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第21話 人質と制圧

遅くなりすみませんでした。


どうぞ、お読みください。

 僕たちが、衛士庁警備部警護課王城警備隊の庁舎に到着すると、庁舎の中から警備隊員数人が、出てくるところであった。

その数人は、いつも王城を警備している時には、身に付けていはいない装備を身に着けてあり、全員の顔に物々しい雰囲気が上っていた。

彼らの隊長と思しき人物が、彼らに檄を飛ばしていた。


「君たちの任務は、重大である。我が警備隊の一人の隊員と今朝から連絡がつかなくなっている。さらにそれを確認に言った隊員からも連絡が途絶している。よってこの二名の隊員に何かのトラブルが、発生したと考えられる。そこで我らの出番である。消息不明の二人を見つけ出し、必ず警備隊に帰隊させよ。以上だ。」


 そう言い終えると、副官と思われる人物から声が、発せられた。


「敬礼。」


 その声と共に隊員たちは、敬礼をし城下町に向かう為、解散をした。


 僕たちは、隊員たちを見送った隊長の元に駆け寄った。


「隊長、すまないが、聞きたい事がある。」


 僕が、そう問うと隊長は、こう返してきた。


「何だ、この忙しい時に」


 隊長は、苛立ちながらこちらを見てきた。


「はっ?」


 僕の姿を確認すると、間抜けな声を上げてしばらく固まりると、急いで臣下の礼を取った。


「殿下におかれましては、ご機嫌麗しゅう存じ上げ奉ります。突然の事とは言え、大変申し訳ありませんでした。」


 そう言って来たが、僕は、余り気にしていなかったので、隊長に「大丈夫」と声をかけ立ち上がるように促し、密告者の聴取をした警備隊員の所在を聞いた。


「密告者の聴衆をした、ロードスト・モルロ警衛士は、今どこに居る?」


 すると隊長は、非常に困った顔になり、どう報告したらいいか、迷っていた。しかし、意を決してこう言って来た。


「モルロ警衛士は、今日の朝から連絡が取れず無断欠勤の状態です。その為、彼の相棒の巡衛士長を彼の安否確認のため向かわせたのですが、その彼とも連絡が、ついていない状況です。」


 それを聞いた僕は、オルティシアに先生たちを呼ぶように伝え、隊長にこう言った。


「分かった、僕たちも捜索に加わろう。」


「殿下御自ら、動かれるというのですか?」


 隊長は、ありえない物を見た様な顔をしてそう聞いてきたが、僕は、こう返した。


「臣下を助けない者に、王と成る資格はない。そう言う事だ。」


「はっ、ありがとうございます。」


 隊長が、この言葉を聞いて感極まっていた。ちょうどその時に先生たが、到着し、僕たちは、城下町に向かった。


 僕たちは、まずモルロ警衛士の自宅に向かった。モルロ警衛士の自宅に近くに来ると、その自宅の前に明らかに普通の一般人ではない人たちが、家の扉を固めている状態であった。


「あいつ等は、どう言った手合いの者だ?」


 僕が、そばにいた警衛士補に尋ねた。


「あいつらは、この首都の一部を縄張りとするギャング集団〔コフィン・スニートス〕ですね。 殿下、腕の辺りを見てください。」


 僕は、アドバイスに従い腕の辺りを見てみると、タトゥーが入っており、その図柄が、棺から手が出ているものであった。


「そんな奴らが、こんな場所にいるってことは、中に監禁されているな。一刻も早く助け出さなければ。」


 するとリウム先生が、ストップをかけて来た。


「お待ちください、殿下。 事を急げば、人質が殺されてしまいます。」


「では、どうしろと?」


 そう僕が、聞くと、リウム先生は、こう返してきた。


「警護をしている者たちの中で、最も高い地位をしている者を捕まえ、情報を引き出しましょう。それによって状況が見えてくるはずです。」


「了解、その案で行きましょう。」


 僕たちは、監視のための人員を残し一旦その場を離れ、諸々の準備を行い夜が来るのを待った。


 首都が、夜の闇に包まれてしばらくが経った頃、僕たちは、人質奪還作戦を開始した。


 まず初めにユナ先生のチームによって、モルロ警衛士の自宅を中心に半径300メイツの範囲に設置型結界を敷き逃走を妨害し、通信魔法を阻害するフィル―ド結界も同じ範囲に展開をした。

 次に須針師匠のチームによる建物の周りに居るギャングたちの制圧が、開始された。


 須針師匠は、老人出ることを生かして、相手を油断させ、隙をついて昏倒させていった。

 制圧が終わり、全員を拘束し建物から死角になっている場所に、昏倒させたギャング達を集め、その中にいた最も地位が高いと思われる者を選び出し、リウム先生が、そいつの頭を握ると、情報を読み取っていた。

 リウム先生は、必要な情報を読み取ると、部隊を二つに分けるように指示をした。


「人質は、あの家ともう一つの場所に監禁させられている。一隊は、今から指示する場所に向かい幼い命を救え。」


「了解。」


 部隊が二つに分けられ、もう一隊が、その場所に到着し準備が整い次第、突入となった。

 三十分ほど経った時、別動隊の準備が整ったとの連絡を受けた。その報告を聞き僕は、カウントを開始した。


「突入、10秒前、9、8、7、6、5、4、3、2、1、0、突入!!!!」


その掛け声とともに、部隊が行動を開始し、ものの数分で片が付いた。モルロ警衛士とその奥さんも無事に解放され、別の場所に監禁されていた、娘さんたち二人も無事に取り戻すことが出来たのであった。


 この後、モルロ警衛士から家族を人質にとられて脅されて設置をしたこと証言してもらい、その証言と魔力波形などの証拠を提出し大法院に逮捕状を請求し、逮捕状を持って僕たちは、ボレデノル・ハシーキの屋敷に向かい、彼を逮捕したのであった。

 真犯人を逮捕した翌日、ワーグスト・ラエンドルは、誤認逮捕であったことが確認され無事釈放されたのであった。


お読みいただき、ありがとうございました。


第一章も次で最後です。明日の投稿をお待ちください。

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