第24話 演習と会談
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〔デイ・ノルド王国〕中央部南側 王国海兵隊基地〔ハーベリス湖湖畔基地〕
僕ことエギル・フォン=パラン=ノルドは、この基地で行われる演習を視察する為、馬車に乗ってやって来ていた。
現在は、この基地の司令官である、ドニラブルズ少将から、今回行われる演習の概要について説明を受けていた。
「と言う様に、本演習の目的は、敵拠点に素早く上陸し、迅速に制圧を行い、防衛を行う準備を整え、防衛を行う練度を上げる事であります。本官からは、以上です。エギル殿下。何かご質問はありますか?」
少将が、説明を終え僕に質問は、有るかと尋ねて来た。僕は、疑問に思っていたことが有ったので、それを質問した。
「少将、今回の演習では、海軍の船からの砲撃は無いとあったが、これでは実戦を想定していると言えないのではないか?」
それを聞かれた少将は、こう返してきた。
「はっ、確かにそうです。しかし今回の演習では、上陸をする前に航空戦力である、飛竜隊による反復攻撃を行っていきます。これが、海軍の援護砲撃の代わりとなります。」
僕は、それを聞いて「なるほど、分かった。」と言って質問を終わらせたのであった。少将は、それを確認するとこう続けた。
「では、殿下。観閲席の用意が整いましたので、ご案内申し上げます。」
そう言われて僕は、席を立ち、部屋を後にして、少将の案内に従いながら、演習場が一望できる場所に設置された観閲席にやって来た。
その場所からは、演習場である湖と上陸する砂浜が良く見え、兵士たちの動きが、俯瞰的に捉えられるようになっていた。
そしてその観閲席の隣にもう一つ席が置かれていた。そしてそこには、僕よりも先に此処に来ていたデオルード・フォン・ユーリナタス公爵が座っていた。
デオルード伯父上は、僕が姿を見せると立ち上がり、礼をして僕が、席に座る様に促した。
この場では、伯父と甥では無く、王子と公爵なので、僕は、それに従って席に着いたのであった。
続いて伯父上が着席し、その後で、この場にいる士官と将官が、席に着いたのであった。
僕が、席に着いて十分後に演習が、開始された。
まず防御側を行う、簡易の魔導人形部隊が、砂浜に現れ、そして防御陣地へと向かい、配置に着いた。
そして攻撃側の海兵隊員たちを乗せた強襲揚陸艦と呼ばれる海軍の船が、湖の一定の場所に到着し、その船の甲板に止まっていた飛竜隊が飛翔し、防御側が陣取っている砂浜へと向かった。
防御側は、対空魔導機関銃などの対空装備を駆使し、迎撃を行い、そして攻撃側の飛竜隊も、その銃弾の雨の中を掻い潜りながら、防御陣地を的確に攻撃していた。
そしてその攻防が、数回繰り返されると、強襲揚陸艦の後方のハッチが開き、中から海兵隊員たちを乗せた、魔導式揚陸艇が出動した。
魔導式揚陸艇は、飛竜隊の援護を受けながら、船体に装備されている、魔導機関砲を発射し、防御側が、反撃できない様にしながら砂浜へと近づいて行った。
そして砂浜に五隻の魔導式揚陸艇が、進出すると、飛竜隊と船体に取り付けられた魔導機関砲の援護を受けながら、船体の前開きの扉が開いて、海兵隊員たちが飛び出してきた。彼らは、突撃をしながら前へと進んで行き、防御陣地を攻略していくと、その勢いのまま、砂浜の後方の司令部を攻略したのであった。
そして揚陸艦から追加の物資や、防御の為の魔導砲などの武器などを陸揚げして、陣地を構築し直し、防御側の逆進行に備えた。
防御が整った数十分後、再び簡易の魔導人形部隊が、現れ、海兵隊員たちを攻撃しだした。隊員たちは、陸揚げした武器などを活用し、部隊が近づいてこれないようにし、来援がやってくるのを待ったのであった。
すると演習場全体にサイレンが響き渡った。
それを受けた魔導人形部隊は、戦闘を止め、撤退していったのであった。これにて、演習は、終了したのであった。
そして僕は、演習を終えた隊員たちの所に向かい、メダルの授与などの行事を行い、隊員たちとの交流を行ったのであった。その後僕は、再び馬車に乗り、スリオウシス城へと戻ったのであった。
スリオウシス城に戻ると僕は、一旦部屋へと戻り、お湯につかり、体を綺麗にすると、新しい服を着て左肩にペリースを付けると、お爺様とガル叔父上、そしてデオルード伯父上が、待つ部屋へと向かった。
僕が、部屋に到着し、扉が閉められると、お爺様が、口を開いた。
「では、これより、東部での異変に対する対策を協議するとしようかの。」
その言葉を受けて会談が、始まったのであった。
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