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2話 覚醒


「なかなか見つからないね〜」


俺たちがゴーレムを探し出して3時間程。依頼文の場所付近を捜索しているが出てこない。デカい図体なんだからもうそろそろ見つかってもいいはずなんだが。


「あれ?これなんだろう?ねーこの赤いボタンみたいなやつ押してみていいかな!」


「おい、気をつけろよ。何かの罠かもしれないぞ。」


そう言ったのだが、もう探し疲れて飽きていたのかアズライトは躊躇いなく赤いボタンらしきものを押してしまった。


ズズズズズッと低い音が轟き、地面から黄金色のゴーレムが現れてきた。え、黄金色?ゴーレムって確か石のような灰色だったよな?こいつもしかして上位種のゴールデンゴーレムじゃないか!赤いボタンみたいなのはこいつのコアだったのか。


「アズライト気をつけろよ!こいつゴールデンゴーレムだ!」


「やっぱり?でもやるしかないでしょ!」


そう言ってアズライトは呪文を唱え始めた。


束縛バインド!」


動きを止めようとする。ただのゴーレムなら可能だろうがこいつはAランク級だ、 B級魔術は通用しない。


「うおおおおおぉっ!」


今度は俺が斬りつける、だが案の定大したダメージを与えられていない。どうする?逃げるか?頭の中で逃亡の二文字が浮かんでくるがアズライトの声で遮られる。


「危ない!避けて!」


ゴーレムが雷を纏った強力なパンチを浴びせようとしてくる。とっさに避けようとしたがもう間に合わない、受けるしかないが防ぎ切れるか…?


ガキーーーンと鈍い音が響き渡る。なんとか防御できたようだ。だが雷の力までは防ぎきれなかった、身体中に痺れが走る。


「ぐあああああっ…だが、このくらいなら大丈夫だ」


しかし、体に何か違和感を感じる。なんだろう、ダメージを受けたとはまた別の何かがあるような…


「大丈夫!?今回復するね、治癒ヒール!」


体の痛みは瞬時に消え去った、だが違和感はそのままだ。


「ありがとう!ただ、まだ違和感を感じるんだが何なのかわからないんだ。」


「えーっ?今ので全快したと思うんだけどなー?ん、ねえ、あなたのステータスを見てみて!」


ステータス?なんでこんな戦闘中に?疑問を抱きながら確認すると俺の魔術リストに『雷霆らいてい』が追加されている。何一つスキルなど持っていなかったのに。どういうことだ?


「とにかくそのスキルでそいつを倒しちゃって!」


「わかった、いくぞ!『雷霆』!」


突如、晴天だった空が雲一面になり、雷がゴーレムめがけて落ちてくる。何度も何度も。


グゴゴゴゴゴッとゴーレムから地響きのような音がしたと思ったら動かなくなった。


「やった…のね!すごいじゃないあなた!」


それから空は雲が何処かにいってまた晴天になっていく。


「俺自身が1番驚いているよ。」


俺はアズライトに苦笑いしつつ空を見上げた。


「世の中不思議なこともあるもんだな。」


ふともう一度ステータス画面を確認したが、確かに『雷霆』が魔術リストに残っていた。

これは一体どういうことなんだろうか?考えられるのはやはりゴーレムから雷の力を纏わせた攻撃を食らったことだろう。

もしかして俺が受けた攻撃に応じて魔術を習得できるようになったのだろうか。だとするとあえて攻撃を受けることで脳筋だった俺は魔術も使えるようになるということだ。

見放されたあいつらを見返してやる…今はまだ静かな怒りがその時湧き上がってくるのを感じた。


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