第36話 海原と群島
少し短いです。
どうぞ、お読みください。
マルトニ洋 公海 王家専用艦「ノルドイルルストリア」
僕ことエギル・フォン=パラン=ノルドは、マルトニ洋の公海上を王家専用艦「ノルドイルルストリア」に乗って南に向かっていた。
最終目的地である〔スカイテール連邦王国〕を目指しているが、その前に寄る場所が有るのである。
その場所とは、王家のプライベートアイランド〔ノルドサーウ群島〕である。
僕たち使節団一行とダベル大叔父上は、ここで一週間の滞在し、〔スカイテール連邦王国〕へ向けて食料や水の確保などの船旅の準備を行ない、目的地に向かう手筈になっている。
僕は、第一王子付き侍女で、今回の旅の僕の世話を統括しているミーナに付添われながら、「ノルドイルルストリア」の上甲板に出て海を見ていた。
「やっぱり海って、大きいんだね。」
そう僕が言うと、ミーナが、こう答えた。
「はい、そうですね、殿下。」
「ミーナは、海って今回が、初めてなの?」
と僕が、聞き返すと、ミーナは、こう答えてくれた。
「いいえ、こうして海原に出たのは、三回目でございます。一回目と二回目も国王陛下たちの静養に同行した時、参りましたね。」
「じゃあ、ミーナは、これか行く島についてもよく知っているんだね。」
そう僕が、質問すると、ミーナは、こう答えてくれた。
「いいえ、私が把握できている場所は、少ないです。私たち側仕えより知っているのは、先王陛下でございます。ですから先王陛下にお聞きになるのが、よろしいかと思います。」
「うん、分かった。お爺様に聞いてみるよ。ありがとう、ミーナ。」
僕は、それを聞いてこう答えたのであった。それに対してミーナは、こう返答した。
「お役に立てて事、真に嬉しく思います。」
その後僕とミーナは、しばらくの間、海や艦の中を見て回ったのであった。
海洋都市〔アルカニス〕を出発してから三日後、僕たちを乗せた王家専用艦「ノルドイルルストリア」は、目的地の一つであり、補給を行う拠点でもある王家のプライベートアイランド〔ノルドサーウ群島〕に到着したのであった。
僕とお爺様たちが船から出てくるとこの群島に住んでいる人たちが、歓迎の踊りなどを披露してくれて僕たちを温かく迎えてくれた。
プライベートアイランドとは言っても、離宮とそれに隣接した砂浜、さらに海軍基地の周辺に、立ち入り制限が掛かっているだけで、あとは島民三千人が住んでいる有人群島である。
そして僕たちは、艦から降ろした馬車に乗って離宮へと向かい、一週間の静養に入るのであった。
その時僕は、リウム先生が何か不思議な事をしているのが、とても印象に残ったのであった。
お読みいただきまして、ありがとうございました。




