第11話 壊滅と捜索
本日、2回目です。
どうぞ、お読みください。
〔デイ・ノルド王国〕東部 元〔ドルパース伯爵領〕 一の森
森の中で動いている数十人の人影が存在していた。その人影は、全員弓矢で武装しており、服装も森の中に溶け込むための物であった。
そう彼らは、狩人である。
では何故彼らは、集団でこの森へとやってきたのか?
それは彼らの仲間の狩人の死体がこの一の森に出口に転がっており、その死因を調査した代官からの報告に納得できず、仲間を殺したと思われる存在に復讐しに来たのである。
そのため彼らは、狩人としてはあり得ない大人数で、この一の森にやってきたのであった。
彼らは、三人一組となり一人が弓に矢を掛けていつでも射ることが出来るようにし、一人は上を警戒し、最後の一人は下を警戒しながら進んでいた。
そしてチーム内でもハンドサインを使いながら会話をし、当然ながら他のチームともハンドサインで会話をしながら一の森の奥へと進んでいた。
しばらく進んでいると、チームの一人が何かを発見し、ハンドサインで仲間に知らせた、仲間もそれを確認すると他のチームに対して「集まれ」のハンドサインを送り、全員が集まるのを待った。
そして散らばっていたチーム同士が集い、仲間の見つけた物を確認しだした。
「これは、ラースラビットの毛と血だな。」
と狩人の男がそう言うと、それを見た別の狩人がこう言って来た。
「と言う事は、あいつがラースラビットを仕留めたのはここってことだな。」
すると別の狩人がこう発言してきた。
「おい、ロープに付いているフックを引っ掛けた枝が、そこにあったぞ。」
それを聞いた狩人全員は、ここで獲物を仕留めたのを確信し、次に死体で発見された狩人がどちらの方向に向かったのかを確認しだした。
するとまた別の狩人が、何かを発見した。
「おい、ここの枝少し折れているぞ。後あいつの靴の足跡もくっきりと残ってる。」
それを聞いた仲間の狩人は、こう言った。
「と言う事は、あいつはここでラースラビットを仕留めてこの道を通って奥へと進んでいたってことだな。よし皆行くぞ。」
その掛け声に従い再び狩人たちは三人一組となり森の奥へと歩を進めたのであった。そしてさらに奥へと進むことになる森の分岐点に到着し、一旦休憩をしていると、一人の狩人が、人の手が加わった道を発見したのであった。
すかさず、仲間に報告が飛んだ。
「おい、皆。これ見てくれ。獣道じゃない道を発見したぞ。」
その言葉を受け、狩人たちは、その狩人が指す地面を見つめた。
「あっ、ホントだ。かなり整えられている。と言う事はあいつもこれを見つけてこの道を進んで行ったのか?」
仲間の狩人が、そう推測すると、皆それを聞いて納得した感想を言い始めた。そして狩人の一人が、こう発言した。
「よし、この道を辿ろう。もしかしたらあいつを殺した奴に出会えるかもしれない。」
それを聞いて狩人たちは、「おう。」と言って再び三人一組となるとその道を進みだしたのであった。
道を進みだして数十分が経った時、それは起こった。
ヒューン
「えっ、グフ。」
ドサ。
突然、矢が飛来し狩人の喉をに突き刺さったのであった。射られた狩人は、致命傷を負いそのままその場に倒れてしまった。
それを見た仲間の狩人は、こう叫んだ。
「木の陰に隠れろ。」
その言葉に従い狩人たちは、木の陰に隠れ矢が飛んできても危険が無いようにした。そして一人の狩人が、そっと木の陰から顔を覗かして、矢の飛んできた方向を見ると、そこには、なんと小規模ではあるが砦が建っており、そして砦の上には、弓を引き絞った兵士みたいな者たちが居たのであった。
狩人は、慌てて顔を木の陰に引っ込めるとそのすぐ後に矢が飛んできて、自分がさっき顔を出していた部分に突き刺さったのであった。
狩人は、ここにいるのは危険と判断し、仲間に撤退のハンドサインを送った。しかし何故か仲間からの応答がない。不審に思って周りを見回した時、喉に灼熱間を感じ、目を下に向けると喉から血が噴出していたのであった。
狩人は、それを最期に意識が、無くなったのであった。
〔デイ・ノルド王国〕東部 元〔ドルパース伯爵領〕領都 〔マーリ〕
ここは、元〔ドルパース伯爵領〕領都の〔マーリ〕にある領主館である。今ここの館の主は、首都〔ハルマ―〕から代官として派遣されてきた内務省の地方統括官であった。
地方統括官とは、王家の所有している直轄領と地方貴族が、不正などにより領地を召し上げられた後、次の領主が決まるか、そのまま王家直轄地になるまでの間、代官としてその地を治める事を仕事にしている内務省の官吏の事である。
そしてこの元〔ドルパース伯爵領〕に遣わされた地方統括官は、お世辞にも勤勉な官僚ではなく、今日も領主の執務室で仕事をさぼっていたのであった。
「うむ、今日も良い天気だな。」
そうな呑気な事を宣っていると、執務室のドアが、激しくノックされた。それに驚いた統括官は、「何だ、騒々し」と言って席を立ちドアの方へと歩み寄ったのであった。そしてドアを開け放ち、ノックをしてきた人物に質問したのであった。
「なにかあったのか?」
そう問われたのは、ノックをした若手の官僚で、こう統括官に告げたのであった。
「はい、大変です。狩人たちが、居なくなりました。」
それを聞いた統括官は、事の重大性に気付いたのか、報告に来た若手官僚にこう命じた。
「直ぐに警備隊の隊長をここに呼んでくるのだ。急げ。」
そう言って若手官僚を走らせると、若手官僚から渡されたメモを読んで戦慄が走ったのであった。
そして、こう言った。
「これが明るみに出れば、私の本省でのキャリアが終わる。何とかせねば。」
そして数分後、若手官僚によって呼び出された警備隊隊長が、やって来た。それを待っていた統括官は、隊長にこう命令した。
「隊長、警備隊を引き連れ、直ちに行方不明になっている狩人たちを捜索せよ。」
「はっ、分かりました。」
と言って隊長は、了承すると部屋を後にしたのであった。そして隊長は、警備隊の詰所に戻ると手すきの者だけに捜索を任せたのであった。
「ふう、さっさとあんな奴追い出してやる。」
そう言って隊長は、部下からの報告を待つのであった。
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