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落ち武者・歴史は知らない理系リーマン、化学チートで戦国を駆ける   作者: ディエゴ
第一章 包囲されたはじめての街
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転生したら盗賊だった件?

『コータロードノ、コータロードノ』


知らない声に起こされると、そこは新幹線の車内ではなかった。


俺、風間孝太郎は広島県呉市の勤務地から年末帰省で東京行きの新幹線に乗っていた筈なのだが・・


隙間風絶え間ない安普請の掘っ建て小屋だった。いや広さはそこそこあるから小屋ではないが、それにして簡素な広間である。


更に、そこに居る面々が凄まじい。上座らしき所に座っている小太りの男はオークか?隣の青白い顔した細面の男は吸血鬼?自分と同様下座に座っている面々も酷く見すぼらしい恰好をしている。


いや、よく見ると上座の男はオークではない。オークならある筈の牙が生えていないのだ。するとあの男は人間だろうか?よく見ると他の面々も牙も角もないから人族のようだ。


この感じは人族の盗賊?そんな気がよぎった。


異世界に行った人は大抵、盗賊に襲われている現地人を助けて感謝され異世界に入りこんでいくものだが、自分はその盗賊の仲間として異世界にきてしまったのだろうか?

そもそもここは異世界なのか?だとしたらどうやってここにやってきたのだ?自分は新幹線に乗っていた筈、静岡・三島を通過したあたりは覚えているがあとはトンネルに入ったあたりまでしか記憶がない。


まず、異世界召喚はありえない。もし、召喚なら「やった、成功だ!」とかいう召喚者が迎えてくれる筈だが、ここにはそんな存在は誰もいない。


次に、異世界転生だが、これもありえない。自分が新幹線車中で突然死したとも思えないし、転生なら大抵乳児からスタートするのが普通である。


前世の記憶が蘇った?これも考え難い。自分の現代日本での25年間が前世とはとても思えないし、第一、この世界で暮らした記憶が全くないのである。


いやいや、何、冷静に分析してんだよ俺?!!


『コータロードノ?』


また、呼ばれた。


『アニジャ、ダイジョウブか?』 今度は後ろから声がかかった。


聞き取りにくいが、「兄者、大丈夫か?」と言われたらしい。


『兄者、代ろうか?』 弟らしきその男にそう言われ反射的に


「あぁ、頼む」 と答えてしまった。


”弟”は、『兄は疲労激しく、申し訳ありませんが、某が代わりに説明いたします。』


”弟”の淀みない説明を子守歌に俺はまた意識を手放した。

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