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第29話 構築と妙案

どうぞ、お読みください。

 〔ノース・ザルド王国〕親征軍襲来の12日前。


 〔デイ・ノルド王国〕国境地帯 〔シテネモン要塞〕国境側 防衛陣地


 ザック ジャリ ザッ ザック ジャリ ザッ ザック ジャリ ザッ。


 〔シテネモン要塞〕国境側の門から500m離れた地点の地面が屈強な男たちによって掘り返されていた。

男たちは、8人一組のチームを作ると目印となる木の杭を地面に長方形になる様に打ち付けその間にロープを渡し場所を確定させると、その内側に入り全員で地面の表面を草ごと剥ぎ取ると、長方形に区切った区画の中心に集まり地面を掘っていく。

そして長方形の形に掘っていき、ある程度の深さ、彼らの肩の位置まで掘り下げると、何やら長く細い棒を担いだ男が現れた。するとその男は、担いでいた長く細い棒を穴の中にいる男たちに渡すと、再びその棒を取りに戻ったのであった。

そして棒を渡された男たちは、何かが書かれた紙を取り出すと、そこに書かれていた指示に従いその棒を組んで行った。

そして棒が組み上がると、その中に先ほど掘った土の中から省いていた小石と近くの村でとれる砂利を敷き詰めるとその場所から出た。

 するとそこへ何かが大量に入った大型の魔導装置がやってくると、先程まで男たちが入っていた穴にかなり粘性のある灰色の液体を流し込み、一定の高さに達すると流し込むのを止め、次の場所へと移動していったのであった。

すると男たちは、履いていた靴に沈み込まないようにするための魔道具を取り付けるとまた穴の中に戻り、先程、魔導装置が流し込んだ粘性のある灰色の液体を平らに均すと、その場を後にし、次に場所へと移っていったのであった。


 では、彼らは何者で、何をしているのかと言うと、彼らは〔デイ・ノルド王国〕王国陸軍第5方面軍に所属している工兵師団の工兵たちであり、彼らが今やっているのは、防御陣地となる掩蔽豪呼ばれる壕の一種の基礎工事を行っていたのである。そして先ほどの魔導装置が流し込んでいたのは、古代コンクリートと呼ばれる、非常に硬い建築材であった。

彼ら工兵たちは、流れ作業の様に順番に建築を進めていき、そうして全ての防御陣地となる掩蔽豪と掩蔽砲台を完成させたのは、〔ノース・ザルド王国〕親征軍来襲の2日前であった。


 そして、〔デイ・ノルド王国〕第五方面軍が要塞防御に採用したのが、掩蔽豪と掩蔽砲台による待ち伏せ作戦と残った敵を騎士隊によって壊滅させる殲滅戦であった。

そのため〔ノース・ザルド王国〕親征軍は、たった2週間で総兵力の半数を失う事に成ったのであった。

それでは、誰がこの作戦を取る様に進言したのか? その答えは、簡単である。


 この作戦を提示にしたのは、ガーベリウム・フォン・ノグランシア公爵で、そして掩蔽豪などの建設を迅速に行う為の魔導装置などの提供は、ユナリーム・ベラント・カークソルト導師であった。

彼女たちは、国王アランディアの要請を受け、〔シテネモン要塞〕に向かい、それぞれの任務を果たして首都〔ハルマ―〕へと戻っていったのであった。その期間わずか3日であったと記録されている。



 そして時間は、要塞攻略戦開始2週間後へと再び戻る。


 〔デイ・ノルド王国〕首都 〔ハルマ―〕後宮 エギル私室


 僕ことエギル・フォン=パラン=ノルドは、ここ数日師匠たちとの訓練、先生たちとの勉強、家族たちとの食事と団欒以外、部屋の中に閉じこもっている、いや正確じゃないな。厳密に言うと賢者の書庫に閉じこもっているのである。


「なるほど、こうやって戦争を終わらせる方法が有るのか。もしかしたら今回の戦いを早期に決着に持っていく事が出来るかもしれないな。」


 僕は、その計略を具体的なものに持っていくため、敵国となった〔ノース・ザルド王国〕について調べ上げ、そして具体的な作戦プランを構築し終えたのが、その1週間後の事であった。

そして僕は、その作戦プランをリウム先生に授業が終わった後に見せたのであった。先生は、僕が書いた作戦プランを読むとこう言って来た。


「殿下、大変よくできているとは、言えない代物でございます。ですが非常に的を射ておりますので、私と共に新たに考えて、陛下に提出いたしましょう。」


「はい、分かりました。」


 僕は、そう言うとリウム先生と共に作戦プランの練り直しを開始し、不備になっていた場所を修正していった。

そして2日をかけ修正が終え、僕は父上に奏上したのであった。そして奏上した次の日僕は、父上に謁見の間へと呼び出されていたのであった。


 〔デイ・ノルド王国〕首都 〔ハルマ―〕王城 謁見の間


「第一王子、エギル・フォン=パラン=ノルド、其方を此度の〔ノース・ザルド王国〕潜入部隊の総隊長に任命する。任務をやり遂げ必ず帰還せよ。以上だ。」


 その言葉を聞いて僕は、一瞬、固まっていた。「まさか、本当にあの言葉の通りになるとわ」と思いながら。

僕は、固まっている状態から回復すると、父上に対して返答を行った。


「はっ、総隊長拝命、謹んでお受けいたします。そして必ず帰還いたします。」


 そうして謁見は、終了し、僕は、潜入の為の準備を進め、その日を迎えたのであった。


お読みいただきまして、ありがとうございました。

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― 新着の感想 ―
[一言] アップデートありがとうございます、続編が待ち遠しいです。申し訳ありませんが、私はグーグル翻訳で書いたので、それはかなり厄介です、インドネシアからの挨拶。
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