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第22話 エピローグ

第一章の最後です。

どうぞ、お読みください。

〔デイ・ノルド王国〕首都 〔ハルマ―〕王城 地下牢


 逮捕されたボレデノル・ハシーキは、王城の地下牢にぶち込まれていた。彼は、牢屋の中で悪態をつきまくっていた。


「私の計画は、完璧だったのだ。捕まるはずがないのだ。これは何かの間違いなのだ。」


 このような事を、1日中言い続けているのである。とそこへ見回りの牢番の兵士が通りかかった。


「ハシーキ、うるさいぞ。この反逆者が。」


 そう言うと、兵士は牢の鉄格子を警棒で叩きハシーキを大人しくさせると詰め所に戻っていた。

 牢番の兵士に注意されたことに納得がいかないハシーキは、また怒りを爆発させ暴言を吐きまくってた。そんな事をしている内に夜となり夕飯も食べ終え、後は寝るだけとなったハシーキの元に誰かが訪ねて来た。


「みじめなものよの。」


 その人物は、顔をフードで完全に隠しており更に漆黒の衣服を纏っていた。それを見たハシーキは、急いで飛び起き鉄格子の前に膝まづいた。


「貴方様が、この様な所に来られるとは、吾輩は、感激でございます。して、お助け下さるのでしょうか。」


 ハシーキが、そう問うと、黒を纏った人物は、冷笑してこう答えた。


「フッン、助ける? バカもここに極まれりだな。」


「はっ?」


「お前に生きていてもらっては、困るのでな。ここで死んでもらう。」


 その言葉と同時に、ハシーキの背後に何かが現れて、ハシーキの首に何かを刺した。刺された瞬間、ハシーキの命は、消えていたのであった。

 黒を纏った人物は、ハシーキの死を確認すると何かの方法でその場から消え去った。


 翌日、牢番の兵士によってボレデノル・ハシーキが、牢屋の中で死んでいるのが、発見された。

 事件の主犯格が、死亡したことにより、真相が解明されないまま、事件に幕が下ろされたのであった。

ボレデノル・ハシーキの死因は、自殺と断定された。






 〔デイ・ノルド王国〕首都 〔ハルマ―〕王城 後宮 応接の間


 僕は、今日届けられた物をじっくりと見ていた。光沢のある濃い飴色をしているその木の棒を。


「いかかでございますか? エギル殿下。」


「素晴らしい木刀だね。」


「ありがとうございます。」


 先ほどから会話をしているのは、この木刀を届けてくれた人物、ワーグスト・ラエンドルである。

 僕は、彼に対する謝罪を加算した代金を彼に渡した。すると彼は、渡された代金から慰謝料分を取り出してこちらに渡してきた。


「殿下、この様なお気遣いは無用でございます。」


「いや、しかし。」


 彼は、手を上げて僕の言葉を遮った。


「それ以上は、言ってはなりません。感謝すべきは、私の方ですから。」


 彼は、そう言って僕に対して膝まづき王国礼を取ってこう続けた。


「私は、殿下によって救われました、ですから殿下をお支えしこのご恩に報いたいのです。」


 そんな彼に対して僕は、こう答えた。


「それじゃ、僕の先生になってください。」


 その回答に、びっくりしたのか彼は、顔を上げた。


「はっ? 先生ですか?」


「そうです、先生です。貴方の持っている知恵を僕に教えてください。」


 すると彼は、こう答えた。


「私が持っている知恵は、経済や経営の事ですが、よろしいのですか?」


 彼の問に僕は、こう答えた。


「はい、よろしくお願いします。ワーグスト先生。」


 それを聞いた彼は、ニヤリとして笑い、僕に手を差し出してきた。僕は、その手を取り握手をしたのであった。


お読みいただき、ありがとうございます。


今後の予定については、活動報告の方で、9月17日の午後6時頃に、お知らせします。

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