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第27話 食材と難度

遅くなってしまい、すみませんでした。


どうぞ、お読みください。

デイ・ノルド王国〕南部 王家直轄領 とある町 王家別邸


 僕ことエギル・フォン=パラン=ノルドは、何時もの時間に目覚め、別邸の庭において、鍛錬を行っていた。

今日、ガル叔父上とシルビア叔母上の二人と行く狩りに備えて、体を温めるためである。まず最初に座禅を組み、精神を統一し、世界に自分を同化させていき、魔力と気を体内に取り込み、取り込んだものを活性化させていく。それが、終わったら、型と魔法の稽古を行っていく。

暫くして、型と魔法の稽古を終えると、遠慮がちな声が、聞こえて来た。


「あ、あの~、殿下。御朝食の用意が、整いましたが?」


 僕は、その声を受けて、木刀と魔法杖を仕舞うと、掛け声をかけて来た人物の方へと振り返った。

そして、こう言った。


「うん、分かった。ありがとう、ミーナ。」


 僕は、そう言うとミーナは、こう返してきた。


「はい、殿下。参りましょう。」


 と言ってミーナは、僕の斜め後ろに控える、それを受けた僕は、その言葉に応じて、部屋へと戻り、ミーナに手伝ってもらいながら、身支度と着替えを済ませて、お爺様たちが待っている食堂へと向かったのであった。


 お爺様たちとの朝食を、食べ終えて、再び部屋に戻る狩りの時に着る狩猟服へと着替えると、ガル叔父上とシルビア叔母上が、待っている玄関へと向かった。

僕が、玄関に到着すると、そこには、二人以外にお婆様の姿があった。そして僕の事を確認したお婆様は、僕の方へと歩み寄ると、「はい。」と言って手に持っていた物を渡してきた。

僕は、渡された物をしげしげと観察すると、お婆様に尋ねた。


「お婆様、これ何?」


 その問いにお婆様は、こう答えた。


「それは、エギルのお弁当よ。お昼になったら食べてちょうだい。」


「ありがとうございます、お婆様。」


 僕は、そう言うと魔道具「無限収納」のにお弁当を入れると、ガル叔父上とシルビア叔母上と共に、依頼の物を狩りに行くために別邸を出発したのであった。

別邸を出てしばらく歩き、目当ての動物がいる森へとやって来た。森へと入る前、ガル叔父上は、依頼書を取り出し、改めて今回の依頼の内容を教えてくれた。


「いいか、エギル。今回の依頼は、レストラン『カーベスラトリア』のオーナーシェフからのモノだ。求めているのは、ロードホーンディアーのヒレ肉とロース肉とキングボアのもも肉と骨だ。そして注意事項として臭みがない事と新鮮であることだ。分かったな?」


 僕は、それを聞いて改めて難易度の高い依頼だなと思ったのであった。そしてガル叔父上にこう質問した。


「叔父上、この2匹をどういう生き物なの?」


 その問いに対して叔父上は、こう解答した。


「この2匹は、そうそう捕まえられる動物じゃない。そもそも数が少ないと警戒心が、他の動物たちよりも異様に強い。そして敵だと認識したら容赦なく襲ってくる獰猛生も持ち合わせている。だが、非常に特徴的な外見をしている事で知られている動物だ。」


 そう言ってガル叔父上は、服のポケットから少し古びた手帳を取り出して、開くとページをめくり、目的の情報を見つけると僕に見せて来た。

そこには、2匹の姿と外見の特徴ととある習性が書かれていた。


『ロードホーンディアーは、全身を長い毛で覆い、頭にはその名の由来となった非常に長い角を持っている。そしてその角を木に擦り付け、木に特有の傷を付けることにより、縄張りを主張する習性がある。』


『キングボアは、その名の由来になった金色に見える毛を持っている。その毛は、非常に硬く、手で触ると大けがをするほど鋭い。特有の習性は、その硬く鋭い毛を木や地面に擦り付け、縄張りを主張するというものである。』


 メモを見終えた僕は、2匹の特徴を記憶し、装備の確認を開始した。そしてその最中に叔父上に再度質問をした。


「叔父上、じゃあ、この2匹どうやって仕留めるの?」


 叔父上は、その問いにこう答えた。


「エギル、動物の肉が臭みを出さないようにするには、2つの方法を一緒に行わなければならない。一つ目は、脳を打ち抜いて、即死させる事、2つ目は、逃げられない事だ。動物は、逃げると筋肉に負担がかかって疲れてくる。この疲れている時に即死をさせたとしても、臭みの原因になるだ。だからこそ、逃がすことなく一発で仕留める。これが今回この2匹の獲物を狩る鉄則だ。分かったな。」


 僕は、それを聞いて「はい。」と言うと、弓矢の点検を終え、背中に背負い、ガル叔父上とシルビア叔母上から3歳の誕生日に貰ったナイフを点検し、腰のベルトに装着した。そして叔父上たちも準備が整い、僕たちは、森へと歩を進めることにしたのであった。


「では、出発するぞ。エギル、シルビア。」


 ガル叔父上が、そう言うと、シルビア叔母上は、こう返答した。


「ええ、行きましょう、ガル。」


 そして僕は、こう答えた。


「はい、叔父上。行きましょう。」


 そう言って僕たちは、森へと入ったのであった。


お読みいただきまして、ありがとうございました。

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