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第39話 仮面と剣戟

大変お待たせいたしました。投稿を再開いたします。


どうぞ、お読みください。

〔デイ・ノルド王国〕最南端 王家直轄領〔ノルドサーウ群島〕 ミルベル島


 僕ことエギル・フォン=パラン=ノルドは、仮面の襲撃者の最初の攻撃を何とか防ぎ、膠着状態に持ち込んだ。

だが、僕と仮面の襲撃者とでは、力の差が有り過ぎる状態の為、この均衡は長くは続かない。

実際均衡は、徐々にではあるが崩れてきているのである。僕は、この状況の打破と態勢の立て直しの為、身体強化の魔術を使用し、襲撃者との均衡を保つと、とある魔法を小声で詠唱を開始した。


「遮る、阻む、止める、見えむ壁、高き壁、壁の内を守れ、範囲障壁<フィールドウォール>。」


 すると僕と、襲撃者の拮抗点を中心に透明な壁が出来上がり、その形成により、僕と襲撃者は、それぞれ反対方向へと飛ばされた。

僕は、飛ばされた勢いのまま、上空でクルリと半回転して体勢を整えると、浮遊の魔術を使い砂浜へとゆっくりと下降した。

そして同時に襲撃者も同様な動きをして砂浜に降りると、手に持っていた剣を構えなおした。

僕は、それを見ながら先まで剣を止めていた木刀の状態を確認した。するとやはり真剣を受け止めたので、木の刀身にヒビが入っていた。

このまま戦っても支障はないヒビではあったが、万全を期すために腰に着けている「無限収納」から小太刀を一振り取り出すと、腰に差してから、柄を持ち鞘から刀身を抜き出して九我流の構えを取った。

すると僕が展開した<フィールドウォール>は、注入された魔力を使い切り、消滅した。それを確認した襲撃者は、僕が切っ先を地面に向けている事を見ると、僕に斬りかかる為、一歩を踏み出そうとした。

しかし襲撃者は、その踏み出そうとした一歩を再び元の位置に戻したのであった。そして僕の正面を右に行ったり左に行ったりと位置を変えながら、僕の隙を伺いだしたのであった。


 僕は、そんな襲撃者には構わず、九我流の構えを崩すことなく、ジッと正面を見ながら、掛かってくるのに備えた。

すると砂浜から見える離宮の方から声が、聞こえて来た。


「殿下、御無事ですか?」


 どうやら離宮でもこちらの事態は、見えていたみたいで、リウム先生を先頭に近衛騎士たちが、こちらに向かってきている様であった。

僕は、襲撃者に聞こえる様にこう答えた。


「ああ、無事だ。」


 そう返事をすると襲撃者は、これ以上の増援は好ましくないと思ったのか、右往左往を止め足を一歩踏み込み、僕に斬りかかって来た。

僕は、九我流の構えのまま、それがやってくるのを待った。

そして襲撃者の剣が、僕を切る寸前になった時、僕は、詠唱せずに身体強化の魔術を発動し、振り下ろされた剣を小太刀の峰の方で受けたのであった。

それを見た襲撃者は、一瞬動きを止めた。僕は、その隙を逃すことなく、峰で受け止めていた剣を、峰から刃に変える半回転の動きで、弾き、再び峰に戻して襲撃者の懐に入り、そのまま振りかぶった勢いのまま、刀身の峰を襲撃者の腹に叩き込んだのであった。


 ドス


 と言う音が聞こえて、僕の頭の方から息の詰まった声が、聞こえて来た。


「うっ。」


 そう言うと襲撃者は、持っていた剣を握ることが出来ずに砂浜に落とし、前のめりに倒れて来た。

僕は、直ぐに飛びのいて巻き込まれを防ぎ、気絶している事を確認する為に首に指を当てて脈を確かめた。


 トン トン トン


 脈を打っているのを確認して立ち上がると、丁度先生たちが僕の傍へとやって来ていた。

近衛騎士の一人が、僕にこう声をかけて来た。


「殿下、お怪我をございませんか。」


 僕は、そう言われて見える範囲を見て、怪我がない事を確認すると、声をかけて来た騎士に対してこう返した。


「うん、大丈夫。怪我はしていないよ。」


 それを聞いた近衛騎士たちは、「ハ~。」という安堵の息を吐くと、僕を護衛する為、円陣を組み、襲撃に備えだした。

その間にリウム先生は、僕に気絶させられた仮面の襲撃者を魔法で拘束し、僕の元へと運んできた。

そしてこう言って来た。


「お見事です、殿下。ですが、これからは周りにもう少し気をお配りすべきと言っておきます。」


 それを聞いて僕は、「はい。」と頷いたのであった。


 僕とリウム先生たちが、体制を整えると同時に離宮の方で音が響いた。


 カチャ――ン


 という窓ガラスが割れる音が聞こえると、何か機械が、飛んできて、近衛騎士たちの数メートル手前で止まると、魔方陣を構築した。

リウム先生は、それを見て拘束していた襲撃犯を魔法で持ち上げると、その魔法陣に向かって投げたのであった。すると魔法陣の向こう側で、何かぶつかる音と、うめき声が聞こえて来た。

そして先生は、持っている杖を構えて、こう唱えた。


「滅却、魔法光線<マジックバスター>。」


 すると先生の持っている杖から魔法で構築された、光線が発射され、魔方陣を構築した機械に当たり、爆発した。

僕たちは、先生の敷いてくれた防御フィールド内で、爆発をやり過ごし、そして魔法陣のあったところを見てみると、魔方陣を構築していた機械のコアとみられる物体と、機械のパーツが散乱していたのであった。

そして当然ながら魔法陣は、跡形もなく消えていたのであった。


 僕たちは、謎の襲撃を辛くも撃退できたのであった。その後近衛騎士たちとリウム先生は、調査の為その場に残り、僕は、迎えにやって来たミーナと共に離宮に戻ったのであった。


お読みいただきまして、ありがとうございました。

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