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第38話 尋問と襲撃

遅くなってしまい、すみませんでした。


どうぞ、お読みください。

〔デイ・ノルド王国〕最南端 王家直轄領〔ノルドサーウ群島〕 ミルベル島


 僕ことエギル・フォン=パラン=ノルドは、お爺様たちと共に離宮に入ると、割り当てられた部屋へと向かい、到着するとミーナたちに手伝ってもらいながら、荷解きを行った。荷解きを終えると、船旅の疲れを癒すため、ベットで僕は、少しばかり仮眠をとることにした。

そしてミーナたちにも休む様に伝えると、平服のままベットの中に入ったのであった。


 しばらくして、意識が覚醒し眠りから覚めるとベットの横からミーナの声が、聞こえて来た。


「殿下、昼食のお時間でございます。」


 僕は、その声で目を開けると、体を伸ばして凝り固まった筋肉を緩めると、ベットから勢いよく体を持ち上げて、ミーナに対して返事をした。


「うん、分かった。ありがとう、ミーナ。」


 それを受けたミーナは、「では、支度いたしましょう。」と言ってベットから離れると陶器の桶を取りに行き、桶に水を汲んで、僕の目の前のテーブルに置いた。

僕は、そのテーブルに近づき、眼帯を外して顔を洗う準備をすると手で水を汲んで顔を洗い、目をすっきりさせた。

そして顔を、差し出されたタオルで拭いて、水気を飛ばすと、眼帯を付け直そうとした時、一瞬左目に違和感が生じたのであった。

僕は、「えっ。」と思っていると違和感は、消滅し、何時もの感覚に戻ったのであった。僕は、不思議に思いながら眼帯を付け直し、ミーナに乱れた髪を整えて貰うと、お爺様たちが待っている食堂へと、部屋を出て向かったのであった。


 お爺様たちとの昼食を終えると僕は、部屋に一旦もどり持ってきていた道着に着替えると小太刀と脇差と木刀を持ってビーチへと、向かった。

ビーチに到着すると、いつもの様に木刀を待って型の稽古を開始した。そして一通りの型をやり終え様とした時、背後から気配に気付き、咄嗟に右下方に避けると、持っている木刀を左へと向けた。


 ガン。


 と言う音が聞こえ横目で左の方を見てみると木刀に剣が当たっており、そして左後ろには、仮面で顔を隠した人物が、僕の事を見下ろしていたのであった。






 私ことガーベリウム・フォン・ノグランシアは、龍紋魔法と言う龍族と我ら龍人族に伝わっている種族特有魔法を使って、我ら使節団を監視していた情報屋の男を捕らえた。そして失神魔法をかけて意識を刈り取ると、私が呼んでおいた近衛騎士たちと共に男を離宮の一室へと運んだのであった。

そして私は、少し遅めの昼食を取ると、情報屋の男が閉じ込められている部屋へと戻り、近衛騎士数人の立ち合いの元、彼の意識を覚醒させて、尋問を開始したのであった。

彼は、私の問に名前と職業と依頼内容を明かしたが、信頼が命の情報屋であることから依頼者については、何も語ろうとしなかった。

そこで私は、彼が所持していた荷物を調べることにした。


 荷物が入った背負い袋を開けると私は、その中身を取り出して情報屋の彼に一つずつ確認を取りながら彼が所持している物を調べた。

そして背負い袋から最後に取り出された魔導機械の様な物を私は、彼に見せて確認を取った。


「これは、何ですか?」


 そう私は、問うと情報屋の彼は、こう言って来た。


「依頼人が、連絡用だと言って渡してきた魔導通信機だよ。」


 私は、それを聞いて精査する必要があると感じ、調査魔法を行使した。するとこの魔導通信機には、通信機としての機能だけではなく、持ち主の現在の居場所を通話中に特定する機能が備わっていることが分かった。

私が、その機能を切る為、通信機の動力を落そうとした時、呼び出し音が、鳴りだした。


 ピーイ ピーイ ピーイ ピーイ ピーイ


 私は、通信機の通話の紋様を押して情報屋の彼の耳に当てると、会話をする様に促した。

すると通信機から、何かで変声をした声が聞こえてきて、こう言ったのであった。


「捕まってしまいましたか、ですが、これで手間が省けます。」


 その声が、聞こえ終わると、魔導通信機が、私の手から離れて空中に飛び上がり、部屋の壁にめり込むと、ゲートと呼ばれる魔法の紋様を形作った。

そしてそこから仮面で顔を隠した数人のグループが現れると、私たちに斬りかかり、そしてその内の一人が、エギル殿下が、鍛錬をしているピーチへと向かったのであった。

私は、シールドの魔法で攻撃を防ぐと、そのシールド魔法を相手に向かって飛ばし、襲撃者を昏倒させるとエギル殿下の元へ向かった。

近衛騎士たちも応戦をし、一旦距離を取りその場を離れると情報屋の彼を保護しつつエギル殿下が居るビーチへと向かった。

そしてビーチでは、最初の攻撃を凌いだエギル殿下が、襲撃者と対峙していたのであった。


お読みいただきまして、ありがとうございました。

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