはテキスト読み上げアプリで「聞いて」ますw
[良い点] 内政編の方が、チート知識の活用なので、読んでいて面白いのだけど。ここはもう少し気長に待ちましょう。
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