第13話 天馬と友諠
今回は、かなり短いです。
どうぞ、お読みください。
投稿が遅れてしまい申し訳ありません。
〔デイ・ノルド王国〕首都 〔ハルマ―〕王宮 馬場
僕は、リウム先生からベエヤードという天馬について説明を受けていた。
「殿下、よろしいですか。ベエヤードは、天馬の一種であること先ほども言いましたが、この種が、他の天馬の種と一線を画すのは、有翼ではなく無翼で飛行を行う事が出来る事です。」
先生の説明を受けて改めて母馬の方を見てみると、確かに天馬種の象徴でもある羽は、ついておらず、普通に見ただけでは、ダダの馬にしか見えないのであった。
すると、母馬の方が、僕の考えたことが分かったのか、不服そうな鳴き声を上げると、体を宙に浮かび上がらせ空中を蹴る動作をすると前に進みだしたのであった。
「えっ、本当に飛んだ。」
僕の驚きの声が聞こえたのだろう母馬は、得意げな顔を浮かべると、勝ち誇ったような嘶きを上げると、馬場の上空を一周し、再び地上に戻ってきたのであった。
するとリウム先生からベエヤードについて面白い話を、聞かせてくれたのであった。
「殿下、ベエヤードは、空中だけではなく水面も進むことが出来、さらに蹄の音が聞こえないのでございます。さらにベエヤードの主となったものは、必ず勝利を約束され、大いなる事を成し遂げると言われています。」
「ヘェ~、君達ってすごいんだね。」
僕は、先生の話を聞くと、二頭に歩み寄り、労うように体を撫でると、母馬が顔を近づけてきて、少し嘶いた。
「えっ。」
僕は、驚いた。先ほどの嘶きが、僕には言葉に聞こえたのであった。僕は、自分の耳を疑ったが、再び母馬が少し嘶くと、先程聞いた言葉が聞こえて来たのであった。
《アナタハ、ワタシタチノオンジン、ソノオンヲカエス。》
僕は、この言葉に対してこう返した。
「僕は、当たり前の事をやっただけ、だから恩を返してもらう必要はないよ。」
すると再び母馬は、嘶いた。
《ソノシセイガ、ワレワレノアルジニ、フサワシイ。》
そう嘶くとさらに母馬は、僕の方に顔を近づけてきて、更に続けた。
《アナタニハ、ワレワレヲトモトナスシカクガアル。ワレワレノトモニナッテクレナイカ?》
僕は、その言葉を聞いてこの親子との絆を大切にしなければならないと思った。そしてこう答えた。
「分かった。君たちの友になろう。僕の名前は、エギル・フォン=パラン=ノルド」
すると母馬が嘶き、名前を伝えてくれた。
《ワレノナマエハ、シトール。コノコノナマエハ、スニテール。》
すると、仔馬も僕の方に再び寄ってくると、首を下げてお辞儀をしている状態となりその後首を上げるとこう嘶いた。
「ヨロシク、エギル。」
僕は、親子馬に対して改めてお辞儀をし、こう言った。
「これからよろしく、シトール、スニテール。」
お読みいただきまして、ありがとうございました。
木曜と金曜の投稿につきましては活動報告に記載していますので、お読みください。




