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第19話 晩餐と質問

少し短いですが、どうぞ、お読みください。

 〔デイ・ノルド王国〕中央部南側 公都〔スリオス〕 公城 スリオウシス城


 僕ことエギル・フォン=パラン=ノルドは、スリオウシス城にある貴賓室の一つで、旅の疲れを癒すために仮眠を取り、その後リウム先生から授業を受け過ごしていた。


「という訳でして、王国に海兵隊が出来たのです。」


 そう言い終えると先生は、ふと壁に掛けられた時計を見て続けてこう言って来た。


「あっ、そろそろ良い時間ですね。今日の授業は、ここまでに致しましょう。」


「ありがとうございました。」


 僕は、先生に感謝を伝えると、先生は、「はい。」と言って頷き、席を立って貴賓室のドアへと向かい、次の間で控えている侍女に何かを言付けると、再び僕と共に座っていた机へと戻って来た。

すると次の間へと続く扉からノックの音が聞こえて来た。


「どうぞ。」


 僕が、そう言うと侍女がカートを押して入ってきて、こう言った。


「失礼いたします、殿下。お茶のお時間でございます。」


「うん、ありがとう。」


 僕は、そう言うと、読んでいた本を閉じて机に置き、お茶とお菓子が置かれるスペースを確保して、お茶とお菓子が置かれるのを待った。

侍女は、手早く準備を整えると僕の前に温かい紅茶とケーキを置いて、先生にも同じメニューを置いた。

僕は、侍女に「ありがとう」と感謝の言葉をかけた。侍女は、「恐れ入ります。」と言って礼をした。

そして僕とリウム先生は、紅茶とケーキを食べて、晩餐会の時間が来るまで部屋で待機をしたのであった。


「殿下、お召し替えを。」


 と、侍女に言われて壁の時計を見ると晩餐会まで後三十分になろうとしていた。僕は、読んでいた本を脇において立ち上がり、侍女が用意してくれた服に着替え、僕の紋章と王家の紋章が入ったペリースを左肩に掛けた。

そして侍女に髪を梳かしてもらい、少し待っていると次の間へと続く扉がノックされた。侍女が、誰が来たのか確かめに行き、扉を開け何かを話すと再びこちらに戻ってきて、こう告げた。


「殿下、先王陛下方が、お待ちでございます。」


「はい、今行きます。」


 僕は、そう言うと立ち上がり鏡で服装が、乱れていないかをチェックすると次の間へと続く扉から次の間へと移り、お爺様たちに合流した。

そして僕たちは、案内にやって来ていた公爵家の執事長に案内され、デオルード伯父上とミリエル伯母上が、待つ広間へと向かったのであった。


 広間に着くデオルード伯父上とミリエル伯母上が待っており、その他、二人の子供たちが顔を揃えていた。

全員が、揃いテーブルに着くとデオルード伯父上が、スプーンを持ってガラスのコップを三回鳴らした。

すると扉が開いて執事と侍女たちが入ってきて、前菜の載った皿を参加者全員の前に並べた。

そして、お爺様から順に執事長が、飲み物をコップに注いでいき、そしてデオルード伯父上のコップに注ぎ終わると、伯父上は、立ち上がり、こう言った。


「こうして、家族が、集ったことをうれしく思う。そして再びこうして集まれることと、王国と王家と公爵家、そして国民に幸があることを願って、乾杯。」


 伯父上の音頭で全員立ち上がり、「乾杯」と言って近くの人とコップを合わせて、注がれた飲み物を飲んだ。

そして席に着き、食事を開始したのであった。


 そしてしばらく食事を続けて丁度メインディッシュを食べ終えて、後は、デザートだけとなった。

僕は、ここで前から聞きたいと思っていた伯父上と伯母上の馴れ初めについてお爺様、お婆様さらに伯父上と伯母上にも質問した。

それを聞いた伯父上と伯母上の子供たちも聞いてみたいと言って来た。実は、後で聞くといとこ達は、二人の馴れ初めについてほとんど聞かされていなかったと言ったのであった。

 この質問に対して伯父上は、お爺様に何か確認を取るとこう言って来た。


「デザートを食べて終わってから、談話室でその事について話そう。」


 そう言って再びスプーンを持ってコップを叩いたのであった。そしてデザートを食べ終えて、皆で談話室へと向かうと、伯父上と伯母上が、自分たちの馴れ初めを語りだしたのであった。


お読みいただきまして、ありがとうございました。

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