第48話 進軍と強襲
遅くなってしまい、すみませんでした。
どうぞ、お読みください。
〔デイ・ノルド王国〕東部 メルソニス川 河口 河口からすぐの海上
首都〔ハルマ―〕へと言っていた飛竜とその操縦士が、「ダザルベス」の飛行甲板に垂直着艦をした。
僕ことエギル・フォン=パラン=ノルドは、そんな様子を艦橋の後方にある、周りを監視するデッキから見ていた。
「おッ~、やっぱり竜って格好いいな。」
僕が、そんな事を言うと、周りで作業している海軍下士官の一人が、こう声をかけて来た。
「殿下は、竜がお好きなんですか?」
僕は、それを聞いてこう返答した。
「うん、一回だけだけどリウム先生が、龍の姿を見せてくれたことがあるんだ。その姿が、とても美しくて、いつか僕もあんな綺麗な竜が、欲しいなって思っているんだ。」
それを聞いた下士官は、こう返してきた。
「なるほど、それは大変貴重なものを見られましたね。殿下の夢が、叶えられる事を祈念致します。」
僕は、それを受けて「ありがとう。」と返答すると、デッキにガル叔父上がやって来てこう言って来た。
「此処にいたか、エギル。兄上からの勅命が届いた。急いで会議室に行くぞ。」
僕は、その言葉を聞いて「はい。」と頷き返すと、足を乗せていた踏み台から降りて、作業をしている下士官たちにもお礼を言って、ガル叔父上と共に皆が、集まっている会議室へと向かったのであった。
会議室に到着すると、そこには先程、飛竜と共に帰って来た海兵隊員が、居た。隊員は、僕たちが入ってくる、敬礼をして僕たちに挨拶をして来た。僕も叔父上も答礼をしてそれに答え、所定の位置に着いた。
それを確認した隊員は、父上からの勅命が書かれた紙を封書から取り出すと、広げて、代読を行った。
「陛下からのご命令をお伝えいたします。『勅令 我、アランディア・フォン=フェニア=ノルドは、我が民たちと我が国に反旗を翻したタルドマン・フォン・ドルパースとその一味の討伐を正式に命じる。そしてタルドマン一味を支援しているゴロツキ共の正体を突き止め、殲滅を重ねて命じるモノである。 王国歴984年8月7日 フェニア=ノルド』以上です。」
そう言って隊員は、再び勅令書を封筒の中に仕舞うと、王弟であるガル叔父上に渡した。
叔父上は、それを受け取り、懐に仕舞って、隊員に歩み寄ると、「ご苦労様。」と言って労を労ったのであった。
そして一連の規定の手順を踏んで、父上からの勅令を拝した僕たちは、進軍準備を開始し、その約6時間後、デオルード伯父上とガル叔父上に率いられた海兵隊員たちを乗せた、揚陸艇が、目的地へと出発していったのであった。
僕は、それを見送ると、リウム先生と共に調査を開始したのであった。
〔デイ・ノルド王国〕東部 元〔ドルパース伯爵領〕 北の平原
アラン国王の勅令が、下された3時間後、他の貴族軍よりも最も早く、元〔ドルパース伯爵領〕へと進軍した者たちが居た。
彼らの主であるとある貴族は、戦功を独り占めにすべく、こうして抜け駆けをして、敵が来るのを待っているのであった。
するとその軍勢に大量の矢が、降り注いだ。全くの油断をしていた彼らは、それを防ぐ事が出来ず、右往左往するばかりである。
そんな狂乱状態の軍にある音が、聞こえて来た。
プゥプゥプー プゥプゥプー
その音が、鳴り終わると、大地をかける馬の蹄の音が、轟きだした。
ドドドドドドドドーーーーー
その音を聞いた兵士たちは、それを見た。馬に乗って攻めてくる反乱軍を。そして一時間後、北の平原へと単独で攻め入った貴族軍は、タルドマンとそのパートナーが、率いる軍勢によって全滅させられたのであった。
そしてタルドマンたちは、伯爵領を囲っていた軍勢の一部を突破すると、領外へと向かったのであった。
自分たちが、定めた決戦の地へと。
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